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ゴリラは面白い

2018-06-23 15:54:53 | 日記

山極寿一 尾本恵市  『日本の人類学』

 

 

 

この本を読んで、特に、ゴリラへの愛着がわいてきた。また、酒吞み話や今西錦司の探検隊の話を面白く読めた。

 

1 萱野茂の比喩「狩猟民は、足元が暗くなる前に戻る」 「北海道で、我々アイヌは長い間、自然の利子で食べさせてもらっていた。ところが、あるとき和人がやってきて、元本を食い尽くしてしまった」。

2 尾本氏が、人類学になぜ、遺伝学を入れないのか、と質問すると、長谷部先生は、遺伝学は変化しないもの(遺伝子)を研究する。一方、人類学は、人間がいかに変化するかを研究する。だから、遺伝学を入れないと。

3 京大の今西先生はカラコルム学術探検隊長を務めたが、五十七歳まで無休講師だった。西陣のボンボンのお金持ちだったから。

4 今西さんは、探検隊長で、地図もなく、道が二つに分かれていた。その時、部下に、どちらへ行ったらいいか、と聞かれると、少しも動ぜず右、と言われた。根拠はないという。今西さんは「そういう時、おろおろしてはいけない。とにかくどちらかに行って、駄目だったら戻ってくればいい。隊長、リーダーとはそんなものだ、と言った。今西さんは山は突然、危険が迫る、そんな時、あれこれ考えてはいけない、直観で行動するという。

 

5 デニソワ人の姿、形は現状ではわからない。

 

6 日本人は明治維新以来、現在まで百数十年間に平均身長が十センチ以上伸びている。遺伝子の変化だけでなく、食べ物の変化もあるが、電灯を使うようになったからと思われる。目から入る光の刺激が、脳下垂体から出る成長ホルモンに影響を与えている。

 

7 ゴリラには子供の時期がないけれども、人間にはある。

 

8 ゴリラは三歳から四歳で離乳しますが、人間は、離乳が早い。

 

9 オランウータン、チンパンジー、ボノボ、ゴリラの中でチンパンジーは例外的な存在です。同種内で殺し合いがあり、肉食をするのはヒトを除けば、チンパンジーだけです。他の連中はみんな菜食主義者で、争いが少ない。チンパンジーはヒトと似ているのか。

 

10 『ネイチャー』にヒトとチンパンジの遺伝子は98パーセント同じだと言う。

 

11 ゴリラのペニスは伸びた時でも四センチしかない。睾丸もとても小さい

 

12 ヒトのペニスは伸びると平均十三センチと長いが、ゴリラはあの大きな身体なのにわずか四センチ。一方、チンパンジーは人間より大きな睾丸をしている。

 

13 チンパンジーは、ペニスを挿入してから射精まで平均六秒しかないので何度でもやれる。そのため、あんなに睾丸が大きい。なんとチンパンジーのメスが妊娠するまでに1000回近く交尾する。頻繁に交尾するが、妊娠しにくい。

 

14 かつて、イリノイ州のブルックフィールド動物園で、ゴリラの展示ブースの柵から三歳の子供が転落した。柵は十メートルの高さだった。転落した子供は意識がなくなった。

 

その時、一頭の雌ゴリラが子供に近づいて抱き合げ、飼育係の所まで運んだ。

 

  ゴリラは気が優しく、縄張りがなく、仲間意識で繋がっている。

 

一方、チンパンジーは乱交、競争意識があるから、お思いやりがない。

 

15 ゴリラに認知実験できない。教師の人間を自分より上の存在として認めている。彼らは相手の言う通りになることを嫌う。

 

 何か教えようとすると、その裏をかく。

 

16 ヤハウエにアベルの行方を問われたアベルは、「知りません。私は弟の監視者なのですか」と答えた。これが人間のついた最初の嘘だと言われる。

17 猟銃採集は私有を否定する文化なんです。

18 猟銃採集民の生活は「わかちあい」の精神が暮らしの隅々まで行き届いている。死ぬ時には何も持っていけない。物を持っていられるのは生きている間だけ。

19 猟銃採集民の家畜はイヌだけで、ウシやヒツジは農耕が始まってからの家畜です。イヌはヒトのパートナーとして生まれた最初の家畜です。

 

20 イギリスの霊長類学者のロビン・ダンバーは、人間以外の霊長類の脳に占める新皮質の割合が集団規模に応じて増加する、という。

350万年前のアウストラロピテクス・アファレンシスは、三十人、脳容量が600ccを超えたホモ・ハビリスは50人、脳容量が1400ccの現代人は約150人。

 

  ヒトの猟銃採集民の生活では長い間150人規模の集団が保たれていた。だから、農耕の開始で急に集団規模が拡大して、人間にとって大異変で、その変化についていけない。

 

21 急進な進化の原因として考えられるものにボトルネック(ビンの首)効果があります。

 環境悪化により個体数が減り、絶滅寸前になるが、また、復活して個体数が多くなる。すると、ビン首の前後で形質が大きく異なる。



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