かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

僕の気持ち

2008年01月26日 | 見 聞
 暇に飽かせて、センター試験の国語現代文をやってみた。夏目漱石の小説『彼岸過迄』が題材だった。高校までは国語という教科の意図が分からずほとんど何の興味も無かったし、成績も散々だった。数十年ぶりのトライだが、やはり国語という教科への不審は拭えなかった。

 問題「僕はどうしても僕の嫉妬心を抑え付けなければ自分の人格に対して申し訳がないような気がした」とあるがなぜ僕はこのような気持ちになったのか。その理由として最も適当なものを次の5つからひとつ選べ。
 これは困る。やっぱり困る。もちろん答えとしての察しはつくが、だって僕の気持ちだろ?と数十年ぶりに同じように考えている自分にも飽きれた。

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一極集中ホーム

2008年01月24日 | 数の風景
 仕事の関係で駅の事をあれこれ調べている。都市への一極集中を考える時、駅の一日当たりの乗車人員(乗る人のみ)は分かりやすい指標になる。
 全国でも首都圏の駅の込み具合はずば抜けている。JR調べによると、1位新宿(76万)2位池袋(57万)3位渋谷・大阪(43万)5位横浜(39万)といったところ。ここから東京、品川、新橋、大宮、高田馬場、秋葉原と都心が並ぶ。次にようやく名古屋や京都が17、8万で続き、博多や札幌、仙台といった中心都市でさえ10万を切るのに、首都圏では10万以上の駅が30以上もある。
 2007年以降の人口減少が話題となっているが、このままでは都市に人口は相変わらず集中し、地方が縮小していくという図式はきっと何も変わらない。人口減少社会などまったく関係無いことのように、東京の街は建物も道路も地下鉄もどこも新築工事ばかりなのだ。

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その山の向こう

2008年01月19日 | 仕 事
(写真)谷川岳の天神平から
 昨年末、小田原の商店街活性化コンペに応募した。先日公開プレゼン及び審査となりましたが、優秀賞という結果でした。実施コンペであっただけに無念。
 9合目で見る景色と山頂で見る景色はまったく違う。9合目からは登っている山頂は見えるけど、山頂からはその山の向こうが見渡せる。

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瓦屋根の憂鬱

2008年01月16日 | 建 築
(写真)五十鈴川にかかる橋の向こうに甍の波
    かの有名な伊勢赤福本店
 今日で中越沖地震から半年、明日で阪神大震災から13年になる。
 震災がある度、瓦屋根の家が崩れ落ちている映像が繰り返し映し出される。
 倒壊する家の多くは木造瓦屋根だという事を逆手に、自社ハウスメーカーの家が強いという論調を目にするが、それは正しくない。
 いずれにせよ、どうも瓦屋根には分が悪い。
 著名な現代建築家の中で、堂々と瓦屋根を使っているのは内藤廣氏くらいか。彼にしても瓦屋根を使う論理を立てると言う手間が必要になる。
 それくらい瓦屋根には分が悪い世の中だ。なぜだ。目のかたきだ。

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大リーグと地域格差2

2008年01月14日 | 数の風景
「おい、お前まで大リーグかよ?」という移籍が多くなってきたら、大リーグの評価は下がりはじめている。
 高度成長を担った団塊世代の15%は東京生まれ、15%は上京組、合わせて30%が東京に集まったことになるそうだ。これこそが一極集中の実態だが、この集中は世界的にも例のないことらしい。
 そして多摩ニュータウン生まれの大学生に驚いている場合ではない。団塊ジュニア世代になると、東京にはこの世代の33%が集まっていて、この世代のおおよそ「4人に1人が東京生まれ」だと言う。東京一極集中は場所の問題だけでなく、数の論理でも成り立ってしまう。
 とこんなような数字を並べながら「これでは東京でみんなが食っていける訳はない」と下河辺淳さんがもう10年以上前に警告されていたのを思い出している。そんなこんなの間に、団塊孫世代の東京風景がどんどん近づいている。

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大リーグと地域格差

2008年01月10日 | 数の風景
 今年も新たに5人の日本人選手が大リーグに移籍する。黒田、福留のようにチームの看板選手が続々と海を渡る。海の向こうに世界がある、という古くさいが今も変わらない日本の図式がある。
 地方と都市の図式も同じく、育てるだけ育てては働き盛りになると労働力はみな都市に吸い取られてしまう。引き抜かれた側の心情に被害者意識はあるだろうか。東京の大学生に地方出身者が減ったことを見ると、いずれ一極集中は分散するのだろうか。
 高度成長期には確かに、優秀な人材が東京に集まった。しかし今の東京は果たしてそういう求心力を持っているだろうか、と問い続ける必要がある。地方も生き残りをかけて闘っているが、都市にも同様の問題が突き刺さっている。

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きっと・そっと・ずっと

2008年01月05日 | かめ 会
 大晦日の紅白を見ていた。赤組も白組も、歌詞には「きっと」「そっと」「ずっと」ばかりだ。イマジネーションは乏しく、自己肯定してくれる歌ばかり目立つ。空虚なお笑いブームも気になるが、癒しもそろそろくどい。

 年賀のかめバー開店前。いつもこの小さな空間は熱気で包まれます。正月、象OB・現役を合わせて9名が集まりました。「きっと」「そっと」「ずっと」なんかあんまり信用しない人たちのこのにぎやかな宴で今年の幕は上がりました。

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かめは時空を超えるのか?

2008年01月04日 | 仕 事
 浜で助けられた亀は、浦島太郎を竜宮城に連れて行きます。竜宮城から帰っても浦島太郎を知っている人は誰もいません。乙姫から受け取った玉手箱を開けると煙が出てきて、浦島太郎は老人になってしまいます。
 ここでも亀は、時間ばかりか空間も飛び越えて、別世界へと連れて行ってくれるのです。アインシュタインによると、亀が光に近い高速で進めば科学的に起こりうるという説明がなされているそうです。
 ともあれ、のそのそ亀が竜宮城に連れて行ってくれるなんて想像力を持つことが今、大切なことかもしれません。走ります。飛びます。本年もどうぞよろしくお願いします。
 かめ設計室一同

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