かめ設計室*3丁目通信

2005年4月より、西新宿にて一級建築士事務所かめ設計室がはじまりました。3丁目からのかめバー通信。

東京染小紋

2006年10月09日 | 
 土と紙を求めて小鹿田と黒谷に訪れたことを以前紹介した。(鳥が選んだ枝、枝が待っていた鳥)
 今回は染色(小紋)を学びに旅をした。旅というより散歩なんだけど。江戸小紋の工房は浅草や新小岩に多くあったと聞くが、明治以降川の汚れが目立ち、神田川を遡るかたちで早稲田や落合に工房が多く移ったようだ。
 神田川流域にある富田染工芸で、東京染小紋の製作工程を見学させていただいた。
1/糯粉と米ぬかに染料を配合して色糊を調整する
2/長板に白生地をはって伊勢型紙をのせ、目色となる糊で柄を染める(写真)
3/生地を板から外し、地色となる糊で生地を染める
4/染料を生地に定着させるために、蒸す
5/糊を落とすために、生地を洗う(S38年までは神田川で洗った)
6/生地をはって、乾燥させる
7/湯のしで幅を整える

 これらの工程は想像を絶する繊細な作業だ。ここでは7を除きひとつの工房で行われるが、各工程は専門職に別れる。帰り道、近所に湯のし屋の看板を見かけた。
 実は今回、紙と糊の事を相談しに伺ったのだが、「なんでも教えてあげるよ」ととても親切にしていただき本当に感謝。伝統技術の知恵と職人の働く姿勢にはいつも勇気をいただく。そして私の手仕事に向かう。

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