梶の「趣楽独言」

陶芸・家庭菜園・ダンス・碁・蕎麦打ちなど趣味三昧に生きる老人の独り言

陶芸

2009年03月10日 | 陶芸
 私は柏の葉の公園にある県の施設を使う陶芸の会に参加していますが、その会の会長が昨年11月に病気になり、その後会長を引き継ぐ事になりました。2月13日に4月から9月までの窯の抽選会が有り、私が参加し、運よく私達の会は大釜を2回使えることになりました。25人の会ですが大釜は何時も満杯にする事が出来ません。一回目は5月の連休にかけ窯焼きを行います。そんな訳で急遽それに間に合うよう、2月13日から高さ60cmほどの壷作り、それに点描象嵌を行う作業を開始しました。
 点描象嵌を始めますと朝から夜まで穴を空け、色粘土を入れる単調な作業を行います。今回は4月28日が窯入れで、大きな作品ですので、ゆっくりと乾燥時間を取る必要が有ります。特に、天井を蓋を閉めた作品にしましたので、時間が掛かりそうです。3月13日頃には完成しようと、大分無理して作業を行いました。昨日で象嵌作業は終わり、最後の仕上げの削り作業に入りました。小さな作品も同じですが、この仕上げの作業で作品の完成度は違ってきます。表面の微妙な凹凸や形を微妙に乱しているゆがみを調整するのですが、いつくもの作品を作る内に徐々に微妙な狂いが分かるようになります。そして表面の曲線が綺麗になった時に作品に品格が感じられます。点描象嵌作品は何回も粘土に穴を空け、色粘土を象嵌し、表面がでこぼこになり、その後に削る作業を行いますので、その過程で形を整えながら作業を行います。象嵌作業が終わった時点では表面の凹凸も少なくなっています。一昨年までは象嵌だから目で見て分からない程度ならよいと自分を慰めていました。実際には手の指先で触りますと、凹凸が感じられますが。しかし、昨年象嵌を再開してからはそれが許せ無くなりました。微妙な凹凸が目でも分かるようになり、仕上げに時間が掛かるようになりました。
 抹茶茶碗などの陶芸作品は手作りですので、表面の凹凸もそれなりに趣が有ります。しかし、点描象嵌作品は工芸品ですので、それが許されない世界かなと思うようになりました。その様な気持ちで作品を作りますと、徐々に形を悪くしている凹凸や曲線が気になりだします。今まで見えなかったことが自然に見える様になるのです。人の隠れた能力に感心します。そして、作品を作る各工程で如何すればそれを回避する事が出来るか、考えます。苦労した点はその前の工程で時間を掛け作業し直すことの重要な事に気が付きます。急がば回れです。昔、銀行の巨大システムを作っていた時に品質は各工程で作り込めと部下に口癖のように何時も言っていた自分を思いだす、今日この頃です。
 今回制作中の象嵌作業がほぼ完了し,仕上げ前の作品です。

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