わたしは六百山

サイゴンでの365日を書き直す 

世間 ベトナム便り 116

2006年10月06日 | 日本語教師
こちらv-603.
10月6日。今日は、中秋です。
こちらの月餅は、中のあんこがさまざまで、ドリアンが入っているものもありますし、たまごの黄身が入っているものや、いわゆる豆で作ったあんこのものもあります。いずれにしても、甘味の感覚のちがいというか、さしておいしいとは思いませんが、以前にも書いたように贈答用としてあちらのうちからこちらのうちへと行きかっています。
月餅はだいたい8等分にして、何人もで食べるのがふつうです。

そろそろこの便りも一段落にたどりつきます。
契約の1年が終わって、まもなく帰国です。いま、日本を最も恋しく思うものをあげろといえば、どうしても季節になります。
季節を感じることで、自然を身近に感じていた自分がよくわかります。
ここベトナムでも、10月になって急に日の暮れが早く感じられます。
日本にいたら感傷的になるところでしょうが、こちらでは日が落ちれば涼しくなりますから、街に活気が出てきます。

日本について疎ましく思うものがあります。
それは、世間です。
『世間』。
この中に戻っていかなければならないか、と思うと、ため息が出ます。

『日本語教師』は私にとってひとつの手段でした。
57歳の私は、何事もなければ、たぶん、これから10年ぐらいは生きられるでしょう。
そのための、ピットインといったところだったでしょうか。
この1年、日本の表層はがさごそと派手に動いていたように見えました。
子殺し、親殺し、ワールドカップ、テポドン、皇位継承、新首相・・・。

私自身は、この一年で何が変わって、何が変わらなかったのか、帰国すればわかるような気がします。



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