1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2277話目】家族の事を思い出して、直前で自殺を思い止まった男性がいた。大事な妻や子を忘れさせるまで、人は人を追い込むか。

2021-10-18 14:39:44 | 法話
3年前に「死にたい」とやって来た30代男性が来寺。「あの時、深刻な状態で相談に行ったのに、住職から『そうか、それで』と笑い飛ばされて『何だ、こいつ。死にたい、と話してるのに、笑い飛ばしやがって。何か、悩み相談してるのが、馬鹿らしくなった』と帰りましたが、あの後、何故か気持ちが吹っ切れて」と。

【追伸】
この30代若者が「何故、あの時、笑い飛ばす対応をされたんですか。私がキレて、直情的に自殺するかもしれなかったじゃないですか」と。「この手の相談を受けるは、非常に難しい。が、拙僧の経験上、自殺するを決定している人は、決行の日まで、死ぬという態度を一切見せない人が多い。第三者に邪魔をされたくないんだろうね。自殺したい、と相談に来る人は、心のどこかで『まだ生きていたい。止めてほしい』という気持ちがある人が多い。深刻を深刻で返したり、ネガティブをネガティブで返すは、専門家(精神科医、その分野に熟知)の仕事にて。拙僧の仕事は『何だ、この能天気野郎。こいつ見てたら、こんな奴に相談してたのか、と思ったら、何か、死ぬのが馬鹿らしくなった』と思わせる様に仕向ける事ぐらいかな、知恵足らずの拙僧に出来る事は、こんな事くらいかな。が、これでも、結構、拙僧なりに、一か八かの対応なんだよ。人の命の問題だからね。全ての人にこの対応をしているわけじゃないよ」と。「そうだったんですね。ありがとうございました」と。