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本書はイスラーム思想史を専門とし
現在は神田外国語大学准教授である著者が
初期イスラーム思想史について概説する著作です。
著者は、正統カリフ期からシーア派が誕生するまでの経緯を簡潔に紹介した上で
いわゆる「正統」「異端」という枠組みが
イスラームに関しては有効ではないことを指摘。
そしてそれを前提に、スンナ、シーア、イスマイール、ドゥルーズなど
今日まで存続するイスラームの「教派」がどのように誕生したのかを
教義に関する議論・論争や、政治史上の動向を踏まえ論じます。
カルバラーの虐殺が持つ思想史的な意義
アッバース期におけるウラマー(法学者)の登用による正当性の基礎付け
世俗の権力との齟齬をきたさないようなイマーム派の解釈
などは、とても興味深く、
今度、中世西洋の教会法や教会と国家をめぐる論争と比べてみたいなぁと思いました
また、とりわけ興味深かったのは
「神の子」イエスがイスラームの教義解釈でも
「神の子」であり、「救世主」であったという記述。
イスラームでは、イエスも預言者
・・くらいの認識だったので、とても驚くとともに
現代の解釈ではどうなっているのかなど
興味が次々とわいてきます。
イメージしにくいイスラーム各派の誕生や
初期イスラーム世界における聖権と俗権について
コンパクトに紹介する本書。
イスラームや教会法などに興味がある方はもちろん
思想史に関心がある方には強くおススメしたい著作です。
現在は神田外国語大学准教授である著者が
初期イスラーム思想史について概説する著作です。
著者は、正統カリフ期からシーア派が誕生するまでの経緯を簡潔に紹介した上で
いわゆる「正統」「異端」という枠組みが
イスラームに関しては有効ではないことを指摘。
そしてそれを前提に、スンナ、シーア、イスマイール、ドゥルーズなど
今日まで存続するイスラームの「教派」がどのように誕生したのかを
教義に関する議論・論争や、政治史上の動向を踏まえ論じます。
カルバラーの虐殺が持つ思想史的な意義
アッバース期におけるウラマー(法学者)の登用による正当性の基礎付け
世俗の権力との齟齬をきたさないようなイマーム派の解釈
などは、とても興味深く、
今度、中世西洋の教会法や教会と国家をめぐる論争と比べてみたいなぁと思いました
また、とりわけ興味深かったのは
「神の子」イエスがイスラームの教義解釈でも
「神の子」であり、「救世主」であったという記述。
イスラームでは、イエスも預言者
・・くらいの認識だったので、とても驚くとともに
現代の解釈ではどうなっているのかなど
興味が次々とわいてきます。
イメージしにくいイスラーム各派の誕生や
初期イスラーム世界における聖権と俗権について
コンパクトに紹介する本書。
イスラームや教会法などに興味がある方はもちろん
思想史に関心がある方には強くおススメしたい著作です。