本書は、松下政経塾出身で、
町おこしやスポーツ解説など幅広い活躍をしてきた著者が、
自身も関わった日米の交流野球を描いたドキュメントです。
筆者は、太平洋戦争で戦った日米の元兵士たちが、
ハワイで交流野球を行うまでの経緯だけではなく
参加する選手たちの戦争体験や、交流試合に向けた想いも描きます。
召集令状が来たことを告げる球場アナウンス
元米兵の言葉への違和感とアリゾナ記念館で受けた衝撃
そして、交流試合を成功に導いた不思議な縁―
などどの記述もとても印象深いのですが
とりわけ印象深かったのは、交流試合後の夕食会のエピソードです。
一人の人物が下した決断が、多くの人々の未来を切り開き、
それがさらに多くの未来へと繋がる
その様子に、思わず目頭が熱くなりました
それぞれに抑えがたい想いを抱きながらも、
スポーツを通じて、未来に向けた関係を築く姿を
温かく、つまびらかに描いた本書
中高生に限らず、一人でも多くの方に読んでいただきたい著作です。
<感想文について>
戦争と平和
スポーツを通じた和解、
過去のつらい記憶や、抑えられない想いとどう向かうのか?
この本は、非常に多くのテーマを含んでいます。
そのため、この本を読めば何かは感じるでしょう。
そういう意味では、感想文を書きやすいのかもしれません。
しかし、内容をまとまったものにし、人が読めるレベルにするには
時間がかかりますし、相当な苦労が必要です
もちろん、そうやって書いた感想文は、間違いなく、すばらしいものになります。
ですから、7月中に本を読み終え、
一月かけてじっくりと文章を練りたいという方には強くおススメしますが
早く終えたいという方には、他の2冊を強くおススメします☆