◇juri+cari◇

ネットで調べて、近所の本屋さんで買おう!!

麻耶雄嵩さん『夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)』

2007-02-20 07:58:56 | 読書
再放送がはじまったり、パチスロの台にもなったりと

いまだに人気の衰えることのない韓流ドラマの名作!!!!!




とは

全く関係がない本作!!

タイトルの持つ意味は、本編を読めば……


わかる………かな?




見習い記者・烏有は知り合いの女子高生・桐瑠とともに


孤島・和音島を訪れる。


そこは真宮和音という女優に魅せられた

6人の若者が奇妙な共同生活を営んだ島。



到着の夜、島の富豪・水鏡が主催した晩餐会で


桐瑠を一目見た島の住人たちの間に

言い知れぬ緊張が走る。



にじり寄る恐怖を感じながらも

島での取材を続ける烏有と桐瑠


そして、真夏にもかかわらず雪が降ったあの朝、

ついに事件が起こる!!!



読み返してみると

なんじゃそりゃ!!!連発の麻耶ワールド


しかし、読んでいる間は

そんな不自然さは微塵も感じさせない

巧妙な語り口になっています


続きが気になって仕方ない

見事なストーリーはさすが!!!



とはいえ、私がこの話をどこまで理解してるか

いまいち疑問


なんたって、



銘探偵メルカトル鮎が出て来てのどんでん返し!!!




がいまいちよくわからないし



それに長々解説されるキュビズムが

作品の中でどんな意味を持つのかもわかんない


なのでまだまだ消化不良ですが


それでも面白いんだから、わかればもっと面白い・・・・・ハズ!!!!


思わず読み返したい《悪魔的な》魅力に溢れていた麻耶ワールドの傑作


もちろん本作単独でも、十分に楽しめるので

まだ麻耶作品を読んだことのない方には


怪しげな麻耶ワールドに


ハマるきっかけにして頂きたい一冊デス

有栖川有栖さん『虹果て村の秘密』

2007-02-17 19:38:11 | 読書
またまた
講談社ミステリーランド

に収録された作品

今回は有栖川有栖さんの『虹果て村の秘密』


内容はこんな感じです



警察官を目指す優希と推理作家になりたい秀介

小学校で同じクラスの二人は、夏休みを利用して

優希の母親で推理作家・二宮ミサトの別荘がある「虹果て村」に来ている


優希と秀介、それにミサトのいとこの明日香さんたちと

フツウの夏休みはあの事件によって一転



平和なはずの村で突如起こった密室殺人


さらに道路が土砂崩れで村が外部と遮断


外部から閉ざされた究極の密室を舞台に

スリルに満ちた夏休みが始まる




道路建設と森林保護、天狗山で起ったUFO騒動

そして明日香さんの恋

などと、主人公を取り巻く世界は決して単純ではないけれども

大人の事情に振り回されることなく、真犯人を探す優希と秀介の姿はほほえましく、たくましく、なによりキラキラ輝いてます


視覚的で色彩豊かな文章を読むと

虹果て村の美しい情景を読者の目の前に浮かぶようだし



また、文章やトリックは子ども向けの配慮がされています(←しかも、とんでもなトリックじゃない)。


おまけに、少年少女に宛てた筆者による後書きが、すごくイイ



キラキラしたあの夏休みがよみがえる
そんなステキな作品です

泣けるシーンはないのに泣いてしまいました

宮部みゆきさん『ぼんくら』

2007-02-14 23:55:52 | 読書
ぼんくら


つまり私のことですね……


ってのはさておき


ひさびさに読んだ

宮部みゆきさん


やはり上手いデスね!!!


本作は


余所者が忍び込むのは不可能な長屋に
殺し屋がやって来て兄が殺された(『殺し屋』)


長屋に新たな住居人・おくめがやって来たことで起きる騒動(『ひさぐ女』)

長屋で流行するナゾの壺信仰は一体なにをもたらすのか?(『拝む男』)


など深川の長屋・鉄瓶長屋

を舞台に起こる奇妙な事件を


ぼんくら同心・平四郎



なんでも尺度を測る美貌の名探偵・弓之助


が解決する長編小説


とはいえこの本を読み始めて思ったのは


長編…………………でいいの??


序盤の『殺し屋』から『拝む男』は


どう見たって


別々の事件を扱った
短編集


なんですが……


そう思った時にはもう

話上手な筆者の思うツボ


『長い影』からの急展開

そして、明らかにされる真実


登場人物と一緒に驚くしかないデス


さすがです!!!


あざといなぁ♪って感じる暇もなく

ストーリーに引き込まれ、一気に読了♪♪


ミステリーファンならずとも

魅了される話術と

巧妙に張り巡らされた伏線


そして市井に生きる人々の心の機微を捉え


軽妙に描く作者の筆力

まだ宮部ワールドに触れたことがない方には
オススメの一冊デス!!!


続編の『日暮らし』もぜひ読んでみマス