試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

クハ103-576[ラシ337F-3] 運転台側金属ワッシャー式車体高嵩上試行 ※グリーンマックス製

2017-07-31 21:13:45 | 国鉄/JR103系
恒例。

KATO製103系ツヌ304F-2出場の影響を受けツヌ301F-1のTOMIX製High-Grade製品用インレタ化の検討に入った。
ツヌ301F-1はグリーンマックス製クハ103-130,クハ103-131が先頭に立つ。
モハ103-684以下8両はサハ103-459を除きKATO製メーカー塗装車で統一されている。


国鉄103系ツヌ301F (1979/4)。
ツヌ301F-1:Tc131-M684-M'840-T458-M685-M'841-T459-M686-M'842-Tc130

クハ103-130,クハ103-131の車両番号インレタはグリーンマックス製エボリューションキット用インレタを起用した。
転写乱れも無く推移していると思っていた。
ところが現状を確認すると[-]が歪んでいた。
[クハ103-130],[クハ103-131]はTOMIX製High-Grade製品初期形冷房改造車付属インレタに含まれる。
[-]の歪みがTOMIX製High-Grade製品用インレタ転写を決定付けた。
そのためサハ103-459を除くツヌ301F-1の車両番号再転写に取り掛かろうとした。


[-]の歪むクハ103-131(ツヌ301F-1)。

ここで引っ掛かったのはグリーンマックス製クハ103形で生じる運転台側車体高沈下だった。
KATO製103系と組む都合で車体高に違いが現れるのは仕方がない。
ただ運転台側が異様に沈む現状がどうも気に入らなかった。
連結面側はまだ黙認できるが運転台側は雨樋位置が段違いになり見逃せない。


クハ103-131+モハ103-684 (グリーンマックス製:連結面側+KATO製)。


クハ103-131+モハ103-684 (グリーンマックス製:運転台側+KATO製)。

車両番号再転写より運転台側車体高沈下問題を先に解決させたい。
そこでグリーンマックス製クハ103-576(ラシ337F-3)を入場させ運転台側の嵩上を試行する。
クハ103-576は中間組込車で既にKATO製クハ103-373(ラシ337F-3)との車体高差が生じていた。
嵩上に成功すればラシ337F-3の見附も向上し一石二鳥となる。


JR103系ラシ337F (1989/2)。
ラシ337F-3:Mc69-M'177-T142-M149-M'280-T'c576+Tc373-M46-M'46-Tc374。

クハ103-576+クハ103-373の車体高差はクハ103-373をTOMIX製旧製品からKATO製へ車両振替を行った際に発生した。
当初はKATO製クハ103形の構造都合とも考えたがライト基板を撤去しており車体は平行に近い。
原因はクハ103-576にあると考えた。


クハ103-576(ラシ337F-3)。

一時的に先頭に立った事もあるクハ103-576だが現在はラシ337F-3の6号車でほぼ固定されている。
先頭に出ない事から失敗リスクが低くこれまでも各種加工の試作車として活用してきた。
銀河モデル製ワイパー取付KATO製配管付TNカプラーSP化はクハ103-576が嚆矢となっている。
当然の如く運転台側車体沈下防止対策試験でも試作車に抜擢された。


入工中のクハ103-576。

分解して最初に確認したのは側面窓セルの嵌合爪位置である。
嵌合爪は第一扉より後位寄にあり運転台側車体高沈下とは無関係と判った。
要因はTR-200床板に違いないだろう。
車体側にストッパーを設けるか床板の湾曲を防ぐか迷った。
結局どちらも採用せず他形式で採用した金属ワッシャー式車体高嵩上を選択した。
一番安直な方式だが各部の微調整が不要な上に台車のビス締結が確実に行える。
何より他形式で積んだ実績が大きかった。


台枠センターピン部に嵌め込んだ金属ワッシャー。

起用した金属ワッシャーはt0.4×Φ2×Φ4.3でこれまでに用いた車両と同じものである。
台枠と座席部品との間に挟むには台枠のセンターピン部しかない。
Φが合わなければ難航するところだったが幸いお釣り無しで嵌まってくれた。
なお車体沈下が目立つのは運転台側だけで連結面側への金属ワッシャー組込は行っていない。
金属ワッシャーは台枠側に落とし込んだだけで固定は見送った。
そのため台枠と座席部品の嵌合天地が逆方向に変わりウエイトが何度も邪魔をした。
痺れを切らし微量のゴム系接着剤でウエイトボックス内に固定し嵌合時の落下防止策としている。


台枠と座席部品に隙間が出来たTR-200床板。

台車締結ビスはしっかり締め込んでいる。
他形式で座席部品のビス締結部破損に悩まされてきた。
念のため締結時にプラスチックの歪みが出ないよう座席部品の様子を伺いながら固定した。
その結果密着していた台枠と座席部品に僅かな隙間が生まれている。
台枠先端へ向かうに従い隙間が広がっておりほぼ狙い通りの形状になった。
後はこの嵩上幅が妥当であるかに懸かる。




車体裾が上がったクハ103-576(運転台側金属ワッシャー式車体高嵩上試行)。


銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を装着するクハ103-373(ラシ337F-3)。


クハ103-124(ツヌ306F-2:TOMIX製High-Grade製品)。

車体と床板を嵌合させ金属ワッシャー組込前の記録と比較した。
すると確実に運転台側の沈下が収まっていた。
連結器と車体裾との間隔が開いた。
ラシ337F-3で相対する銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を取り付けたクハ103-373の車体高に近付いた。
と同時に何処か押し潰された様な雰囲気も消え失せている。
TOMIX製High-Grade製品クハ103形初期形冷房改造車との車体高差も縮まった様に感じる。




クハ103-576(運転台側金属ワッシャー式車体高嵩上試行)。

僅か0.4mmの差しかないものの前傾姿勢だったクハ103-576は大凡平行になった。
KATO製クハ103形はLOTにより運転台側が浮き上がる個体が存在するため試作としては上出来だと思う。
連結面側に金属ワッシャーを嵌め込まなかったのはクハ103-131+モハ103-684の現状を反映したものである。
とにかく運転台側の沈下を防ぐのが第一優先課題で先ずは第一関門を通過できた。


クモハ103-69,クハ103-576 (原形車,運転台側車体沈下対策試作車)。

運転台側車体沈下対策未施工のクモハ103-69(ラシ337F-3)はKATO製103系用ダミーカプラーを装着している。
車体裾と連結器の間隔はクハ103-576に近い。
しかし雨樋の位置が示す通り車体高は低くなっている。
クハ103-576はTNカプラーSPを装着しているため金属ワッシャー式車体高嵩上がクモハ103-69で通用するかは判らない。
ダミーカプラーはスペーサーを設け取り付けたはずで微調整は利くと思う。




クハ103-576+クハ103-373 (ラシ337F-3:グリーンマックス製+KATO製)。

最終試験でクハ103-373(ラシ337F-3)との車体高比較を行った。
完全一致には至らなかったものの許容範囲内には収まったと思う。
少なくとも入場前のクハ103-576+クハ103-373よりは良くなった。
TNカプラーSPの連結器位置は従来と変わらず連解結に不便さは感じない。
なお銀河モデルマウントTNカプラーSP擬を装着するクハ103-373は至って順調な成績を収めている。
これはクハ103-774(ラシ337F-4)も同様で銀河モデル製TNアダプター(3D-022)採用は当たった。

ひとまず金属ワッシャー式車体高嵩上は上々の答を得られた。
クハ103-130,クハ103-131へ展開する前にクモハ103-69で同様の試験を行う。
この結果次第ではTR-200床板を持つグリーンマックス製クハ103形は全車入場になるかもしれない。

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