呼吸の吐く、吸うだけ意識して、散歩しようと、最初考える。誰でもできると。しかし、3分もすると、その意識が消えてしまい、雑念に支配されるのではないだろうか。
そして、呼吸法など、考えたかさえ、忘れてしまっているのではないか。
もし、あなたが、10分でも、呼吸だけ意識できていれば、かなりのマインドフルネスに上達した人だろう。
現代人は、ながら作業を目指し、一つの事をしながら、他の事を考え、こなしている。
世界のトップエリートは、マインドフルネに注目しだしたのは、厖大な仕事量を効率よくこなせるが、反面、集中力を失っていると、気付き出した。
久賀谷 亮著 『最高の休息法』
1 危険が間近に迫って、今を意識する?
「一人の旅人が虎と遭遇した。逃げ場を失って、崖から蔦にぶら下がった。上からは虎が。下にも別の虎が。すると、ネズミが蔦を噛みだした。旅人はふと、崖の斜面の野イチゴがあるのを見つけて、蔦を持たない方の手で摘み取って、口に入れた。野イチゴが何と美味しかったことか」と。
僕は、これを読んで、学生の頃、試験1時間前に急に、集中力が出てきて、なぜ、今まで、勉強しなかったのか、と思った時があった。
それほど、僕は、いまここに目を向けていないと。
2 マインドフルネス呼吸法とは?
子供は、いつも目の前のものに積極的に注意を向ける。彼らにとって新鮮だから。小さな子供は何かをしている最中に、別の事をくよくよ考えない。犬も餌を食べながら、昨日のことを後悔しない。
マインドフルネスは初めて触れるかのように世界をとらえ直し、いまここを保ち続ける子供や動物の心になること。
「コツは背中はシャッキリ、お腹はゆったり。
背筋を軽く伸ばし、背もたれから離す。そのときのコツが、背中はシャッキリ、お腹はゆったりと。
手は太ももの上に。足は組まないで、足の裏を地面にべたりとつける。目は閉じてもいいし、開けるなら、2メートル先を。
呼吸に注意を。呼吸に関係する感覚を意識。空気が鼻を通る感覚を持つ。肺に空気を入れるにつれ、、胸が膨らむ感覚も。お腹が持ち上がる感覚も。
呼吸をコントロールする必要はない。自然におきるままに。いい呼吸も悪い呼吸もない。
とにかく、呼吸に細かく注意を。呼吸と呼吸の間に短い切れ目を感じる。一回、一回の呼吸の深さが違うことを。吸う息と吐く息の温度の違いも。細かなことに好奇心を。
他の考えが浮かぶと、それに気づくだけで良い。また呼吸へ注意を。やさしく、ゆっくりと。
呼吸は意識の錨。風が吹いたり、並みが荒れようと、錨があれば船はそこから流されない。どんな雑念が心に吹き荒れても、呼吸を見失わなければ大丈夫。
呼吸を意識するのは、いまに注意を向けるため。これをマインドフルネス呼吸法という」と。
3 なぜ、マインドフルネスをするのか?
「瞑想は脳のエネルギーを無駄遣いするのを防ぐ。
マインドフルネスは脳の一時的な働き具合だけでなく、脳の構造そのもんを変えたしまう。
実践すると、大脳皮質の厚さが増したと。脳の機能が高まったと。
また、記憶に関連する脳部位が強化された。
ストレスホルモンのコルチゾールが出にくくなった。ストレスに強い脳が作れる。
マインドフルネスを、一日五分でも十分でも、毎日続けること。
大事なのは、同じ時間、同じ場所で。脳は習慣を好み宇ので」と。
マインドフルネスをすると、記憶力もよくなるし、怒りもおさまる。
わかっていてもなかなかできない。
禅と似ているようだが、やはり違う。もっと、自由な形でできるから。
クラシック音楽をききながらするのもいいのではないか、と思うが。
4ラベリングとは?
「マインドフルネ呼吸法にラベリングを組み合わせてみる。
集中力を高める最善の方法である。
やり方は簡単。
呼吸に合わせて1から10まで数えるだけ。10までいったら、また1に戻る。それぞれの呼吸に1、2・・とラベルを貼る。
3分もすれば、心がそわそわしてさまよいはじめる。それでも、問題ない。心が100回離れれば、100回戻す。ただし、やさしく、ゆっくりと。
いろいろな事が気になって仕事がは
かどらない時、ラバリングはベスト」と。
眠れない時すると、役立つだろう。
風呂に入って、一から100まで数えることを、子供の時にした。大人でも、心の中で息に集中しながら、やってみると、いろいろ効果あると思う。
5 食事瞑想とは?
「普段、食事の時、食べる物に意識を向ける。
例えば、ペーグルをかみちぎる。噛み切られたその欠片は、どんなふうに口の中を動くのか。
ペーグルが口内の粘膜に触れる感覚は。唾液がさらに増える感じなど。
味は。小麦、チーズ、玉ねぎ、いつもよりそれらの味わいに注意を。
最後にペーグルを呑み込む。咽を通るときの感覚は。胃の中に落ちていく感じは。
すべて、いまここに意識を向ける」と。
これができれば、きっと、メタボにならないだろう。
大食いの人は、胃腸に異変があってもわからない、という。大きな病になって、初めて気づくようだ。
反対に、玄米菜食者や少食の人は、少しの異変があれば、すぐわかる。
断食後、食べると、普段、嫌いな物がなんとも美味しく感じられる。さらに、この食事瞑想をすると、集中力抜群になれるのではないか。
6 歩行瞑想とは?
「歩いている時、自分の手や脚の動き、地面と接触する感覚に注意を。
歩くスピードは最初はゆっくりと。脚の筋肉や関節の複雑な連動が起きる。それらを意識する。そして、ラベリングを組み合わせる。右、左とか、上げる、下げるという風に。自分の行動にラベルを貼ると、いまここに、に集中できる」と。
これが、簡単なようで、とても難しい。一分もすると、雑念が襲う。初めの意志はどこへやら。そんな事、考えたかな、と別の事に。
7 ムーブメント瞑想とは?
「いまここを意識する方法のこと。
グーグルは社員研修で使っている。
ムーブメントは日常生活あらゆる動きに応用可能。
服を着る時、歯を磨く時、車を運転する時など。毎日、決まってやってみる。ラベリングをしながら、朝の歯磨きもいい」と。
8 モンキーマインドにならないためには?
「いろいろな考えんい頭が満たされている状態をモンキーマインドという。
サルたちが頭の中でうるさく騒ぎ出す状態のこと。
雑念が頭を占拠すると、脳は疲れやすくなる。脳はあらゆる臓器の中で膨大なエネルギーを消費。モンキーマインドを脱すれば、脳はフルに発揮可能に。
集中力、判断力、読み書き計算処理能力、創造性など。
大切なのは、考えに対して傍観者になること。
人間は、あたかも考えを自分自身だと思い込む。しかし、自分は入れ物。駅と電車を同一視するのは馬鹿げえているように、自分と雑念を同じとしない。
自分の心は電車の行き交うプラットフォーム。どんな雑多な種類の電車が入ろうが、プラットフォームに変わりない。そういうイメージで、自分自身の心常に片づけられる状態に」と。
モンキーマインドとは、ながら作業をすると、あっという間になる。
普段、テレビを見ると、画像が秒単位で、変わる。それに慣れてしまうと、人間も同様に。だから、今、断捨離が流行っているのだろうか。
9 ブリージング・スペースとは?
「ブリージング・スペースの大事な所は、意識の向かう先を呼吸から身体に広げる。コツは身体全体が呼吸をしているかのようにイメージを。
二番目に大事なのは、緊張を感じた部分あれば、息を吐く時、そこに空気を吹き込むようにイメージを。呼吸につれて柔らかくなっていく感じを」と。
10 怒りに対処するには?
「RAIN という。Rはrecogintion(認識)
Aはaccept(受け入れる) Iはinvestigate(検証する) Nはnon-identification(距離をとる)と。
1、怒りがおきたと認識する。
2、怒りが起きているという事実を受け入れる
3、身体に何が起きているかを検証
4、怒りと自分を同一視しないで、距離をとる
呼吸に意識してもいい。呼吸はいまここから流されないための錨である」と。
11 気になる事がある場合は?
「気になっていること、不安に思っていることを、心に思い描いてみる。不安を呼び出したら、心の中でこんなセリフをつぶやく、
世の中はそういうものだ
どんなこともありのまま受け入れられますように
これを繰り返すだけで、マインドフルネスは扁桃体を沈静化し、その下に続く視床下部、下垂体、副交感神経を優位にすることで、ストレスへ抵抗性と心のバランスをつくる」と。
12 目前の事だけに集中を
「ウルトラ・マラソンは、マラソンの何倍もの距離を走る。目前の一歩一歩にフォーカスする力がある。あまりにも長くて苦しいその競技に疲れ果ててしまわずに、最後まで走り抜くために、あえて遠い先を見ないで、いまここにフォーカスする能力が必要になる。マインドフルネスは走りながら休むための最高の方法である」と。
僕も、ジョギングをする時、先を考えてしまう。速く、思った距離を走って、楽になりたいと。
これでは、三日坊主になる、とわかった。
一瞬、一瞬を今、今、と心の中で走ると、長続き出来ている。ペースを落として。
ジョギングやウオーキングはマインドフルネスに格好の場だと、思う。毎日やれば、徐々に集中力がついてくる。
ただし、走り出すと、足の筋肉が痛くなる。それを避けるためには、肉を食べる必要があるようだ。足の筋肉に痛みがなければ、十分にマインドフルネスができる。
13 感謝が幸福になる方法?
「幸福度を高める生き方の因子は、感謝。
他人や社会に対して感謝する気持ちを持っている人の方が、幸福度は高い。
脳科学の分野でも、データで。感謝の気持は、怒り、恐怖、嫉妬など、ネガティブな感情を溶かしてしまう」と。
食べた時や、美しものを見た時など、さまざまな場面で、ありがとう、と心の中で言ってみたい。
やはり、幸福は自分で、口にする言葉で左右されるようだ。
14 競争心は最悪?
「競争に負けたくないという気持ちほど、我々の脳を疲弊させるものはない」と。
僕は、世の中から、競争がなくなれば、もっと、街行く人も穏やかな顔で一杯になるだろう、と思う。
人に負けたくない、と思うだけで、自己中心に様変わりし、脳疲労を引き起こし、不幸な目にあう。
会社は、働くのは自分のためと言うが、この考えをあらためない狩り、
いつまでたっても、鬱病や自殺はなくならないだろう。