対価さえ支払えば何でも手に入れることのできる空間
夜市
主人公は幼い日にそこで自分の弟を対価として
野球の才能を手に入れた
しかし日ごとに募るに罪悪感に苦しみ
やがて主人公は再び夜市を訪れる
自分の弟を取り戻すために
日本ホラー小説大賞を受賞した本作
ストーリー展開の面白さは言うまでもなく
100ページに満たない文章でありながら
幻想的で、いかがわしく、そして物悲しい
夜市の情景を読者に想起させる作者の筆致
読んでいて夜市の騒々しさや匂いまでもが
はっきりと伝わってきます
本当にスゴイ
一応、怪奇小説の体はとっていますが
おどろおどろしさ等はないので
普段こうした小説を読まない方にもオススメできる一冊
深夜にトイレに行くのが恐くなる事もないのでご心配なく
また、表紙の装丁が幽玄な雰囲気を醸し出しており
とてもイイので、ぜひ手にとってご覧下さい