「52ヘルツのクジラたち」 成島出監督 △
町田そのこ原作のベストセラー小説を実写映画化しました。
貴瑚(杉咲花)は重い過去から逃れるため祖母が暮らしていた海辺の一軒家で暮らし始めます。そこで出会ったのは母親から虐待されムシと呼ばれている少年(桑名桃李)でした。言葉を発しない少年に52ヘルツのクジラの声を聞かせます。それは貴瑚自身がかつての恩人アンさん(志尊淳)に教えてもらい苦しい時すがって聴いていた声でした。
原作ファンとして映画化が決まったときから楽しみでもあり2時間にどうやって収めるのか多少の不安もありました。切るところはバッサリ大胆にカットしそれでも原作の大枠を映像にした脚本(龍居由佳里)がお見事です。
トランスジェンダーについて考えるひとつのきっかけにこの作品がなることでしょう。
原作をぜひお読みください。
タバコは、虐待をしている母親が喫煙し、吸い殻をポイ捨てする場面、また少年が言葉を発しない原因は母親がタバコを少年の舌に押し付けた、という非常にマイナスイメージが強いので△にしました。母親役(西野七瀬)には気の毒でした。