僕は、書いていると、外に出たくなる。スロージョギングをすると、発想するにはもってこい。
僕は、村上春樹が毎日、走っているとわかって、やってみると、かなり長続きしている。
この本を読むと、著者の茂木氏も一日10キロ走ることが生きがいだと。
僕なりの走る理論がある。初めは、三日ほどで足裏に豆ができて、続かないと思ったが、三日を四日に目標にしていると、段々、足裏があつくなったのか豆ができなくなった。ただ、肉を毎日食べないと、どうしても長距離を走れないとわかった。
日本の弁当がかわいい、という事で、世界で評判になっている。
弁当は芸術作品なるが、食べると、すぐに消えてしまう。どうも、日本人は桜や紅葉の一瞬でなくなるものに、大変な関心を持つようだ。
僕は、夜の料理と音楽を掛け合わせて、その味を楽しんでいる。相当な掛け合わせがあって、無限に近い。
茂木健一郎著 『なぜ日本の当たり前に世界は熱狂するのか』
1 日本人はプライドが好き?
「海外のスポーツ現場は、ロッカールームが荒れているのが普通。負け試合など、椅子が蹴散らされ、壁がなぐられてへこんでいる。
しかし、日本人はこのの前のワールドカップのベルギー戦で負けたが、その時、ロッカールームを磨き上げ、その上、ありがとう、というメッセージを残したという。
また、
「JR東京駅の新幹線ホームに、整列して清掃するスタッフがいる。通称、テッセイと呼ばれる。新幹線が入ると、、お辞儀をして、降りる客を出迎え、お疲れ様、と声を掛ける。
一チーム22人が5、6人にわかれ、七分で、テキパキと掃除をする。、日本人が見ても、感心させられるが、それ以上に、外国ン人には衝撃だった、という。ユーチューブで動画が取材されている。
清掃は報酬のわりにはたいへんな仕事、というイメージあり。清掃のような大変な仕事、誰にでもできそうな仕事の中に、やりがいとプライドを生み出したという」と。
また、
著者のアメリカの友が驚くのは、「なぜ、高校野球の球児は攻守交代に全力で走るのかと。アメリカの球児は攻守交代に全力で走らないがと。
さらに、彼らはなぜ丸坊主なのかと。
どうして、負けると泣いて甲子園の土を持って帰るのかと。
点差がついているのに、盗塁するのか。
日本の高校野球には教育がある。礼に始まり、礼で終わる。ルールを守ること、最後まで手を抜かないこと、等が美徳とされる。
一方、アメリのカルフォニア州で行われた高校バスケットボールでは、大差ををつけて勝っていたチーズが最後まで手加減せずに戦ったことで、スポーツマンらしからぬ行為ということで、コーチに二試合停止になった」と。
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僕はこの箇所を読んで、人からどう見られているか、常に関心を持つ日本人だからだ、と思っている。
2 空気を読む日本人?
「日本人の深層に目に見えない物に対する畏怖の念がある。
一方でその空気を大切にする。
言わなくてもわかる」と。
しかし、この空気を読むというのは、日本人だけなのか。
これから、人口知能が出てくるが、空気を読めるのか。何となく、いやな感じとか、うまくいきどうだ、とか。
大地震や大洪水にあうと、神の怒りだ、と言う人が知識人の中にもいる。科学的に何の関係がなくても。
3 日本人は短い季節ものに敏感?
「外国人を驚かせるものに、ピクニックに行く習慣もない人でも、桜や紅葉の開花時に、前日から場所取り合戦が始まる」と
。
季節ものは一瞬で終わるので、全力で愛するものへと変わる。
旬の魚とか、季節ものの饅頭、弁当は人気がある。これらは、流行で終わらない。毎年、決まった季節に人気がでる。
一方、1980年代、バブルだった時、外国のバッグや時計が大いに売れた。それを買うことが、自分のあかしだ、というみたいに。
しかし、一時的で、長続きしなかった。なぜか。本当に、その服なり、バッグ、時計が好きではなかった。自分の感覚にあわないものを無理に買ったからではないか。
今も同じではないか。
人気出ては、あっという間に消える。パソコン、スマホ、ゲームなど身の回りに無数にある。アップルも百年後は残っていないと思う。
本もそうだろう。多く出版されるが、人気もほんのわずかな間。一か月で消える本も多数。
それに比べ。漱石や鴎外など、100年以上前の本が今だに売れている。すごいことだ
さらに、一千年前の源氏物語となると、奇跡なのではないか。。
4 日本人はオノマトベで泣いたり、食べたりする?
窪園春夫さんによると
「イギリス人は動で泣くが、日本人は副詞で泣くという。
英語では泣くことをcryやsobという。対して、日本語では、ワーワー泣く、めそめそ泣くしくしく泣くなどオノマトベで表す。
日本語ではオノマトベがそのまま物の名前なっているものが多い。
ピカチュウも、稲妻とネズミの鳴き声を組み合わせたもの。
最近では、モフモフが出てきた。フワフワより暖かい感じで、フワでなく、モウで微細な違いを感じる日本人。
食感を表す日本語のオノマトベは異常なほど多い。美食大国のフランスや中国より多い。
テレビの食レポは、まったりしている、とか、サクサク感がたまらない、と言った具合にオノマトベで。
質感をオノマトベで表現するのは、クオリアの言語化だろう」と。
食べた時に感じるものを言葉で表すには、じっくり食べるしかない。
僕は、音楽を聴きながら、じっくり食べ物を味わうのが趣味だ。自分の好物と音楽をミックスさせて、ゆっくりと食べる。
5 あなたの生きがいは?
「100歳を超えて生きるには、生き甲斐が必要だという。沖縄の人に長生きの秘訣は、と問うと、多くの人が生き甲斐をもっている。
その答えに、猟師は、自分が獲った魚を孫がおいしそうに食べる事、や、空手の達人は、死ぬまで空手を教えること、という。
西洋人はこれらを聞いて衝撃的だったと。
なぜなら、西洋的な生き甲斐は宗教的な意味で生きる意味や人生の真理と言った要素になるから。
日本人の生き甲斐は何とささやかなものか」と。
著者の茂木氏の生き甲斐は、毎日10キロ走ること。心と頭が心地よくリセットされて、走り終えた時の充実感。また、朝起きた時、コーヒーとチョコレートを口にするそうだ。それも生きがいと。
生きがいと聞くと、大それたイメージがあったが、普段、何となく楽しいと思える事を多く持つのも生きがいになるのかもしれない。
6 雑談は日本だけ?
「外国人の日本人妻は、とりとめもない話をし、何を言いたいのかわからない、という。
日本人の雑談は、英語のスモールトークとチャットとも違う。
大した山場もなく、オチもなく終わるという。
どうやら、雑談は日本人独自のコミュニケーション方法であると。
スモールトークは大まかな起承転結や笑い、教訓だったり、どこかで着地する会話。
会議に無駄口を、打ち合わせに悪口を、と企業広告に揚げる博報堂は、打ち合わせの五割を雑談に費やして、ひらめきを促進させる。
雑談は猿の毛づくりに似ている。毛づくろいする猿同志は、トラブルの際、助け合う。
雑談には、きらりと光る個性が少しずつ詰め込まれた状態を気持ちよいと感じる。話題が飛んでもかまわない。テーマがなくていい。終ったあと、楽しかったな、と感じられれば」と。
雑談と聞くと、人の悪口を話す事かと思う。人が二人よれば、誰かの悪口を言って楽しむのが日本人に多いように思うが。
雑談でいい発想がわくと思う。本で速読では発想が湧かない。機械になった感じがする。
しかし、熟読しながら、次の文章を予想すると、当たっていなくても、思いがけない事を思いつくことがある。
著者の言いたい事を勘違いして、自分で勝手に思い込むのも、いい発想法だろう。
テレビはあっという間に場面が変わるので、速読に似ている。発想につながらない。
7 自分の筋を持って行動する?
「白洲次郎はGHQに尻尾を振らなかった。同時に、彼らを批判もしていない。根底にあるのは、白洲の言うプリンスプルがあり、傍若無人に見える思想や振る舞いは、自然体であった。
白洲のプリンシプルは、筋を通す、という事で、GHQにも、総理大臣にも、自分の部下や運転手、ファッション、ゴルフにも筋を通した。
どちらか一方を優遇するのではなく、批判するのでもなく、自分の基準において自然体の態度を貫くというシンプルな考え方を全うした」と。
白洲次郎みたいになるには、自分のポリシーをしっかりと持つ。そのためには、読書や人の話を聞いて、良い事どしどし取り入れる事だろう。
世間がどう見ていようと、自分だけの目標を持って進むということか。
一つのことに集中すると、他人の事が全く頭に入らない。茂木氏の言うゾーンに入るということだろう。
このゾーンを一日何時間持てるか、それが幸福の鍵になると思う。