きれいなきれい〈田添公基・田添明美のブログ〉

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ジャスト200.0km

2009年05月31日 11時31分24秒 | 日記・エッセイ・コラム

このところ雨続きで,せっかく手に入れた自転車と遊べない。今朝は,犬の実用自転車での散歩を終えた後でも,なんとか空は曇りを維持している。
雨水の溜まったクロスバイクのシートを剥がすと,小さなナメクジが2匹いた。
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背負おうリュックの中には,東京と埼玉の地図に,ドド子さんお勧めの「MTB・クロスバイク/トラブルシューティング」の本と,パンク時用の修理セットと交換チューブ,エアポンプが追加された。しかし,まだタイヤやチューブを外す練習はしていない。これ以外にも,色々リュックには入っているので,かなり重くなってきている。
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取り敢えず,前にやはり雨で中断した「北方向へ進む」をもう一度試してみることにした。しばらく進んで,和光樹林公園入口。これより先には,これまで埼玉県の地図を持ってなかったので,まだ行ったことがないのだ。
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和光市役所。建物の内側にはテントのようなものがたくさんある。何かの催しがあるのだろうか。
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東京地下鉄和光車庫を左に見ながら,北上する。
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本田技研工業和光ビルを右手に見ながら,更に北上する。
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地図で越戸川に沿ったところに「水久保公園」の表示があるので,そこへ向かう。住宅地の細い道を進むものの,行き止まりが多くそこへ行けない。
そのうち,裏道のようなものを見つけ,自転車をかかえて階段を登って,雨上がりで足元のあぶない斜面も登って,木道の階段と橋を渡って,なんとかたどり着いた。
自転車をかかえてこんなに昇りを歩いたのも初めてだ(^o^;;;;)。

それと,東京都の地図には公園にトイレマークがあるのだが,埼玉県の1/8000にはあるのだが,広範囲の1/16000の地図には入っていない,これはトイレの近い,我慢のできない体質の自分には困ったことである。
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ここで戻るコースに切り換えることにして,南下する。和光中央2丁目の道ばたで,懐かしい二宮金次郎像を発見。顔が鉛筆で描き加えられていた。惜しむらくは,視線が本に向いていない。
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9時少し前に帰宅。地図に今日のコースを書き込むと,こんな感じかな。
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そして,記録のメータを見ると,今朝は「18.78km」走って,累計走行距離が「ジャスト200.0km」。今月の10日にクロスバイクが届いて,11日からポタリングを始めたので,20日間で200kmということになる。
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6月は,もう少し飽きてくるだろうから,こんなには走らないだろうな。自転車で痩せようと予定していたのだけど,お腹が空くので食べてしまい,結局体重には変化がない。


三婆        田添明美

2009年05月14日 22時13分52秒 | 「いたずら」田添明美

 

 

私には
三人の祖母がいた

 

山育ちの祖母は
七十で
「オレは」というしゃべり言葉を
まるごと変えてしまい
気短な癖に
仏の様に暮らそうともくろんだ

 

九十七まで生きた祖母は
ベッドに体を横たえながら
訪ねていくと
ベッドに凭れ正座して
きっぱりと補聴器を厭い
聞こえぬ
会話に加わった

 

私のすきだった祖母は
「躾に古いも新しいもないっ」と叫び
三人の男孫を育て
死ぬ前日まで
歩いて通院をしとおした

 

あおい空を
みあげ 涙ぐむ時

 

こんな私で相済まぬが

 

こんこんと
みゃくみゃくと
血よ流れよ
血よながれよ
とまじないを唱える。

 


               H5.8.25
                                             k.o.へ

 

 

 

 


とりあえず自転車

2009年05月14日 20時16分26秒 | 日記・エッセイ・コラム

昨夜は,“いいちこ”のお湯割りに酔って,8時くらいには寝てしまったので,夜中の2時に目がぱっちりすっきり醒めてしまった。

「起きようか,どうしようか」を迷いながら,リンゼイ・タウンゼンド(犬飼みずほ訳)の「スカルピア(講談社文庫)」という,“華麗なオペラ界を舞台に展開するサスペンスロマン”の続きをしばらく読む。恋愛関係になりそうな登場人物の組み合わせが,簡単に予測できる。

もう眠れないので,読書は止めて,犬の散歩に自転車で行くことにした。その前に,(自己診断の)坐骨神経痛の予防のため,ビタミン剤を飲む。

犬のふうと一緒に石神井公園駅あたりまで行くと,“開かずの踏切”をなくすための高架工事で何人もが働いていた。あまり音のしないような工事が中心のようだ。(画面はクリックすると大きくなります)
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帰宅後,新しい自転車でどこかに行くか,それとも仕事をするか,迷いながらまた「スカルピア」を読む。
外が少し明るくなって来たので,とりあえず「光が丘公園」に自転車で行くことにする。「とりあえずビール」のような選択である。

ホワイトLEDのライトを使うのは初めてである。ピカピカ点滅するモードを選ぶ。結構明るいではないか。後ろのライトは自転車に触った途端に自動的に赤いライトがピカピカし始めた。これまでの自分の人生はピカピカではなかったけど,自転車だけは前も後ろもピカピカだ(^o^;)。

光が丘公園に来て,まだ元気なので,もう少し足というか輪を伸ばすことにする。地図を見ながら,また「とりあえず成増駅へ」。そこでもまだ元気なので,「荒川まで行ってみるか!」と強気になる。その途中の「松月院」というお寺。
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赤塚公園を先ず目指して進む途中の公園のオブジェ。三点一組のうちのひとつで,インディアンの横顔像。
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赤塚公園で自転車をパチリ。ここまで,道の横断がよく分からないので,歩道橋の上まで無駄に3回も登ってしまった。その全部,登る必要はなかった。

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ここから上り下りが多く,写真を撮る余裕はなく,苦しさも感じるようになる。しかし,その分,21段ギアの組み合わせの練習にはちょうどよかった。軽すぎず,重すぎない,気持ちいいペダルの重さの組み合わせを懸命に選び学ぶ。

笹目橋である。
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その橋から下を覗いたのである。中央上のまな板と包丁,ザルと軍手,柄の長い鎌,スコップとリアカー,自転車等々。
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ここまでで,14.33キロ。初めからここを目指していれば,もう少し短い距離で来られたはず。
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この船は何のためのものだろう? 釣りかな。
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なに! 「日本橋から19キロ」だって。ということは,「日本橋まで19キロ」ってことだ。行けそうじゃないか♪ むふふ。

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「今日納品約束の仕事はまだ1枚も出来ていない!」と思い出して,休む間もなく帰路につく。立派だ! 偉い! 職人の鏡! と自分をヨイショして励ます。

これから家に着くまで,いくつも坂道が続くのである。「行きはよいよい,帰りはこわい♪」である。しかも空腹になって来た。登り坂の時,「どんどんかうす」という店? を見つけた。「仮説パイプ4M600円買ます」。写真的には“おいしい建物”だ。
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そのすぐ左の西側には,道路工事で使うような機械を3台も随えて,鉄の鎧の騎士が高見に立っていた。
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厚手のゴワゴワの生地のエプロンをした,ここの社長らしきおじいさんが,うまい具合に画面に現れた。右端の人がそうである。私は気が小さいので,彼が背中を向くまではカメラを向けられなかった……。
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家間近で,野菜の自販機で,「葉玉葱」と「モミ菜」をそれぞれ100円で買ってリュックに入れた。「モミナ」は値札が110円のがふたつも入ってワンコインの100円。

帰宅した時のメータの数値。こんな距離を自転車で走ったのは,生まれて初めてだ。しかも,休みなしの,飲まず食わずだ。
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朝食は,鶏ガラスープのご飯少なめのおじやに,上記の「葉玉葱」と「モミ菜」を刻んで入れて,カレー粉で調整したもの。ピーナッツオイルを大さじ1杯加える。うまい! 安い! ヘルシー! 孤食は素敵! と自画自賛する。降圧剤も忘れないで飲む。食後,寝ている妻の煙草を2本くすねる。フィルターを折って捨て,2服。禁煙中だから,自分用の煙草は買わない!

これで,“自転車ちょい乗りじいさん”の,本日の日記はお終いじゃ。

明日の朝は,この自転車はどうかな? また乗るんじゃろうか。なんでこんな書き方になってしまったのかのぉー。それはすでにもう酔っているからじゃ。

サスペンスロマンの「スカルピア」を読みながら,寝るのだ。お金持ちの伯爵夫人が,主人公のメゾソプラノのジュリアの祖母だと分かったところからだ。


新しい自転車で

2009年05月11日 09時01分55秒 | 日記・エッセイ・コラム

昨日,「定額給付金」にプラスして買った自転車が届きました(^o^)/。「GIANT CROSS3」のシルバー色です。21段変速だけど,「チェーンが最大の斜めになる組み合わせは避けるように」と店員の方から注意されました。

で,今朝,早速試乗してきました。まだギアの組み合わせが,手元を目で見て確認しないと分からないので,危険を避けて,車が少ない住宅地内の道を走りながら,左右のレバーの数字を見つつ,ペダルの感覚を確かめて走ってきました。これが無意識でできるようになる日を目指します。
なんとか杉並区の井草八幡宮まで行って,その鳥居の前で自転車を撮影。
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また,その近くに「手造りの自転車屋」がありましたので,覗いてみました。
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この自転車屋には,なんだか首から下げるメダルや,表彰状や,トロフィーがやたらと並べられていました。佐渡のトライアスロンで,2004年から2007年まで,男子65歳から69歳の階級で1位! 次の年度のがない……あっ,70歳になったんだ(^o^;)。そして,70歳代での競技では,ライバルの方が強かった……。
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これだけメダルがあると,扱いもなんだかぞんざいですね。

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85年の「RRA マウンテンサイクルレース」でシニアの1位!
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ああ,「自転車で走れるのはあと数年かな」と気弱になっていた自分が恥ずかしい。
新しい自転車での,最初の走行は,この自転車屋さんとの出会いで,いい刺激になりました。

街中を走るには,追加のオプションでフレームにぶら下げるカバンがあるとよさそう。リュックだと,地図を出す度に降ろしたり背負ったりと面倒だった。


粟津潔も逝ってしまった

2009年05月04日 18時24分40秒 | 日記・エッセイ・コラム

粟津潔も逝ってしまった。
滑らかできれいな線でなく,ザラついたり,カスれた線でも美しい。
ヨーロッパやアメリカに負けない,日本の形や色に誇りを持たせてくれました。最高にかっこいいデザイナーの一人です。逝ってしまったけど,その跡に沢山の輝く作品を残してくれました。

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その実験的なコミックも特別で素敵だった。1970年の「サンデー毎日」の増刊号,「因果説話・すてたろう」。私の雑誌の切り抜きのコレクションから。


淀川さんぽの世界をさんぽ

2009年05月03日 22時56分12秒 | 日記・エッセイ・コラム

 ガロで1969年の9月号の「少年」が入選作品でデビューした漫画家に「淀川さんぽ」がいます。

 当時は,ガロの強烈な個性の作家達の中の一人と思っていました。その後,美術手帳の劇画特集の付録の「復活」を読んだ時は,絵柄が変化していて,その作品に,ゾクッとしました。

 そこに登場する「ビチビチうんのたれ吉君」のキャラクターは,それから十数年経っても,印象に強く残ってました。

 淀川さんぽの活躍時には,彼の作品集は出版されることはありませんでした。20年程前に,ガロも美術手帳も数冊を除いて,ほとんどを処分してしまいました。もう読み返すことはできない,と諦めていました。

 最近気まぐれに検索してみたら,なんと,淀川さんぽの作品集が出ていました!
ただ,残念なことにすでに絶版! 古本ではどうか? と探すと,「淀川さんぽベスト作品集」の在庫があり,すぐ注文しました。2100+300(送料)円。
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 その本が届くと,あった,あった。あの「復活」が。記憶とちがってあのキャラクター名は「ビチビチうんのたれ吉君」だった。ガシガシと描かれたペンのタッチが心地よく,記憶のままに素晴らしい。のらくろや冒険だん吉なども登場し,漫画のキャラクターたちは不死身である,のメッセージが込められています。と,そのように単純に受け取っていいかどうか分からないけど……。
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 この「淀川さんぽベスト作品集」の出版社は「原っぱ社」といって,彼自身が少部数の本を発行するために作った会社であることも,そのホームページで知りました。1999年発行,限定500部で,A5版,見返しに銀色のペンで著者のサインが入っていた。奥付に「ありがとう」の文字。なんだかとてもうれしい。

 ただ,この「淀川さんぽベスト作品集」の「復活」は,印刷物をスキャンして復元したようで,線や網点や文字が若干粗くなっていました。またこの本はインクの色も黒ですが,記憶では違う色だったような……。
「元のままの作品を見たいなー」と,「淀川さんぽ+復活+美術手帳」で検索すると,これも古本でありました。1500+180(送料)円。
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 それが届くと,発行から長時間が経過して紙は少し茶色にやけてましたが,青いインクの鮮明な画面です。38年前に目にした通りの画面です。
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 ガロはある時期から興味をなくして購入するのを止めてしまいました。「淀川さんぽベスト作品集」には,その購入を止めた後で発表した「墓ない男の物語」という,初めて目にする作品が最後に納められていました。この本の後書きの解説で,淀川さんぽがマックを使って24年振りにガロに発表したものであることを知りました。ソフトは何でしょうか? ペインターかなぁー?

 この「墓ない男の物語」がいい。ソ連に抑留されて,その異国で亡くなった日本兵が主人公である。小さな石ころの下で,土に還っていく日本兵の亡霊の話しである。主人公は「日本に帰りたい」という思いを抱き続けているが,仲間たちは次第にその意欲も薄れていく……。この作品に関連する情報がネット上に少ないのは,読んだ人が少ないためでしょう。
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 これも,「もしかして,ガロに発表の画面は,画像の劣化もなく,より繊細かもしれない」と,今度はその作品のあるガロが欲しくなってきました。
調べると,「ガロ,1996年2月号,通巻372号」であることが分かり,検索。これも「キララ文庫」という古書店にありました。600+(送料)160円。
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 これも届いて,大きな画面で,淀川さんぽの手描きとマックの処理による,重厚で繊細な画面を隅々まで満喫できました。上の「墓ない男の物語」の画像は,このガロの画面をスキャンしたものです。でもデジタルデータがあるため,「淀川さんぽベスト作品集」はガロの画面と比較して劣化はなく,画面の大小の違いだけでした。31ページの「墓ない男の物語」を,発行部数の多いコミック誌が再現してくれて,もっと多くに人に読まれるといいなぁーと願います。

 それと,彼の2000年頃の作品を,音楽入りで,読むこともでることが分かりました。これも魅力的な世界です。また新しいブログもありましたよ。

 ということで,ここしばらくは,淀川さんぽの世界をさんぽしているような日々でした。また新作を読める機会を,気長に楽しみに待つことにします。