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無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

0、5ミリ

2015-02-12 | 2015以前の映画評


「0、5ミリ」 安藤桃子監督 ◯ 日本たばこ産業協力

 安藤監督が妹の安藤サクラを主演に高知を舞台に撮りました。ヘルパーと孤独な高齢者の姿を通していくつかの問題提起を試みた秀作です。
 山岸サワ(安藤サクラ)はヘルパーとして真面目に働いていましたが、人の良さが仇となり大事件に巻き込まれクビになってしまい寮も追い出されてしまいます。とりあえずその日の宿を確保するためカラオケ店でトラブっていた高齢者を説得し一緒にカラオケ店で一晩過ごします。それをきっかけに彼女は何人かの高齢者の元へ「押しかけヘルパー」となって彼らのさまざまな悩みや問題を解決に導いていくのでした。
 弱みを巧みに利用し押しかけヘルパーとなるのですが、彼女はヘルパーとして家事をきちんとこなすだけでなく、詐欺被害を未然に防ぎ、痴呆症の高齢者の扱いも巧みで、初めは胡散臭げだった高齢者たちも次第に彼女を信頼していきます。そして、ラストではきちんと冒頭の大事件の決着もつけてしまいます。
 大事件の発生とラストの決着には行き場のない子どもの問題が、そして押しかけ先の一つ津川雅彦が演じている元海軍の生き残りが語る戦争批判のふたつが大きなテーマとなっていて一本で二本分楽しめる内容となっています。また、サワが作る美味しそうな食事の数々は母親の安藤和津さんがフードスタイリストを務めていました。
 タバコは、なし。無煙です。が、協力の中に「日本たばこ産業」の文字がありました。自動販売機と灰皿くらいしか目に入らなかったのですが・・・。


百円の恋

2015-02-12 | 2015以前の映画評


「百円の恋」 武正晴監督 ×××× PPハイライト、ラーク

 「0、5ミリ」でヘルパーを演じた安藤サクラが今度はボクサーに挑戦しました。
 家族で弁当屋を営む一家のお荷物は家業も手伝わず自堕落な生活を続け、出戻ったシングルマザーの妹と殴り合いの喧嘩をする長女の一子(安藤サクラ)でした。売り言葉に買い言葉で家を出た一子はコンビニの深夜勤務を始めます。通勤途中にあるボクシングジムでトレーニングするボクサー狩野(新井浩文)と百円玉をきっかけに知り合い、一子はボクシングを始めます。女にだらしのない狩野に裏切られたりするものの一子はボクシングをすることで初めて人生を前向きに生きることを学ぶのでした。
 わずか2週間で撮影したそうですが、たるみきっていた体が締まっていく姿は安藤の俳優魂が感じられます。
 タバコは、大変問題のある作品で、冒頭の安藤が子役とゲームをしている場面でラークを吸い、(×)弁当屋の「さいとう亭」を切り盛りする母親が厨房でハイライトを喫煙、(×)手伝う妹も喫煙、また、新井が働く移動豆腐屋の二人が喫煙と食べ物関係者の喫煙が多く、(×)もう一つの問題はボクシングのトレーニング直後に外で喫煙しようとする場面がありました。過激な運動の前後の喫煙は急性心筋梗塞の危険があり命を落とします。(×)俳優が撮影中に急性ニコチン中毒で急死した場合その責任は誰が取るのか気になります。なお、冒頭で喫煙していた一子がボクシングを始めたらその後の喫煙場面はなかったので、「心が虚しいとタバコを吸ってしまう、充実している人はタバコを必要としない。」ということかもしれません。なお、狩野以外のボクシング関係者は喫煙しませんでした。


深夜食堂

2015-02-12 | 2015以前の映画評


「深夜食堂」 松岡錠司監督 ××

 人気漫画でテレビドラマにもなった作品の映画版です。
 繁華街のごみごみとした片隅で夜中の零時から営業する「めしや」を舞台に、それぞれいわくのある客が巻き起こす騒動を、常連さんと顔の傷が過去を語っている主人(小林薫)が見守ります。
 「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」を介して3つの物語が描かれています。新潟や福島の方言が飛び交い東京が田舎者の集まりだということを表しています。オダギリジョー、田中裕子などの芸達者な俳優がいつもとはちがう役所を楽しんで演じているように見えました。また、地味だけど実力のある役者たちが生き生きと演じていて好感が持てる作品でした。
 タバコは、小林薫が「厨房で喫煙」「店内で喫煙」し、タバコを持った後のヤニ臭い手でうまい物が作れるわけはありませんね。店の陰で喫煙している調理師を見かけることがありますが、プロとして失格です。美味しそうな料理が紹介されフードコーディネーターが活躍している作品ですが、「厨房内で喫煙すると保健所から指導される。」ということもアドバイスしてほしいものです。


マエストロ!

2015-02-05 | 2015以前の映画評


「マエストロ!」小林聖太郎監督 ×× PPハイライト

 解散したオーケストラが謎の指揮者の計画で再結成し、紆余曲折を乗り越えていくようすを名曲を聞かせながら物語ります。
 ヴァイオリニスト香坂(松坂桃李)たちは解散したオーケストラ再結成の声かけで廃工場に集められます。指揮者の天道(西田敏行)は風変わりでアマチュアの奏者を引き入れたり、ベテランに厳しく指導したりするので団員は猛反発します。しかし、次第に天道の人間性や音楽への理解を知ることでオーケストラはまとまりつつありました。ところがスポンサーが降りてしまい経済的に演奏会は開催が危ぶまれるのでした。香坂の若くして死んだ父親と天道との因縁を知り香坂の気持ちは揺れる動くのですが・・・。
 「運命」「未完成」といった名曲の聴きどころがさりげなく紹介され、また、楽器の特徴なども台詞の中に織り交ぜられています。楽器やクラシック音楽に馴染みのない人にも、オーケストラや先の2曲にはちょっと知った気になれます。ただストーリーそのものは「公演の収支はどうしたのか」とか「ギャラはどうなったのか」という部分が未消化に終わってしまいました。
 タバコは、ベテランのフルート奏者が喫煙者の設定でハイライトをテーブルに置いたり(×PP)、オーボエ奏者が練習の合間に喫煙して吸い殻を投げ捨てたり、(×)しました。クラシック界といえばJTが補助金をたくさん出している業界でタバコ産業には頭が上がらないのかもしれません。ヴァイオリンの値段が9桁(億単位)で演奏会を開くのに数百万かかるということでタバコマネーに頼らざるを得ないのでしょうか。


ワイルドカード

2015-02-04 | 2015以前の映画評


「ワイルドカード」 PG12 サイモン ウェスト監督 米 ××

 元特殊部隊の用心棒(ジェイソン ステイサム) 対 ラスベガスマフィアのアクション映画です。
 ニックは何者かに酷い暴行を受けた元恋人から犯人を探し出し復讐してほしいと頼まれます。裏社会の伝手をたぐって相手を突き止め復讐を済ませますが、犯人の背後には凶悪なラスベカスの帝王が付いていてニックは窮地に追い込まれるのでした。
 冒頭の「なんちゃってアクション」やニックを尊敬している若者の存在、そして緊張したアクション場面で流れる画面とは真逆なゆったりとしたクリスマスソングの効果、また、ニックは銃を使わないことを信条にしているのでドンパチは少なくそのためか肩のこらないアクション作品です。ギャンブルでは必ず負けますよという鉄則を観客に諭してくれています。 
 タバコは、悪役だけが喫煙しました。(××)悪役なのでマイナスイメージではありますが、悪役を演じている俳優さんの健康被害が心配です。


さらば、愛の言葉よ

2015-02-04 | 2015以前の映画評



「さらば、愛の言葉よ」 R15 ジャン=リュック ゴダール監督 ××

 フランスの巨匠ジャン=リュック ゴダールが初めて3Dカメラで撮影した作品で、2014年カンヌ国際映画祭審査員特別賞受賞作品です。
 哲学的なセリフが続き画面も幾つかの空間を行ったり来たりしていて、字幕テロップを追いながら画面を見ているとなかなか理解ができない内容でした。その上3Dを2Dで見たので画面もふわふわしていることが多く、よくわからない作品でした。カンヌで監督の愛犬ロクシーが「パルムドック賞」を受賞したそうですが、確かに意味ありげな仕草をしていましたが、あの程度は犬なら普通の行動で演技と言えるのか微妙です。ただ、俳優が演じていることよりロクシーの行動の方が誰にでも理解ができたことは確かです。「自分より人間を大切にする唯一の動物」という監督の犬評は的を射ています。
 タバコは、随所に使われていました。(×)また、映画内のテレビ画面で再生されている古い映画の中でもタバコの場面が意図的に用いられているようでした。(×)

ジョーカー・ゲーム

2015-02-02 | 2015以前の映画評


「ジョーカー・ゲーム」 入江悠監督 ×× たばこと塩博物館協力

 第二次世界大戦前夜、D機関と呼ばれる記録に残らないスパイ組織の活動を描いています。
 上官を思いがけずに殺害して死刑が決まっていた青年(亀梨和也)が、D機関の結城(伊勢谷友介)から救われ、死刑執行の代わりにスパイとして生きることになります。訓練後、青年は嘉藤という偽名で国際都市「魔の都」に潜入します。そこでの任務は新型爆弾の設計図が書かれている「ブラックノート」を他の国に先駆けて奪還するということでした。ブラックノートは「魔の都」に駐在しているアメリカ大使グラハムの元にありました。嘉藤はチェスを通してグラハムに近づきます。しかし、謎の中国人女性リン(深田恭子)をはじめ各国のスパイたちが立ちはだかるのでした。
 青年がスパイとして卓越の能力を持っていた背景描写がなく、いきなり有能なスパイに育ってしまったという引っかかりは残りますが娯楽映画としてはテンポも早くアクションも楽しめます。
 「このようなもの(新型爆弾)は人類には制御しきれない」という結城のラストの台詞は意味深です。
 タバコは、主役級は喫煙しませんが脇で何人か喫煙していました。(××)英国諜報部のトップもパイプを常に手にしていました。また、「国名などすべてフィクション」と言いながらタバコの銘柄だけは日本のタバコの名前を使っていました。


ミルカ

2015-02-01 | 2015以前の映画評


「ミルカ」 ラケーシュ オームプラカーシュ メーラ監督 インド ◯

 実在のインド人陸上選手の半生を描いています。
 1960年ローマオリンピック、400m走でトップを走るインド代表のミルカ(ファルハーン アクタル)選手はゴール寸前で振り返ってしまい4位に終わりました。金メダルを期待していた国民からバッシングを受けます。その後はパキスタンとの友好大会にも出場を固辞するのでした。そこで若い頃のミルカのコーチが説得に向かう車内で、ミルカの半生を語り始めます。
 家族とともにのどかに暮らしていたミルカですが、パキスタンが独立したことをきっかけに国境の向こう側では改宗をするかインド側へ立ち退くか迫られ、どちらも拒んだ村人はミルカの目の前で殺されてしまいました。走るきっかけは父親の「走れ!逃げるんだ」の一言でした。その後、生きていくために軍隊に入りそこで褒賞の牛乳と卵が目的で走るのでした。そして、さまざまないやがらせや失敗をしながらも厳しいトレーニングの成果で世界記録が期待されるような選手に成長するのでした。
 タバコは、なし。無煙です。