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小川仁志さん『はじめての政治哲学』

2011-01-19 15:09:39 | 読書
本書は、西洋政治哲学を専門とし、

現在は徳山高専准教授である著者が、政治哲学を概説する著作です。


著者は、まず政治哲学が政治理論・政治思想とは峻別されると主張します。

そのうえで、正しく生きるためには政治哲学が不可欠という観点から

正義、共通善、フェミニズム、グローバリゼーションなど

政治哲学上の重要な論点について、

近代から現代に至るまでの代表的な議論を紹介します。


アスランが主張するイスラム内部での変化


日本人がマイノリティになったら―という問い掛け


そして、ある議論が他の議論へ次々と繋がる論旨など


どの記述もとても興味深かったのですが、

とりわけ印象的だったのは、

ヘーゲルやコーエン&アラート、パットナムらを参照し論じる市民社会論です。


難解に思える政治哲学について、そのエッセンスを簡潔に解説し

より深く考えるための手掛かりを与えてくれる本書


政治哲学や政治思想史などに関心がある方に限らず

多くの方にオススメしたい著作です。

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