樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

森林の見方が変わった

2007-07-06 | 地元の木
今でも 「森林伐採」= 悪 と思っている人は多い。

しつこいが こと 日本の山に関しては 伐って 使って 再植林 していかないと自然環境は 守れない。間伐では 植えられない。

かくいう私も少し前までは、山の木が伐採されているのを見ると
心が痛んでいた。



ところが 写真の山を見て 最近は「うれしく」思っている
自分に気がついた。

しかも ちゃんと 植林されている。

最近は 鹿が若苗を食べてしまうので ポールのようなものが
かぶせてある。

幼齢木ネット

そこで 使われているものがどんなタイプかわからないが
しばらく経てば 自然に還るとうもろこしが原料のものもある。

あっという間に、伐採して植林していたので 葉枯らしはしていないの
だろうなー。

あそこの木は どこに売られて行ったのだろう。。。。。。。

選挙の看板と間伐材

2007-07-06 | 壊れかけてる森林
私はフラフラしている無党派層です。
選挙のPRではありません。

この間から この看板の支柱に使われている木が気になっています。
ちょっと感動したかも…
誰がこうしようと決めたのかなぁ。


(画像は 選挙が始まったのでぼかしました)

森林や環境にたずさわるようになったから 目に留まっただけで
考えてみたら、昔からこうだったのかも知れない。

きっと 近所のおっちゃんが 山間なのでポスターを貼る壁や塀がなくて
当たり前に間伐してもよい樹を山に取りに行って設置したのだろう。

DIYショップで売っているものとは 明らかに違う。
製材屋が言うのも、自分の首を絞めるようで なんだかなーと
いう気もしなくはないが 四角く製材していないのが いい。
 
見方を変えれば、すごく環境に配慮したしつらえですよね。
杉かヒノキを皮付きのまま 使っています。

この太さなら、チェンソーを使わずともノコギリで伐れるし
四角く製材していないので 電気も使っていない。

使ったエネルギーは、運ぶ時の軽トラのガソリンと
おっちゃんの昼ごはん位じゃないだろうか。
ウッドマイルズも、とても短い…。
( 詳しくは こちらを)

桧皮葺きや、杉皮を屋根の下地に使っているように
樹の皮は 防水効果がある。
この時期に伐った木は かびやすいので丸太のままで正解です。

更に 選挙が終わって使わなくなったら
「炭」にして 畑や床下の調湿に使えば 二酸化炭素を
固定したまま 自然に還せます。

まさに「地産地消」

微々たるものですが、防腐剤入りの輸入材を使って
廃棄物処理場に持って行って燃やしたり
リサイクルという名の元に 化石資源を使ってチップにするより
ずっーと環境に良い。 

おっちゃん達の当たり前に 「学ぶ事」は多いよなー。

ところで この写真 なかなか「美しい国 日本」っていう感じでしょ。

できれば、もう少し 日本のどこにでもある手入れがされていない森林と
その持ち主にも目を向けて頂けるとありがたい。
戦争とその後の復興、日本が高度成長する為にばっさばっさと伐採して
将来の為にとガンガン杉の木を植えるようにとお達しがあり 
もちろん、補助金も出たのではあろうが それまで守ってきた持続ある森林の成り立ちが 出来なくなって今に至っているのではと 私は思っている。
木材貿易の自由化もね。使いやすくて安かった熱帯雨林の木に慣れてしまって
森林を守る事や日本の木を使う技術を伝承したり 工夫したりしなくなって
しまった。

山から降りてきて 田畑を荒らすサルと一緒だ。
少し遠くても 便利で大量においしい食い物がある方がよい。
世界の森林を食い物にして森林破壊を続けてきた日本人に 
サルが身を持って逆襲しているかのようだ。

もう 樹は大きくなりましたよ。
そろそろ ほんとにちゃんとした対策が必要です。

まずは どこの党でもいいから 自分の山の位置さえ知らない
会社勤めしている若い人に目を向けてもらう為にも
また 森林ボランティアに出やすくする為にも
育児休暇 みたいに「山仕事休暇」というのを
取りやすくする政策なんか出してくれないかなー。

どう考えても、サラリーマンの普通の休日だけで山仕事は出来ない。

手を入れなくちゃいけないのは 森林面積の半分以上ある
小さな個人の山なのよぉ。
だけど 森林税も個人の山には使い難いらしく 結局
昔から補助金が出しやすい公的な山や団体か
イメージアップやボランティアにしか出されない気が
してならない。

間伐だけでは、山は 守れない。

商売や生活として人の手が入り森林資源が流通しないと
山の環境は維持していけない。

先日、とても立派な林業を生業とされている方に会った。
師匠と仰ぐ事にしたが そんな方でさえ
「こんな状態では、かわいそうで息子に山を継いでくれと言えない」
と おっしゃっていた。

切実な問題である。