わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

芝山巌事件

2006年12月21日 | 日本語教師
日本語教育史の中で、『芝山巌事件』という1896年に日本占領下の台湾で起きた抗日事件は、殺された日本人教師が神にまで祀り上げられたこともふくめて、よく知られています。
この事件では、そこにいた日本語教師6人全員が殺害されるのですが、『侵略者の言語』を強制的に使わせようとすることの愚挙を私たちに語っています。
私がサイゴンで教えた日本語学校は、日本政府の掌握するところではありませんから、こんなことを大げさに考える必要はありません。
それでも私は、私の気づかないところで大きな権力の片棒をかついではいないかと、いらない心配をしてみたりしました。

国語のおしつけということでは、ドーテが書いた『最後の授業』という短編小説(童話)が有名です。以前は日本の国語教科書に載っていました(1986まで)がいまでは使われていないようです。(どうして使われなくなったのかということはとてもおもしろいので、この小説をご存知の方は是非お調べください)

ベトナムでは4,5年前までは日本語学校で何を話しているかを学生をもぐりこませてチェックしていたそうです。

言語は文化の根幹をなすものでもあり、権力を行使する最強の武器にもなります。
日本語教師はその鉄砲玉にもなれるのです。

私は、線香花火ぐらいには、なれたかもしれない・・・?

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