試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-107[ツヌ318F] 連結面側プラ板式車体高嵩上試行,KATO製Assyベンチレーター化 ※グリーンマックス製

2018-03-05 21:27:43 | 国鉄/JR103系
釣合。

2社3種混結の国鉄103系ツヌ318Fはグリーンマックス製クハ103-107,クハ103-112が先頭に立つ。
所有するグリーンマックス製クハ103形ではこの2両にだけKATO製サハ103形用床板を採用している。
TR-200床板装着車とは異なる問題を抱えており解消を試行する。


国鉄103系ツヌ318F 朱色1号編成(1982/4)。
ツヌ318F:Tc107-M340-M'496-T753-M341-M'497-T754-M342-M'498-Tc112

TR-200床板を履くグリーンマックス製クハ103形は運転台側の車体沈下が目立っていた。
全て金属ワッシャー式車体高嵩上を施し見付の改善を終えている。
クハ103-107,クハ103-112の全高はKATO製床板を用いたせいか若干低い傾向がある。
当初は対策を行う予定だったが構造都合により断念した。
ただ極端に低い訳ではなくTOMIX製High-Grade製品と同程度であり現状でも納得できる。


ツヌ327F,ツヌ318F (TOMIX製High-Grade製品,グリーンマックス製)。

逆に納得行かなかったのは連結面側の車体不等沈下だった。
ツヌ318Fはモハ103-340以下のモハユニットをKATO製量産冷房車で揃えている。
KATO製サハ103形用床板との相性が芳しくない模様でクハ103-107,クハ103-112とは明らかな段差が生じていた。
加えてKATO製101系編入車のサハ103-753,サハ103-754に揃えた貫通幌取付が悪い方向に作用した。
KATO製量産冷房車にはF&MODELS製貫通幌を起用したがクハ103-107,クハ103-112はグリーンマックス製となった。


クハ103-107+モハ103-340 (ツヌ318F:グリーンマックス製+KATO製)。

本来はモハユニットとサハ103形750番代の連結面間隔を誤魔化す名目で貫通幌取付に走った。
所期の目的は達せた一方でクハ103形とモハユニットとの連結部段差を激しく感じさせる結果になってしまった。
車体と貫通幌のメーカーが何れも揃わない上に元々生じていた車体不等沈下が重なり編成見附は大きく崩れている。
少なくともクハ103形の車体不等沈下は防ぎたい。
クハ103-107を入場させ対処方法を考えた。


入工中のクハ103-107(ツヌ318F)。

ツヌ318Fはベンチレーターの統一も行われていなかった。
モハ103-340以下8両はAssyベンチレーターが装着されている。
恐らくサハ103-753,サハ103-754の部品流用都合が起点だと思われる。
KATO製Assyベンチレーターは僅かながら拡充したばかりだった。
クハ103-107,クハ103-112のベンチレーター交換も並行しツヌ318FをKATO製Assyベンチレーターで統一する。


AU75冷房機を撤去し交換を行ったベンチレーター。

これまで竣工させたグリーンマックス製103系ベンチレーター交換車は取付孔の塗料除去に苦しめられてきた。
そのため竹串やドリルでベンチレーター取付孔の拡大を施していた。
ところがクハ103-107の屋根板は珍しく厚塗りではなかった。
従ってベンチレーター取付孔への塗料侵入は目立たない。
KATO製Assyベンチレーターの取付脚を受け入れるには大幅な手を加える必要は無かった。
金工用丸鑢による取付孔断面の塗料除去だけでベンチレーター交換が行えている。
念のためAU75冷房機を撤去し作業に当たったが原形のまま装着を図れたかもしれない。


屋根上側からは何も切っ掛けを掴めなかった床板嵌合部。

ベンチレーターの交換を終えた屋根板は車体に取り付けずそのまま連結面側車体高嵩上の検討に入った。
側面窓セルはKATO製床板用嵌合爪を残しておりグリーンマックス製クハ103形では他に例が無い。
先ず何が車体を沈下させる要因かを探る。
車体連結面側は開口部があり床板との嵌合状況を確かめられると考えていた。
しかし妻面窓セルが視界を防ぎ何も判らないまま終わっている。
ただ嵌合しているはずの床板は上下動する。
簡便に固定するにはスペーサー追設が近道だと思えた。


位置調整中のスペーサー。

視点を床板側へ変更し理想のスペーサー位置を模索する。
KATO製サハ103形用床板の2エンド側には座席部品と台枠の空間があった。
そこでt0.6mmのプラ板をこの空間に収まる形状に切り出した。
座席部品と台枠の間へプラ板を嵌め込み車体を被せる。
車体と床板は線路方向に若干の嵌合猶予があった。
床板を運転台側へ寄せ連結面側に生じる僅かな隙間から極微量の流し込み接着剤を投入する。
モハ103-340の車体高に近付けるため何度もこの作業を繰り返した。
その結果スペーサー位置は車体裾から約0.9mmに落ち着いている。


クハ103-107 [21C 津田沼]:KATO製Assyベンチレーター化。

取り敢えずスペーサーの位置は決定した。
流し込み接着剤で車体に溶着させ床板の上下動は収まった。
後は車体の平行が保てているか確認を行う。
線路方法は余り気にしていなかった。
不安だったのは枕木方向である。
スペーサーの追設が車体の捻れを招くと運転台側が傾斜する。
雑に切り出したプラ板だったが幸いにして床板との接触部を最小限に留めたため悪影響は出なかった。
なお運転台側の床板は上下動しない。
よってグリーンマックス製クハ103形のKATO製床板装着車は運転台側車体高嵩上が不可能と判明している。




クハ103-107(ツヌ318F:連結面側車体高嵩上試行,KATO製Assyベンチレーター化)。

全工程を終えクハ103-107が竣工した。
ダークグレーで塗装した屋根板に映えるKATO製Assyベンチレーターは入場前の色温度と大きな差が出ない。
しかしグリーンマックス製と形状の異なるAssyベンチレーター化で若干雰囲気が変わったと思う。
これでモハ103-340との不揃いは解消に至った。




クハ103-107+モハ103-340 (グリーンマックス製連結面側車体高嵩上試行車+KATO製)。

モハ103-340との連結面段差もそれなりの答を得られた。
グリーンマックス製とKATO製では車体寸法が違い何処を基準にするか難しい。
一方を合わせると他方がずれるのはグリーンマックス製103系の弱点と言えよう。
ひとまず貫通幌基準では違和感の無い仕上がりになったと思う。

クハ103-107の車体高嵩上は無難に終えられた。
スペーサーの位置が定まりクハ103-112はもう少し早く作業を進められると思われる。
手作業と現物合わせの素人作業であり個体差は防げない。
よってクハ103-107との均等化よりKATO製モハ102-498とのバランスを重視したい。

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