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12/18付け産経新聞社説への補足

2023-12-21 11:58:51 | 日記

12/18付け産経新聞社説への補足

 ある小学校で起こった教師の児童に対する指導の大失敗を、社説では「なぜ懲戒処分しないのか」と問うている。普通の会社なら懲戒ものの失敗だというのであろう。尤もな意見であるがおそらく懲戒しないであろう。

 教育委員会とは、昔の軍隊が行き場を失ってできた組織である。(それが証拠に士官学校兵学校が今の教育系の主要な二つの大学に成り代わっている。かつ両者は今でも仲が悪いという噂がある。)軍隊はどんなに負けが込んで世間様に迷惑をかけても絶対謝らない。謝るときは自決するときだからである。今までの失敗もこれからの失敗もすべて有耶無耶にしてきたしこれからもそうする方針である。たまたま表に現れたからといって、ここで失敗を認めれば、これまでの方針と齟齬が発生する。「学校は絶対間違えない。」この看板を下ろすわけにはいかないのである。ひとたび間違いを認めたら、児童生徒の指導はできなくなると思っているし実際そうなるだろう。

 さらにいけないことに、教育委員会の偉い人も皆、昔それぞれ小さいながらも失敗をしてそれでも「学校は絶対間違えない。」の原理で、懲戒を免れてきた人々である。今回失敗を懲戒すると今度は自分で昔の自分を懲戒しないといけなくなる。昔泥棒を働いた裁判官が、目の前の泥棒を裁判できますか?

 絶対間違えない、従って謝らないの方針で組織運営してうまく行くはずがないのである。旧ソ連は天下の秀才を集めて全国の生産計画を練ったがうまく行かなかった。歴代中国の王朝も選りすぐりの秀才に国家運営を託したが、せいぜいが二百年三百年の命運でその盛りは数十年ではなかったか。教育委員会は気の毒にも間違いを認めることのできぬ機関である。今回の件でも認めぬであろう。ならば旧ソ連の様な、昔の中国の歴代王朝の様なことになるとみられる。

 学校にいちゃもんのある人々は、教育委員会に言っても有耶無耶にされるだけだから、多分負けるだろうと思うが民事訴訟を起こすがいい。それが千件、万件の単位になればさすがに変わらざるを得ないとみるがどうだろう。変わるときは日本の教育が大変化するときであるから、どんな受け皿にするのかが大問題であるが。