樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

滋賀の地元の木を使った体育館

2007-11-08 | 地元の木
この写真は昨日撮った京都の二条駅です。
和服姿の おじ様が 京都っぽいでしょ。

木造で出来ていて グッドデザイン施設に選ばれた建物らしいです。



これは、滋賀県多賀町の大滝小学校の体育館です。
イメージは 似ていますが よーく見ると基本的なコンセプトが違うのがわかります。

簡単に言うと 二条駅はトラスという三角形の力学でもたせて 建物にあわせて 木材が使われていますが 

体育館は「じゃばら」のように短い材料同士が支えあって 
地元の木を活かすという事がコンセプトになっています。

この体育館は、滋賀県立大で講師もされている(株)雄夢の中西先生を中心に 地元多賀町の「設計同人舎」という建築士の共同体で設計されました。

福岡大学であった日本建築学会大会で発表された内容は

こちらに詳しく…

まず、すばらしいのが 子供たちが過ごす建物を地元の木で作られたという事と 間伐材で対応でき かつ ローコストに出来る工法を考えられた事です。

子供たちは、木が生えていた場所も 木を伐ったおっちゃんもわかるんですね。
学校の山もあって 親と一緒に「木おこし」などの 山の手入れの体験もするそうです。

そこが また すばらしい。建物を通じて 森林と人がつながります。

もう一つ 熱い中西先生のお話を聞いて びっくりして 感動したのが
通常 このような公共工事は 年度単位で発注されるそうで そりゃもう パタパタッと作らざるを得ない事になるそうです。

でも 大きな公共工事分の木材のストックなんて いきなり地元で揃う訳がありません。以前は どこの木でも良かったのですが ここで 先生は踏ん張って頂いたみたいです。

工務店が落札すると、それからは どこに発注するかはわかりません。
安くする為の努力を工務店がするという事は 地元の山を苦しめるという結果にもなりかねません。

そこで 木材は 多賀町からの支給品にされて 見積もりから外されたそうです。
「三方よし」なアイデアですね。

ただ やはり 工事の決定から竣工までの期間が短く 伐採から乾燥までをちゃーんと木が長持ちする方法でするのは とても難しいのです。

更に 期間が短いと人口乾燥に頼る部分が大きく、乾燥工場までの輸送(ウッドマイルズ)や乾燥させるのに使われる化石資源や人件費もかかります。

「旬伐り」も「葉枯らし」も できれば 天然乾燥も日本の気候風土を活かした木造建築には大切ですし ましてや公共の建物です。

もう少し 余裕をもって行政機関自ら 少し 山の時間に合わせたプランニングをしてもらえたらいいのになぁーと 思っておりました。

ら 先日 高島市では 三年計画で地元の木を使った地元の公共建築物の計画して行こうと 取組まれると聞きました。

うれしいですねぇ。
これは、木を活かし 大切にする心も 市民に伝わります。
森林所有者も これから日本の木が使われると感じたら 手入れをしようと思って下さるかもしれません。

また この体育館は、いい音もするらしく演奏会をされた方が感動されていたという事です。

ご興味のある自治体や 工場建築などの大空間を考えていらっしゃる方がいらっしゃったら ぜひ 一度 この体育館をご覧下さいませ。

中西茂行先生が 熱く説明して下さると思います。
( 多賀木匠塾もされてますよぉー)

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おっ! (やまかん)
2007-11-09 22:00:48
なかなか、ええ写真とれてるやん。
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やまかん ありがと☆ (樹子)
2007-11-10 08:43:58
ちょっと 斜めになって酔いそうだけどね。
床からすっと現れて(階段) 歩かれる姿も粋でしたぁ。

映画みたいだなぁと思って…。

ミラノだったかの駅も確かこんなイメージだったような。
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