毎日新聞社刊「俳句α」に金子兜太氏の「兜太のあるふぁ添削塾」で篠原勝之(クマ)さんの俳句が取り上げられていました。
推薦句
冬の蝿巨魚の柩に手向けをり
鶯や宇宙の塵の飛来せり
佳作
きしむ海膨るる崩る咳ひとつ
屁こき虫墜ちて這いつつなぜ飛ばぬ
ねこやなぎ削ぎし頭蓋の赤い川
うらがえる裏白飛ぶや午前二時
人殺す煙の海の青魚喰う
雲に鳥北へ傾ぎつ燃える串
嬰負うた足なえ猿や雪旋る
おおぜいの白菊の首のぞく小窓
好きな句は
鶯や宇宙の塵の飛来せり
きしむ海膨るる崩る咳ひとつ
ねこやなぎ削ぎし頭蓋の赤い川
宇宙の塵が鶯の呼吸器を循環し、鳴き声となる神秘さ。衛星放送の電波がいったん宇宙に行ったのだからと、何となく番組も神秘的に感じられたあの日。(関係ないか)
「海膨るる崩る」のイメージはさすが。何となく不穏な海を感じるのはクマさん作だからでしょうか。
「ねこやなぎ」、「削ぎ」、「頭蓋」、「赤」こちらも安穏と出来ない喚起力を持つ言霊が並び、何かしら不安を感じます。不意の流血を前にして、どうしてよいか分からないような。
クマさんの作品はいいも悪いも、クマさんでしか表現できない世界であり、他者には追随できない何かを持っています。
自分でも、このような作品が出来ればよいのにと思います。
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