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映画 ある愛の詩

2024-08-10 00:12:47 | 日記

映画 ある愛の詩

この映画の一番いけないところは、正義の押し売りである。純愛至上主義でそれ以外は駄目だしされている。それ以外の考えを持っている者は、退屈な二時間を過ごすことになる。こうも考えられるしああも考えられるというふくらみを持っていて、あんたどう思いますかと聞いてくれるのが良い映画である。この映画の決め台詞は「愛とは決して後悔しないこと」というのである。これは、わが国では中学生くらいに受けるセリフであって高校生くらいにもなってこれに感激するようでは、先が思いやられることになっている。これを大きな大人がしゃべるのであるから恥ずかしくて見てられない。

アメリカ映画は、正義は必ず勝つというのがメインテーマであって退屈で仕方ないけどその代わりどうやって撮影したんだろうという見せ場があって、遊園地へ行くつもりで行く分には入場料損しない。(ついでに強いものは正義であるというのが伏線としてある。もう国是であるから苦情を言っても仕方ない。)しかしこの映画は見せ場もない。駄作である。

 

そこで提案である。わが国では政治家の恋愛ゴシップがあるとそれをネタに政敵を追い落とす風習がある。これは、アメリカから輸入された方式で「純愛が正義である。」との理念に基づいている。これをやめるのである。恋愛をしないような朴念仁や、「愛とは決して後悔しないこと」というような子供じみたことを喋っているようなのは、ヒトの心が読めない人である。そんな人に多くのヒトの心を読む必要のある政治ができるとはとても思えない。あの人近頃愛人に振られたらしいとのうわさが流れると、国民は票を入れるのをやめるのである。新しい愛人が出来たそうだとなると、われわれの心も読んでくれるだろうと期待して票を入れるのである。恋愛ゴシップにびくびくしているようなスケールの小さいヒトに大きな世の中を動かせる仕事ができるとはとても思えない。

菅原道真は、スケールの小さいヒトではなかったと思うが、ある愛の詩の純愛型のヒトであったと想像される。対する藤原何某は勉強ははるかに劣ったが、宮廷内恋の駆け引きではお上手であっただろう。政治の駆け引きと恋の駆け引きは似たところがあって、練習を十分積んだものと何も練習していないものとの差が出たとわたしは思っている。菅原道真は油断したのである。

 



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