梶の「趣楽独言」

陶芸・家庭菜園・ダンス・碁・蕎麦打ちなど趣味三昧に生きる老人の独り言

陶芸

2009年05月14日 | 陶芸
 5月の連休中に県の施設を使っている陶芸の会の窯焼きが有りました。今回は傘たてを焼きました。黒天目を薄くかけ、下部は焼き締め風にし、その上に茶そばで模様を付けをしました。私はこの黒天目と茶そばの作り出す文様が好きです。この傘立ては象嵌作品の制作が失敗したので3月下旬に急遽作り焼いた作品です。

 実はこの窯焼きに向って、2月の中頃から象嵌の作品を制作していました。象嵌が終わり、最後の仕上げの削りを行いました。しかし、削りで一部象嵌にムラができ、そこを直そうと、再度象嵌を行いました。削りの時間が長く、作品が乾燥し過ぎ、穴が空けられず、霧を吹きましたら、ひび割れが発生しました。最後の作品の仕上げと思い、もう象嵌は終ったと思っていましたので、長い時間削って綺麗にしていたのが原因と思います。また、5月の連休前に素焼きですので、乾燥時間が不足する恐れが有り、作っている時も乾燥ぎみに制作していました。色々と反省する事が多く、よい経験になりました。
 4月の初めから再度同じ様な形の作品を作り出しました。今制作している私の作品は腰高の上部を塞いだ壷に象嵌をするのですが、腰高の壷は制作している時に上部の重みで粘土が下の方に垂れ下がります。その為に腰高の線を乱します。前回の作品は時間が無く、壷の形が完成すると即象嵌作業に入りました。しかし、象嵌を行っている最中に、この垂れ下がる事に気がつき、削る時に修正をしながらの作業を行いましたが、折角入れた象嵌を修正作業で削り、消す事になりました。この垂れ下がりは最後の段階まで影響し、自分の納得のいく腰高の綺麗な線を出す為に苦労しました。前回の失敗で大きな作品の制作は、充分な時間的な余裕を持つ事の重要性を実感しました。その為に今回の作品は8月のお盆明けに素焼きをする予定で4月から作り出し、6月の半ばには象嵌が終わり、二ヶ月の乾燥時間をとるように考えて制作しています。作品は形を作る時にこの垂れ下がるのを考慮し、象嵌の作業に入るのを遅らせ、形を作るところから入りました。今は象嵌作業中ですが、粘土を象嵌可能に保ちつつの作業ですので、今でも垂れ下がりは発生しますが、象嵌中の削りで修正しています。徐々にそれも少なくなり、削り自体も時間が掛からなくなりました。
 生涯大学を卒業し、今は大きな作品を焼く事が出来る機会が少なくなりました。しかし、大きな作品を作る事は、小さな作品ではそれほど気にならない色々なことが問題になります。その為に制作過程で色々な課題に遭遇しますが、失敗する毎に、その解決法が分かった時の喜びは格別です。大きな作品を焼く機会が少ないですので、一ヶ月ほどの時間を掛けて作っても、気に入らなければ壊し、しかし、この失敗は色々なことを会得しますので、自分の納得の作品が出来た時に焼く、このような作品作りが、これからは続くのかなと思います。
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