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母と暮せば

2015-12-15 | 2015以前の映画評


「母と暮せば」 山田洋次監督 △ ☆

 2004年度無煙名画作品賞受賞作「父と暮せば」(黒木和雄監督、原作井上ひさし)と対となる作品で、戦後70年の記念作品として松竹が制作しました。主演は吉永小百合と二宮和也です。
 長崎原爆から3年後、医学生だった息子(二宮和也)が医学校で跡形もなく消えたことを母親の伸子(吉永小百合)はやっと受け入れようと思い始めていました。婚約者だった町子(黒木華)は今も嫁のように伸子のもとを甲斐甲斐しく訪れてはいろいろと世話を焼いてくれるのでした。伸子はそんな町子に「好きな人ができたら結婚しなさい。」と諭すのでしたが・・・。
 3年が経ち息子の死をやっと受け入れようとなった伸子の前に浩二が現れるようになります。そして、浩二との会話は生前と同様伸子に生きる力を与えるのでした。しかし、町子に好きな人ができ浩二の心も穏やかではなくなっていきます。
 この作品では吉永の魅力ここにありと思える好演をしています。サユリストでなくてもこの作品での彼女の存在感は認めざるを得ないでしょう。また、「父と暮せば」にも出演していた浅野忠信が出番は少ないながら印象的な役で登場しています。
 原爆以外にも戦争の傷跡として、戦死した家族、腕や足を亡くした人を描き反戦の思いを伝えています。戦後70年の年末に多くの人に観てほしい秀作です。(☆)坂本龍一の音楽が出しゃばらずにさりげなく効果的に使われました。
 タバコは、大変残念なことに、復員局の待合室でキセルをふかしている男がいました。タバコも戦費の捻出に利用されていたことを山田監督が知らないわけがないと思うのですが、なぜタバコの宣伝をしなければならないのか理解できません。

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