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トランス脂肪酸に見る日本の問題

2018-02-15 05:33:26 | 日記
【トランス脂肪酸に見る日本の問題 <続編>】
トランス脂肪酸は、さまざまな健康問題との関連性がこれまでに報告されています。最も有名なのが心筋梗塞などの虚血性心疾患ですが、他にも、前立腺がんや乳がん、糖尿病、加齢黄斑変性、さらにはうつやアルツハイマー病、攻撃性など、その悪影響は心身のあらゆる面に及びます。
なかでも深刻なのが、妊娠や出産への悪影響です。トランス脂肪酸の摂取が、不妊(男女両方)や流産、子宮内膜症のリスクを高めることが、ハーバード大学などの研究を通じてそれぞれ示されているのです。
ここで、「日本人は摂取量が少ないから問題ない」という政府の見解について、改めて反論しておきたいと思います。
そもそも、この見解の根拠は、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)が2003年に発表した報告書です。そこでは、トランス脂肪酸の摂取量に関して「1日に摂取する総エネルギーの1%未満にすべき」と推奨されています。これに照らし合わせると、日本人はトランス脂肪酸の平均摂取量が1%に達していないことから(推計では0.3~0.7%)、「トランス脂肪酸の害については心配ない」とされたわけです。
しかし、東京大学などの研究チームが、「摂取量が多い人もたくさんいる」という事実を2010年に明らかにしています。
確かにこの研究でも、平均摂取量自体はほぼ1%未満であったことが分かりました。ところが、性別・年代別に調べていくと、総エネルギーの1%を上回っている人の割合は決して少なくなかったのです。具体的には、30代女性で約3割、40代女性で4割、50代女性でも4分の1というように、女性における大量摂取が顕著であり、男性でも30代と40代の約1割は「1%オーバー」という結果でした。ちなみに彼らの共通点としては、菓子類などの間食の習慣が疑われています。
このように、この手の話で「平均」を引き合いに出すのはナンセンスそのものであり、「摂取量が少ないから問題ない」は通用しません。それに、米国食品医薬品局(FDA)が、トランス脂肪酸を含む加工油脂を「一般に安全とは認められない」、すなわち正真正銘の有害物質であると判断し、事実上の全廃を6月から開始するわけですから、1%未満であろうがなかろうが、問題ないわけがありません。他のさまざまな有害物質と同様、「ゼロがベスト」なのです。
日本の出生率は減少の一途をたどっています。残念なことに、実は京都の出生率は東京に次いで全国ワーストレベルです。その一方で、京都はパンの消費量が全国で最も多い都道府県でもあります。市販のパンがことごとくトランス脂肪酸まみれであることを考えれば、京都の出生率の低さと無関係であるとは到底思えません。
他の健康問題もさることながら、新たな命が生まれてこないことには話になりません。トランス脂肪酸のせいで日本が滅亡する可能性も大いにあるのです。晩婚化や出産の高齢化が進む昨今。妊娠や出産にダイレクトにかかわる年代の人たち、そして小さな子どもたちを“見殺し”にしてしまうような国のままで、果たしてよいのでしょうか?
現時点で何の規制も行われてない日本では、トランス脂肪酸の含有量を知る手がかりすらありません。高リスク食品を徹底的に回避するしかないわけです。今一度、トランス脂肪酸の問題に目を向け、皆さん自身や周囲の方々の健康を守ってほしいと思います。

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