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7月26日(木)のつぶやき

2018-07-27 01:58:13 | 読書論

日下公人著 『情の力で勝つ日本』

2018-07-14 14:58:43 | 読書論
日下公人著 『「情の力」で勝つ日本』 ひらめきを生むにはどうしたらいいか、直観力を鍛えるにはどうしたらいいか、ヒントが目白押し。学校秀才はロジカルシンキングができても、ひらめきがない。マンガ、アニメを馬鹿にする勿れ。 何点か、印象に残った所を描いてみた。  1 日本人の強みは何?      情である。   皆まで言わずともよい。 以心伝心で、お互い    忖度して生きてきた。   これは、流行りのロジカルシンキンより優秀だ。  2 西欧人は論理が上、直観は下。何事も論理で分析。  3 日本人は昔から知と情の二本立て。  漢心(からごころ)とやまと心が両立。和歌と漢文両方を学んだ。片方が高級で片方が低級と言わなかった。   菅原道真は和歌も漢文も両方できたので、学問の神様に  長い間、民族固定。民族大移動なし。以心伝心すぐに。  4 日本人はすべて詩人の才能あり  言葉ではなく、心でわかる。詩で表現し、行動で結論。これをわからない日本人多すぎる。もったいない。  5 ヨーロッパは親子は主人と奴隷の関係。  親は神気取りで、親が子を処罰。誰も注意せず。中世に奴隷制度をなくしたというが、家庭は奴隷制度のまま。  ヨーロッパでは、「動物から人間に」18歳で家を出るまでは、子供は動物なみ。  西洋人は論理ばかり。子供の頃から愛情そそがれず、情が育たず、情で納得しない。  6 日本は「子供は神の子、仏の子」子供を大事に。七歳で人間になりました、と言ってお宮参りでお礼を。「神様、仏様から人間に」  親子一緒に寝る家庭は今でも多い。  一緒に寝れば、子供の情が育つ。共通の思いでがあるから、兄弟げんかしても、すぐに、仲直り。  7 日本の昭和初期の小学校教科書は、情から教え、知、意へと。  情を前提にした知はすぐに身に付く。  8 ドナルド・キーンは 戦死した日本兵の手帳をみてびっくり。    「日本兵は教養あり、その上、詩人だ」と。  例えば、何月何日に、ヤシの木のスケッチあり、余白に俳句。  9 日本の兵隊は、「これは織田信長の桶狭間だ」「楠木正成の千早城だ」でイメージがすぐに。  英雄伝や戦国武将の話でピントくる。直観力で理解。  日本人は論理が面倒くさいのではなく、たとえ話で十分。  軍隊の現場は兵隊に「中隊長はお母さん、大隊長はお父さん」で兵隊すぐに理解。  ありがたいと思え、と言わないで、お母さん、お父さんですべて通じる。  陸軍では、上官は、「僕に命をくれ」という。   兵士としては、どうせ死ぬ身。論理で説明されるより、「僕にくれ」と言ってもらう方が嬉しい。「靖国で会おう」も同じ。  10 日本陸軍は地区ごとに徴兵。郷土連隊。情が通じやすい。  日本は郷土連隊を学んだ。どこから?  第一次世界大戦、タンネルベルク殲滅戦で。1914年8月、ドイツ領のタンネルベルクでドイツ軍がロシア軍を包囲殲滅。  11 数学の天才の岡潔は、ヨーロッパで何百年、解けなかった三つの問題を解くぞ、とパリへ。  持っていったのは、参考書ではなく、芭蕉の句集。パリで友もなく、一人で生活。ずっと、芭蕉の句集ばかり読む。  すると、ある時、急に、数学の問題解けた。  情感を磨いていると、ひらめきが生まれる。  岡潔によると、「情で受けとめると、外界からの情報伝達そのものが違う。感覚で見ると、はじめはすばらしい景色と思うが、何度も見ると何でもなくなる。情緒で見ると、時雨でも、良さがわかり始めると、聴けば聴くほど好きになる」という。  日下は「小さい頃、多く暗唱した。軍歌も古典も。意味もわからずに。情緒的に覚えたものもあったが、それらは、老齢の今でも覚えている」と。  さらに、岡潔は「人が幸せにしているのを見ると、自分の心が喜び一杯。深い喜びを感じるのが、人本然の心で、そうでないなら、心に濁りあり。エゴイズムの濁りで、それを取り去ることい務める。そういう人は、真我に目覚めた人です」と。  また、「花を強く愛する人が、花を折り取られると、自分の身がひきさかれるように感じる。同じく、人が悲しんでいるのを見ると、自分の身がひきちぎられるように感じる。これが観音菩薩型の心で、真我です。心を自分と思うことです。真我は肉体に閉じ込められている小さな心ではない。肉体が死んでも、それきりなどと思わない。  吉田松陰は、斬罪の日、いよいよ、首を斬られる順になって、「寅次郎、立ちませえ」と言われると、立ち上がった時、強い喜びが込み上げてきた。それで、松陰は、「ちょっと待って」と言って、せわしさの中で、自分は、非常にうれしいの意味の歌を一首残した」と。   このように、岡潔も論理より情で理解せよ、という。   さらに、「創造をよく働かすには、無差別智をよく働かせればよい。どこから来るか。真我です。   肉体には、食欲、性欲、集団欲、睡眠欲、怠惰などいろいろある。これらを働いたままでは、冴えた働きは出来ない。これは抑えなけらば。  自己中心、自分の肉体中心、知情意し、行為しようとする本能で、これを無明と言います。  無差別智は真我に働く。無明が薄いほどよく働く。    よく、おれが、おれがという感情あると、創造でない。工夫考案である。側頭葉でできる。そこまでです。生み出す働きは、前頭葉でなければできない。  私は、数学の研究に打ち込んでいる時は、虫も動物も殺さない。植物も若草の芽も踏まない。そんな心になるのは、無差別智が真我に働くからです」と。  12 直観力ある人は、物事をすぐに理解。  直観力ある人は、情が豊か。    直観力ある人は、少しでも物事を見たり、聞いたりするだけで、答えすぐにわかる。   日下の友で東大の講義を最初の一回聞くと、教授のレベルすぐわかったという。以降、授業も出ない。  外国人は日本語の曖昧さに非難。すると、こう言うべきだ。「皆さんの言語力では、お気の毒にも奥深い「曖昧さ」理解できないのですね」と。  宣教師で日本語が上達すると、自然に低姿勢に。日本語を覚えて礼儀正しくなると。  坂井三郎は戦闘機搭乗員で、『大空のサムライ』でベストセラーに。中学を中退。海軍に入り、いいこと沢山書いているので本が売れた。     一方、海軍兵学校出身者も戦後、多く書いているが、あまり売れていない。読んでも面白くないから。  日本では、エリートより情を大切にする庶民の方が賢い。  13 「情の力」で生み出される能力とは? ・ 文章の行間、相手の表情、しぐさから、直観的に素早く情報を読み取る。(情報読解力) ・ 雑情報から、ひらめき的に重要なエッセンスを拾い上げる能力 ・ 多くの人が情で共感。共有できるストーリーを作れる能力 ・ 情報をキャラクター化し、絵で示す能力   日本の子供はマンガ、アニメは、昔は日本の子供だけのもの。  いまや、世界中の子供を虜に。日本が世界中の子供に情を育てあげている。  14 アメリカのエリートは今だに、「論理バカ」  一方、アメリカ庶民は日本的な情を身につけつつある。  アメリカの裁判和解率が少しずつ上がっている。アニメで日本の和解の心を身につけた成人増加。これからのアメリカ裁判は日本式になる可能性大きい。  15 日本の庶民、特に女性、高齢者、少年、遊び人はリテラシーが発達。  相手の表情、しぐさから何かを読み取る。難しい本を読むのがリテラシーでなく、相手を直観的に読み取る能力。これが本当のリテラシー。  16 戦後、南京大虐殺が騒がれた。戦後数十年まで、親戚、近所の身近に、中国へ出征した人たくさんいた。「戦争は残酷ですが、中国でご苦労されたあの方々が、そんなことするはずないよね」ですべて片づいた。  中国が犠牲者三十万人などと言い出し、「当時の南京の人口を考えたらおかしい話」でピントきた。  中国側の資料を使って、南京大虐殺などと騒いだ記者は情の乏しい人たちばかり。  17 学校の先生の拾った情報だけで勉強すると、バカになる。  就職時に日経新聞を読めと言われる。大学受験生は朝日の天声人語を読めと言われる。そんなことをしていたらバカになる。大新聞は平気でフェイクニュースを流している。  情報は自分で考えて選ぶべき。  18 権力に媚びる人はひらめかない。  情がないからひらめかない。  情を大切にする人の特徴。  ・パワーより情報に頼る  ・人より早く、情報のストックを完成させる  ・直観力を肯定し、データバンクよりひらめきを重視。  19 江戸時代の富永仲基は日本人は節約し、要約することを好む。何でも短くする。日本人は正直でまっすぐ。手短に言う事が一番と。装飾の多い支那の文章も、日本人は簡潔にしないと受け入れないと。  20 これからの時代は、先見性、予想力で、記憶力や解説力ではない。  著者は小学生の時、母親から「ノートを取るな」と言われた。「ノートに覚えさすな。自分が覚えないとダメ」「先生の話はその場で覚えよ、すると、たくさん遊べるよ」と。  覚えようとすると、一生懸命聞く。一生懸命聞くと、頭に入る、一生ついて回ると。  ノートには、先生が話したことではなく、自分が考えた事をメモしなさいと。  21 一流大学で優秀な成績で卒業して、役所や会社に入った人間は、マンガ、アニメで育った人をバカだと、思っている。  しかし、マンガ、アニメで情の力を高めた人の方がガリ勉で板書清書に青春を費やした人より発想は豊か。ひらめきあり、遥かに賢い。  22 机上の秀才は、答えがなければ動けない。ロジカルシンキングの勝者になれても、ひらめきやアイデアが消え、直観力や洞察力が低下する。  情で動く人は、いろいろな人たちからの情報をもとに、どんどんひらめく。  そのために必要なものは?  長期観察、直観、アナロジー、詩での表現力。

後世に遺せるものとは

2018-07-11 06:12:36 | 読書論

内村鑑三  『後世への最大遺物』

「金も実に一つの遺物でありますけれども、私はこれを最大遺物と名づけることは出来ない。事業も実に大遺物たるに相違ない。殆ど最大遺物といってもよろしいございますけれども、未だにこれを本当の最大遺物と言う事は出来ない。文学も実に貴いものですが、私がこれをもって、最大遺物という事は出来ない。最大遺物という事の出来ない理由は、一つは誰にでも出来る遺物でないから、最大遺物という事は出来ないのではないか、と思う。

 それなら、最大遺物とは何であるか。私が考えますに人間が後世にのこす事の出来る、そうして、これは誰にでものこす事の出来るところの遺物で利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚な生涯であると思います。これが本当の遺物ではないかと思います」

 一個の人間の生きた生涯、しかも、「勇ましい、高尚な生涯」こそが、誰にでも遺せる最大の遺物と、結論に達する。

それで、こう訴えかける。

「それでも、どうぞ後世の人が我々についてこの人たちは、力もなかった。富もなかった、学問もなかった人であったけれども、己の一生涯を銘々(めいめい)持って居った主義のために送ってくれたと言われたいではありませんか。これは、誰にでものこすことの出来る生涯ではあります」

内村鑑三の言う「主義」とは、それがなければ、自分が生きていけないものだろう。資本主義とか、唯物主義の主義ではない。その人の主たる義だろう。

今、こういう文章を読むと、気骨ある人物の志がその言葉一つ一つから感じられる。なぜか、僕の気持を励ましてくれる。
明治の人は高い理想をもっていたのだな、と現代の競争社会の時代にあって、とくに思う。


キノコと災害

2018-07-10 14:20:39 | 読書論

小川眞著 『キノコの教え』

一昨日まで、大雨で西日本で多くの被害者が出た。

 化石燃料を浪費し、地球環境が乱れている。

 その一例として、キノコが揚げられる。

 

 キノコも健康食品のイメージがあって、便秘やガンにきくという。そのため、市場でよく売れる。売れればたくさん作りたい。かつては、木ノ子だったが、今は中国では「工場の子」となってしまった。

 

著者はキノコの観察会で山へよく行く。その時、「これ食べられますか」と尋ねられる。

 

「明日、目が覚めれば、大丈夫でしょう」と言うと、ほとんどの人が捨てる。

 

  総じて、毒キノコの色は地味な色が多い。

  

キノコの名前を覚えるには、食べるのが確かだが、危険なので、噛むのが良いという。但し、絶対に飲み込んではいけない。

 

もし、からかったり、苦かったり、嫌な臭いだと、脳裏に焼き付いて忘れないという。

反対に、好い臭いや、独特の味があったり、歯ごたえあれば、これも記憶に残る。

 

どんな食品も医薬品も、原始から人体実験を通して、記憶して子々孫々に伝えて来た。

どれほどの犠牲者が出たことだろう?

 

 現代も、キノコ中毒者はいるようだ。世の中いつでも、変人奇人はつきものなのか。

 マツタケがよく出た頃、豊凶予想に、「山豊作で里凶作」という表現があった。夏が涼しく雨がよく降ると、コメは凶作で、キノコは豊作という。しかし、最近、このジンクスがはずれた。

  異常気象が毎年、続いている。ひょっとすると、キノコが人類に将来の危険を教えてくれているのかもしれない。

 1 「キノコは、木の子供という意味。古くはタケまたはクサビラといい、漢字で茸と書いていた。

 

 耳の字を使うのは、昔、日本に多かったヒラタケが、耳たぶに似ていたからという説がある。

 

  タケは、猛り立つ、あるいは、たけるからきたという。キノコが思いがけないところからニョキニョキと出てくるので」

   シシェイクスピアの『真夏の世の夢』に、妖精がダンスをした跡だとして、フェアリングと呼んだ。

 

日本では、マツタケも輪を描いているので、天狗が角力を取った跡と思い、「天狗の土俵」と呼んだ。」

 僕が、キノコで好きなのは、やはり、この耳型だった。なぜかわからないが、この本を読んで納得できた。

 

2「キノコに含まれるセシウム137の濃度は普通の植物に比べはるかに高い。

 

  野生のベリーやカシューナッツ、チャの葉が高い。

   核実験から発生するセシウムはセシウム137が主。半減期の短いセシウム134は少ない。

   1960年代の核実験から出た放射能が、森林の中を動き続け、三十年近くたって、キノコに出てきたのも奇妙なことだ。」

 健康に良いといわれるカシューナッツもセシウムが含まれている可能性がある。テレビの健康情報は百パーセント信頼してはいけない。

 

キノコは一つ間違えば、恐ろしい食べ物となる。この前の東北大震災の時も、そこで、できたキノコを食べるのは控えたい。

どこで出来たかを買う前に確かめたい。

 

 3 「ヒマラヤ山脈ができたのは、恐竜が滅んだ6500万年前頃と言われる。

 樹木とキノコの間で菌根が盛んに作られた時期と符合する。これを共進化というが、不思議なことに、キノコが共生する樹木はすべて大木である」

  陸上植物が現れて以来、新しい種は常に新天地を開拓するために、環境条件が厳しく、競争相手のいないところを選んで広がった。その時、お守り役を買って出たのが、目立たない控えめなキノコだったのは愉快だ。

 

植物とキノコの共生には、偏利共生、相利共生、任意共生の三つあり。

 偏利共生は、マツタケのような寄生菌に近い性質を持った菌がつく。病気に似た疑似菌根ができる。

 相利共生はショウロのような純共生菌が根に付く。互いにメリットあり。被害の兆候がない。

 

 任意共生は、府生菌がたまたま特定の宿主と出会い、根に菌根類似の状態で着生」

 

 俗に言うと、偏利共生はヒモ、相利共生は相思相愛、任意共生は今晩おひま、ということになる。

  

 4「所得が増えると、食べ物の質が上がり、衣類がきれいに。住まいから電化製品、車へと。食べ物の質はタンパク質や油脂の多い食事に。高所得者に肥満が増え、成人病になる。この社会的変化を、レスターブラウンはジャパン・シンドロームと名付ける」

 

レスター・ブラウンは日本をちょっと馬鹿にしていると思うが。自分の国を棚に上げて。