樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

炭と騒がれなくなった酸性雨 2

2007-07-27 | 壊れかけてる森林
炭と騒がれなくなった酸性雨 1 から しばらくたってしまいましたが 

この本を読んで 伐採された脇に残されたままの
虫にやられた松の木は そのままにしておいたら
益々 被害を広げる事になるのでは…と気がついて
その処置について 誰がどうしているのか気になって
行政に聞きに行ってきました。

ほんと ここ数ヶ月でどんどん広がって山をあがって
きています。

もし まだ被害がでていない地域で 手塩にかけて
育ててこられた山主さんがいらっしゃるなら
教えてあげて 虫がつく前になんとかなるものなら
手立てを…と思ったのでした。

でもやはり 役場の松枯れ対策は 虫がついてダメに
なった木にしかされていなくて、それも完全に枯れた木は
虫がいなくなったので何もしないらしく まだ虫が
いそうな木も倒れそうで危ない木とかが対象になるそうで
もう そこまで来ているナラ枯れに対しても
民間の山には 口が出せないという事で 同じように
事後処理しかされないのだろうかと思うと やるせなさでいっぱい。

虫がついてからでは 遅い。もう すでに虫がつきやすい程
木が弱っているかもしれないけど まだ助かるかもしれない。

でも市町村では、資金がないらしく 結局 県や林野庁の政策に
したがうしかないらしい。
誰かが研究して、それが認められればと言われたが 
そんなもの素人の私が研究できないし そもそも森林全体の
問題なんだから 行政がやってくれないとどうしょうもない。
写真でみた夏でも真っ赤に紅葉したような山。
そんな わが町の山は見たくない。

これは リスク管理だと思う。目に余る状態になってからでは
遅いのに…。近くの山には 松林はないらしく 天然でポツポツと
生えているので 大丈夫なのかもしれないが これが広葉樹が
やられるようになったら 一斉に枯れて 土砂災害なんて事に
なったりしないのだろうか。

そもそも 虫だけのせいにした対策が まずかったのではないか。

でも 役場の担当の人の立場もわかるので もうちょい調べて
みようと 本を借りてきました。

新版といっても 1996年が初版だから 10年以上前だ。

を--!

ちゃんと警告が書いてあるではないか。
森林衰退の原因は 各環境によっても違い複合的であるし
土壌はある程度、酸性化を食い止める。

しかし、酸性物質の負荷量がある限度を超えると 
植物が成育できない土壌になる。
それを防ぐ対策を今から実施すべきである。

あ--
聞いた事がある。化学物質過敏症の時と同じだ。
ある点を越えると、もう にっちもさっちもいかなくなる。

そこには、大気をきれいにする事と 酸性に強い種類に樹種を変える事
そして 森林に石灰をまいて酸性化を遅らせる事が対策として
あげられている。

大気は 海を越えてやってくるので自国ではどうしょうもない。
だから せめて 中国の環境対策が整うまでは なんとか
持ちこたえないと…。
今 もれ聞く事は 植物遷移の途中だという事と 酸性や虫に強い
樹種に変えるという事だけのようだ。

でも 納得できない。もうひとつ 対策が残っているではないか。
石灰がいいかどうかはわからない。
酸性を中和するのなら、ほんと 炭でいいじゃないの。

うん 炭がいい。

山のおじさんも「炭焼き跡」のところは 枯れてないって言ってたし。