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『メディア芸術の国際的な拠点の整備について』

2009-05-29 23:16:14 | 読書
少しだけ話題になっている

アニメやゲームを発信するメディア芸術拠点(←アニメの殿堂とも)。


本報告書はそれを作りましょう☆☆

という文化庁の検討会による報告書。


要点をかいつまむと

①日本のアニメやゲーム(←メディア芸術)は国内外で大人気である。

②現行のメディア芸術祭は期間が限られている。

③常設の施設を作ることで、より多くの人の目に触れるだけでなく、人材育成や
観光にも資する

④そのために、床延べ面積10000㎡あるいは土地面積2500㎡で4~5階建ての施設が必要だ

⑤現在の芸術祭の入場者を元に計算すれば、施設の一日の目標来場者数は5500人、年間では60万人くらいと予想される。

⑥目標入場料収入は1億5千万円である。



①~⑥のどこに突っ込むか、あるいは突っ込まないかは個人の自由ですが


目標収入額は、廃止が決まった「私のしごと館」の自己収入額とほぼ同じくらいっていうんですから


端的に、「小役人閑居して不善をなす」ってのが私の素直な感想です。

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恩田陸さん『訪問者』

2009-05-29 23:11:53 | 読書
幅広いジャンルにわたり

独特の作風の小説を発表し続ける著者による長編小説。


若くして事故死した映画監督について取材するため

人里はなれた山荘を訪れた記者が

そこで体験する疑惑と恐怖に満ちた数日間を描いたミステリー風味の作品です。


著者の作品ではおなじみ?の

驚天動地のラスト、メタ・フィクション、SF、異能の人

―といった要素はなく、


外部から遮断された山荘、

かつて、そこで起きた不審な死と

手の内を明かさない住人たち。

そして、そこに訪れた頭脳明晰な訪問者

―と、まるで2時間ドラマのような設定とストーリー展開は

正直、少々肩透かしでしたが、

それでいて、著者ならではの読後感がじんわりと広がる

とても味わい深い作品です。


普通の推理小説だと思って読み始めると、

狐につままれること間違いなしの本作。


普通の推理小説を中心に読んできた、

著者の作品は読んだ事がない

そんな方にこそおススメしたい作品です☆☆
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道尾秀介さん『龍神の雨』

2009-05-29 23:03:08 | 読書
ミステリーの範疇を超えた大胆な構成と繊細な心理描写によって

読者に幾重もの驚きと感動を与え続ける著者による最新作。


子が義理の父親を殺そうと計画している家族と

子が実の母を殺したという自責の念に駆られている家族


街が巨大な台風に見舞われた数日間を舞台に、

崩壊に瀕している二つの家族の運命が交錯するさまを描いた

ミステリー調の作品です。


愛する家族を失ったがゆえの絶望と

家族を深く思うからこそ生じる心の闇―


個人と家族を重厚に描きつつも

誰もがだまされてしまう構成のトリック

そして、家族への暖かいまなざしが緩衝材となり

読後感は決して重苦しいものになりません。


ミステリー、純文学、サスペンス

あらゆるジャンルを包括する著者ならではのエンターテイメント作品


一人でも多くの方に読んでもらいたい!!

文句なしに、本心からおススメの一冊です☆☆☆
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歌野晶午さん『絶望ノート』

2009-05-29 19:53:33 | 読書
絶対に映像化不可能!!!といわれる『葉桜の季節に君を想うということ』

で知られる著者によるひさびさの長編小説。


同級生から執拗ないじめを受ける男子学生。

彼は、自ら作り出したオイネギプト神に

自分をいじめる同級生を殺してくれるよう願い続けていると、

やがて彼の望みは実現するのだが―

というサスペンス色の強い作品です。


執拗ないじめもさることながら

いじめと周囲からの無関心に耐えかね、

絶望の末、他者へ殺意を抱く主人公の内面に

鬼気迫るものを感じつつも、

なんだこんなものか―

と思っていたら、待っていました!!とばかりに後半の急展開。


まさか、そういう手が残っていたとは・・・

これぞ歌野マジック!!!


そして、頭がクラクラしたまま目にするする

最後の一行は途方もなく怖く、あとを引くこと間違いなし。


一体誰がオイネギプト神なのか

そして本当の悪意・狂気は誰のものなのか?

社会が対抗できない悪意の姿は、まさに現代人必読☆


ミステリーやサスペンスが好きな方はもちろん

著者の作品を読んだことがない方に、強くおススメの作品です☆


ぜひ、だまされてください☆
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山下一仁さん『フードセキュリティ』

2009-05-24 00:45:03 | 読書
本書は、元農水官僚で

現在はRIETEや東京財団の研究員である著者が

現代日本の食にまつわる問題を論じる著作です。


食の安全や食料安全保障、食料自給率

WTO交渉や減反政策、農協の体質

そして日本農政の体質―

と本書が扱う事項はどれも重要かつ複雑な問題ばかりですが

基本的な事項を説明した上で議論を展開しているうえ、

難解な経済学の数式が登場しないので、

挫折することなく読み終えることができます。


近著でも展開された農協批判や

政治に近づきすぎた農水省の政策決定

など興味深い記述は多くありましたが

とりわけ、WTO交渉に関する論評は

コンパクトながらも、とても読み応えがありました。


食の安全、自給率、減反政策の見直しなど

農業に関する議論が熱を帯びる今日だからこそ

農業問題に関心のある方だけでなく

多くの方に読んでいただきたい本書☆


とりわけ、新書レベルの議論からランクアップしたい

―という方には強くおススメします☆




なお、著者の主張を簡単に知りたい方は

農林水産政策研究所のホームページで著者の論文をご一読することをおススメします

っていうか、そうした論文を読めば本書は読まなくていいかも・・・・・
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エミネム『Relapse』

2009-05-12 18:23:26 | 音楽
自身はもちろん、世の中の全てをあざ笑うカリスマが、

満を持してのカムバック。


歌いだしのジェシカ・シンプソンから

ブリトニー、サラ・ペイリン

気持ち悪いぐらい似ているエイミー・ワインハウス

までも登場するPVが印象的な先行シングル『We Made You』


50Cent、Dr. Dreら仲良し三人組が

陽気に歌い上げる『Crack A Bottle』のほか


バグパイプとアラブ風のメロディが見事に融合した『Bagpipes from Baghdad』

唯一自身でプロデュースし、シングルカットが予定されている『Beautiful』


などファンならずとも聞き逃せない曲がずらっと並びます☆


なかでも、サイコな内面を歌う『3 a.m.』は

歌詞はもちろんのこと、

放送コードすれすれなPVも怖くてすごくイイ☆

繰り返し聞くとかなりヤバイ感じになります


年末には再びアルバムの発表が予定されているエミネム


時代のあだ花はどこまで狂き咲こるこのか

まだまだ目が離すことができません☆
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真梨幸子さん『ふたり狂い』

2009-05-09 23:56:07 | 読書

現代社会とその中で暮らす人々が抱ええる闇を

繊細かつ濃密な文章で描く著者による連作短編集


ある女性小説家が刺された事件を起点として

それに関係する人々の諸相と、彼らが巻き込まれる事件を描きます。


クレーマー、ストーカー、盗聴

ネットでの悪質な書き込み、食品への異物混入・・・


個別に語られる事件はやがて

現代人の悪意・狂気を集約した巨大なタペストリーを浮かび上がらせる。


個人的なおススメは、

読んでいるうちに頭がクラクラしてくる『デジャヴュ』

そして、終章に当たる『フォリ・ア・ドゥ』

とりわけ終章のラストシーンは

まったくの第三者としてこの場にいたい!!!と思ってしまいました☆


スッキリした解決

道徳的に正しい物語を求めない方には

この上なくおススメの本書☆


時系列や人物関係が複雑なので

一度でキチンと理解したい方は図等を書いた方がよいと思いますが

個人的には繰り返し読むことを前提に楽しんでいただければ-と思います☆
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乾ルカさん『プロメテウスの涙』

2009-05-08 23:30:18 | 読書
『夏光』で圧倒的なデビューを果たした著者による

初の長編小説。


決して死むことのない死刑囚と

奇妙な発作を起こす少女。


一見なんら関係もないようで、

実は不思議な因縁で結ばれた両者。


かつて同級生だった二人の心理カウンセラーが

二人の間で複雑に絡み合った糸を解きほぐすサスペンス(&ちょっと百合?)風味の作品です。


国境はおろか、科学と宗教、此岸と彼岸の境界すら大きく越境する

壮大なストーリーもさることながら、

本書で大きく目を引くのは

西尾康之さんの『Drawn -The Sands』を用いたカバー。


打ち上げられ死にかけている人魚のオブジェが

本書の内容と相俟って

類書にはない、独特の風味をかもし出しています。


映画の原作になりそうな感じの、

エンターテイメント性に富んだ作品なので

表紙にギョッとした方も気軽に読んでいただければなぁと思います。
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田村秀さん『世襲政治の研究』

2009-05-08 00:31:46 | 読書
新潟大学法学部の紀要『法政理論』2007年2月に掲載された

国会議員の世襲に関する論文。

著者は同大学実務法学研究科教授で、

地方自治などを専門とする田村秀さん。


2005年4月までのデータをもとに

世襲の形態、議員の当選回数などを細かく分類した上で

世襲議員の割合の推移や

戦後の内閣総理大臣に占める世襲の割合

さらに、世襲議員であることが選挙や議員になったあとで有利に作用するか?

などを論じます。



難しい数式などが出てこない上

具体例も適宜参照されており、とても読みやすく興味深い内容です。



現在のデータが参照されていないことには注意が必要だと思いますが

テレビや新聞、雑誌等ではカバーすることのない、

より詳細な分析・知見をお求めの方はぜひご一読いただきたい論文です。


ただ、世襲の善し悪しを論じているわけではないので、

そうした議論を期待された方は物足りなく感じるかもしれません。


【探し方】

① 『新潟大学学術リポジトリ』にアクセス

② 『世襲政治の研究』を検索
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田中哲弥さん『猿駅/初恋』

2009-05-07 16:38:38 | 読書
早川書房の新レーベル<想像力の文学>

その記念すべき第一回配本となった本作。


血まみれあり、人肉食あり、乱交あり、スカトロあり―と

胸の悪くなる短編を中心に収めた超弩級の作品集。


村に伝わる《儀式》の一夜。

儀式の主役である少女に恋をした少年の淡い心情を描く(『初恋』)


目が覚めると浴槽いっぱいの鼻血の中にいた女性の顛末(『』)


などなど私の個人的嗜好とはずいぶん違うので

笑ったり、興奮したりはしなかったものの

どの作品も忘れがたい強烈な印象を残します。


とりわけ、表題作『猿駅』の主人公が殺しの恍惚に目覚める場面では

一瞬、その感触や恍惚がわかりそうな気がしてしまい、

そら恐ろしくなりました。


そうした作品の一方で


事故で亡くなった最愛の妹が、

蚊に生まれ変わったと信じるヤクザを主人公にした


人間に進化したばかりのサルと女子高生の逃避行

そして、それに振り回される人々の諸相をユーモアとともに描いた


などの、ファンタジーぽかったり、静かに心を打つ作品もあり、

筆者が今後どのような作品を出していくのか

あまり近づきすぎず、チェックしたいなぁと思います☆


なんにせよ、一生ものの(傷を残す?)読書経験になること間違いなしの本書

ちょっとアブナイ世界にお目覚めの方はもちろん


常識の外へと一歩踏み出してみたい、

自分の中に眠るひそかな欲望に気づいてみたいたい

そんな方は、ぜひ、それなりの覚悟を持ってお読みください。



一生心に(傷が?)残る読書になること間違いなしです☆

また、こんなのが好きで好きで仕方がないという方は

どうぞお楽しみください☆
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