わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

~ところです ベトナム便り 103

2006年09月06日 | 日本語教師
こちらv-603.
教室での一こまです。いま習ったばかりのことでも、実践で使うのが、なかなかむずかしいという例です。
会話の中で
「説明書を読みましたか」という問い対して、
「今読んでいるところです」「今読むところです」「今読んだところです」 など『ところ』を使った言い方があります。
これを教えている最中に学生の携帯電話がなりました。相手は日本語でかけてきたようです。Tさんは日本語で対応しました。

「いま勉強していますから・・・」

もちろん、間違いではありません。
でも、せっかく勉強したばかりなのですから、私としては
「いま勉強しているところですから・・・」と言ってほしかったのです。

そのことを 携帯を切ったあとでTさんに言いました。
素直なTさんは、照れ笑いしながら「今度、今度」と言いました。
ところが、しばらくしてまたTさんの携帯がなりました。
別の日本語を話す友達のようです。
Tさんがなんと言うか、私は期待して聞いていました。
Tさんは言いました。
「もしもし、いま、勉強ところですから・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・
「Tさん、『勉強しているところ』でしょう?」と私。
「そうです。ごめんなさ~い」とTさん。

3度目の電話はありませんでした。
でも、この次はきっとTさんはじょうずに『ところ』を使ってくれるでしょう。


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1 コメント

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Unknown (HO)
2006-09-06 19:31:55
日本語を教えていろんな場面に遭遇します。電話で、「勉強しているところですから」より、「いま勉強していますから」のほうがずっと自然です。「ところ」の使い方は、その前の相手の話を受ける言い方であり、電話では、相手の用件と、勉強しているところとは直接関係がなく「あとかけなおす」とか、「また電話して」となるので、ところの使い方は不自然だと思います。ごめんなさい、生意気なこと言って。

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