41、「田中さんはラジオ体操をしない」 マリー デロフスキー監督(豪州人) ○ ☆☆ ドキュメンタリー
大手電機メーカーに勤めていた田中さんは就業時間前に行われるようになったラジオ体操を拒否し解雇されました。次の日から工場の前で毎朝プロテストソングを歌って30年、今日も田中さんは歌います。
大企業が職員の人格を否定し奴隷化していく日本社会に素直に疑問を感じたのはオーストラリア人の女性でした。監督の目線と田中さんの揺るぎのない前向きの信念が作品全体を明るくしました。労働争議というとテーマが重く暗くなりがちですがさわやかな作品です。正義を貫くことは潔くそして美しいのです。JTのような大企業を相手に闘っている私たちにも勇気を与えてくれます。
労働問題というと煙がモクモクという危惧がありましたが、無煙です。ドキュメンタリーは無煙映画賞の対象ではありませんが特別賞をあげたいです。