無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ル・アーヴルの靴みがき

2012-05-07 | 2015以前の映画評


「ル・アーブルの靴みがき」 アキ カウリスマキ監督 フィンランド仏独 ×∞ ☆

 北部フランスの港町ル・アーブルで靴磨きをしているマルセルは貧しいながらも妻や隣人に恵まれ穏やかな日々を送っていました。愛する妻が病に倒れ入院、同じころ不法移民の少年と出会います。黒人の少年はマルセルの心を動かし彼が希望するロンドンに向けて旅立たせてやろうとしますが、警察の追及も迫ってくるのでした。
 悪役は少年の存在を警察に通報する男ただひとりでそのほかの登場人物はみんな心優しいひとばかりという現実にはありえないドラマです。社会が不安定だからせめて映画の中だけでもおとぎ話が見たいのでしょうか。犬のライカと歌手のリトル ボブがさりげなく映画を盛り上げました。
 タバコは大問題。洋画の「汚れた灰皿賞」があったら受賞間違いなし。少年を除く登場人物のほとんどが常に喫煙していました。入院中の妻も隠れて喫煙、パン屋の女将もパンが並んだ店内で平気で喫煙、バーの中はもちろん客を含め全員が喫煙、そして極めつけは難民キャンプで情報を得るきっかけがタバコというタバコ会社が大喜びしそうな扱いでした。(×∞)
唯一、室内で少年と二人の時だけはマルセルは「外の空気を吸ってくる」とタバコを持って外に出ました。一応は気にしているようです。意外にも漁師が勧められたタバコを断りました。勧めたのが警官だったからかもしれませんが。内容としては☆☆☆くらいの作品ですがあまりに俳優・スタッフをタバコの害にさらしたので☆です。カウリスマキ監督はいつまでFCTCを無視し続けるのでしょう。いいかげん目をさましてほしいものです。無煙でも作品としてまったく問題ないと思うのですが。
 

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