樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

建築士として 1月17日に思うこと

2008-01-18 | 建築と木材
お正月から いっぱいブログに書きたい事があった。

ほんとは「もみじのたたき」より こっちが先だよねぇ。

阪神大震災の時 昔 沼だった所に建っている 絶対 耐震構造ではないであろうと推測できる年に数センチ 地盤沈下のおきているマンションの最上階に住んでいた。

彦根は震度5だったけど いつも1割増し位には揺れる。
今でも 地震の直後にプロポーズをされれば 絶対 すぐにウンというだろうと思う位 怖くて 心細かった。

被害といえば 大好きなワイングラスなんぞが割れたくらいだったけれど それまでデザインとか便利さとか 暮らしやすさだとか そんな事を中心に家の設計をしていた私は すごく 反省した。

ほんの数日後 新聞に 彦根の玄宮園の地震の間の研究発表があると小さく載っていた。大震災がおこる前から企画されていたらしい。

その「地震の間」というのは 地面のどこにも固定されていなかった。
揺れれば 揺れるのである。

彦根の教育委員会の説明には 耐震構造 とあるけどが たぶん間違いで 免震構造というか 制震構造 なのだと思う。五重の塔もこれと同じ原理だそうだ。

よくできている。構造計算するのは 大変そう。

そう 昔のお役人や大学の建築の先生は この日本の誇り高き木造建築の構造がわからなかったのだと思う。

とにかく 外国のまねをして ガチガチに固める「耐震」が法律になってしまいました。

そして 今でも それは続いている。
今 新しく発表されている大手の建築会社の地震に対する構造も 実は 昔の日本の木造建築の考え方がベースになっていたりする。

壊れないように ガチガチに作られたものは 壊れたら元に戻らない。

天災の多い日本の先祖は その天災と戦うのではなく 共存する方法を考えていた。まず命は 守る。そして その後 生きる為、復興しやすいような構造になっているのだ。

2×4や○○工法といった構造の建物も設計してきたが 持続ある つまり直しながら環境に負荷を与えない素材で長持ちさせる事も加味すると 伝統工法は ほんとによくできていると感心する。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
免震と耐震 (免震と耐震)
2008-01-20 18:57:02
 地震対策として耐震補強はできても、免震補強はできないのでしょね。
 生協大会で話をされるのですね。チラシに写真(知的美人に写っています)付きで紹介されていました。先着300名らしいですが、明日電話で申し込んでみようと思っています。
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あらっ (樹子)
2008-01-21 09:53:51
耐震と免震とは、ある意味 真逆の方法なのです。
補強の「強」という発想が もともと日本建築にはないのかもしれません。
力には力 ではなく 力をかわしたり、利用したり…。柔道っぽいのかなぁ。

生協大会は、あんな大げさなものだと知らず 簡単に引き受けてしまいました。チラシが送付されてきてびっくりしました。
時間がないので ここに書いている事の1/100も話せないような気がしますが びわ湖の漁師さんとお話できるのは すーーーんごく楽しみです。

写真は 少々偽装です。ハハハッ。
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