試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3300形モハ3349[3328F] 新赤電色 (貫通幌座修正,運行番号表示器印刷消去,種別表示器交換施工) ※TOMYTEC製

2019-09-30 21:43:43 | 京成線:3300形
前途多難。

TOMYTEC製京成3300形3328F新赤電色(3,4次車:3328F)の第二次整備もモハ3349を以て終了となる。
様々な災難が重なりモハ3328新赤電色以下5両(3328F)では1両たりとも真っ当に整備を終えられた車両が存在しない。
第二次整備整備を締めくくるモハ3349は貫通幌座,ライトベゼル修正を要するため最後まで製品仕様に振り回される結果となった。


京成3300形モハ3349 4次車 新赤電色(3328F)。
※TOMYTEC製。

モハ3349(3328F)の整備工程はモハ3312,モハ3309新赤電色千葉線仕様(1次車:3312F-3,モハ3328を踏襲する。
2日目の作業を側面窓セル窓サッシ印刷修正から開始するには貫通幌座,ライトベゼル修正まで完了させる必要がある。
このうちライトベゼル再現はモハ3328への施工で油性メタリックマーカー式が通用すると判明した。
従ってモハ3312(3312F-3)と同じく貫通幌座の修正が重要項目となる。
モハ3312では油性ペイントマーカー式での補修を採用したが決して出来映えが良いとは言えなかった。
塗装被膜にも個体差があると思われ一度空振りに終わった油性メタリックマーカー式を試行する。


入工中のモハ3349。

その前に立ちはだかる工程は前面窓セルに印刷された運行番号表示器の消去である。
モハ3328では白色印刷が点状に残り別途追設した運行番号表示器で隠蔽する方式を採った。
この点からも3312F-3との個体差が垣間見えモハ3349の運行番号表示器印刷消去は一癖あるものと予想している。
ただ白色印刷は運行番号表示器枠以外を消去できれば視認可能な状態に持ち込める。
TOMYTEC製京成3500形モハ3556,モハ3553朱帯色後期仕様(3次車:3556F)では激しい擦過痕や亀裂まで生じさせた。
印刷消去に大失敗した両車だったがモハ3328と類似した隠蔽策で竣工へと至らせている。
この事例を基にモハ3349の運行番号表示器印刷は完全消去前での中止も選択肢に含めた。


異様に嵌合が固かった側面窓セル。

モハ3312,モハ3309(3312F-3),モハ3328用側面窓セルは比較的容易に取り外しが行えた。
ところがモハ3349用側面窓セルの嵌合は非常に強固で前面窓セル凸形成形部とがっちり噛み合っていた。
偶柱部へニードルを差し込んでも凸形成形部を起点に湾曲するだけで側面窓セルの嵌合が解けなかった。
嵌合精度は海側,山側共通であり前面窓セルを撤去する前に障害が出現した。
この様な状況に陥ると直接前面窓セルの凸形成形部を直接乗り越えさせるしか術がなくなる。
ニードルは挿したままとし先端を鋭角に切り落とした爪楊枝を嵌合部へねじ込み半ば無理矢理撤去した。


何とか車体から外した前面窓セルと貫通扉部品。

やっとの思いで両側の側面窓セルを取り外したが今度は前面窓セルが外れてくれない。
行先方向幕部を押し込む程度では微動だにせず貫通扉ごと押し出す方式に切り替えた。
しかし貫通扉も嵌合が固く多少斜めになるだけでそれ以上の進展は見られなかった。
分解を阻む原因は貫通扉部品にあると思われ車体前面から片側のライトベゼルへ圧を加える。
すると貫通扉部品の反力が強かったせいか前面窓セルもろとも弾け飛んでいった。
異様に固かった側面窓セルの嵌合は貫通扉部品が関係していたのかもしれない。


まずまずの結果に達した運行番号表示器印刷消去。

前面窓セルは種別表示器部周りを切除しプラ板式種別表示器設置に備えた。
そして運行番号表示器印刷部を薄め液に浸し[■ ■ ■]表示の消去へ取り掛かる。
余り長く薄め液に漬けると通過標識灯レンズ部の変形を招く可能性がありモハ3328より早めに極細綿棒へ持ち替えた。
白色塗料は大半を削ぎ落とせたが僅かに線状の印刷跡が残る結果となっている。
薄め液は助士側前面窓だけ浸かるよう配慮したが運転台側黒Hゴム支持再現まで剥離が進行していた。
モハ3349用前面窓セルは運転台側前面窓黒Hゴム支持再現にも剥離箇所があり作業中に症状を悪化させたと思われる。


運転台側前面窓セル内部に残る黒色塗料。

助士側前面窓黒Hゴム支持再現は運行番号番号表示器印刷の消去過程で殆どが失われていた。
当初から運転台側もHゴム支持モールドをマッキーで塗り潰す予定だったが余りに剥離が酷い。
上塗りでは波打ちが激しくなると予想されたため運転台側前面窓下辺の一部を除き黒Hゴム支持印刷も消去する事にした。
細綿棒に薄め液を浸し黒色印刷の除去を進めていくとどうやっても落とせない箇所が現れた。
運行番号番号表示器印刷痕とは異なり隠蔽策が採れず完全消去を目指した。
終いにはラプロス#8000まで当てたものの黒点は居座り続ける有り様で面積縮小も実現しなかった。
前面窓セル両面から修正策を施しておりこの黒点はセルに練り込まれた状態だったと思われる。


完成形に達した前面窓セル。

ラプロス#8000で生じさせた擦過痕は事務用消しゴムを当て続け透過率を製品並に戻した。
思いの外早く修復を終えられたが皮肉にもモハ3327新赤電色(3328F)での修復作業が参考になっている。
なお助士側前面窓に残っていた運行番号表示器印刷跡は何時の間にか消え去っていた。
擦過痕修正を進めている最中に何かの拍子で勝手に削がれた模様である。
前面窓黒Hゴム支持はマッキー再現であるがHゴム支持モールドへの直接塗布に変わり入場前よりも状態が良くなったと思える。
モハ3328で失敗した運行番号表示器用プラ板は慎重に切り落とし前面窓セル内部との接着剤代を確保した。
これによりモハ3349用運行番号表示器の安定性はモハ3328を凌ぐ答が得られている。


油性メタリックマーカー単独で補修中の貫通幌座。

モハ3312(3312F-3)では相性が今一つだった油性メタリックマーカーだがモハ3349の貫通幌座には馴染んでくれた。
但し印刷が乱れた箇所は水切り直下に位置しておりペン先の裁きを難しくさせる。
一度修正から離れ車体裾断面にてインク剥離試験を行いファイアーオレンジ地の復旧が可能と確認した。
この試験結果を受け水切り部も含めて油性メタリックマーカーを塗布した後に修復へ当たっている。
油性メタリックマーカーのインクは側面窓セル窓サッシ印刷補修と同様に爪楊枝で除去を進めた。
当初は水切り直下だけが修正対象だったがその他にも塗装の甘い箇所があり追加補修を行っている。


眼力が強くなった前尾灯。

ライトベゼル前端はファイアーオレンジ地が透けている状態で4灯全てを油性メタリックマーカー再現に変更した。
前端に加え側面への廻り込みも不十分でありモハ3328と同様の修正方式となっている。
ファイアーオレンジ地を失いたくなく銀色塗装の剥離は見送られたためライトベゼルには歪みがあるように見える。
それでも前尾灯の存在感が強くなり入場前よりも雰囲気は良くなったと思う。
富士川車輌工業製英字無併記[普通]種別幕ステッカーを貼り付けたプラ板は広幅仕様とした。
貫通扉裏面との接着面には十分な余裕があり想定通りの位置に固定されている。

種別表示器の取り付け後に一旦貫通扉部品と前面窓セルを車体へ組み込みその状況を確認した。
分解で苦戦した直後でもあり不安が過ったが今回は問題無く着脱を行えている。
ただ前面行先方向幕が思ったより前進せず行先方向幕ステッカーの貼付が不安要素となった。
側面窓セルを装着すれば多少は改善されると思われるがどの様に角度が変化するかが問題である。
モハ3328は前面窓セルの角度微調整でモハ3312,モハ3309(3312F-3)と揃えられた。
この工程は実質最終項目でありモハ3349も最後まで気の抜けない作業が続くと思われる。
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