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樹業人~風の通心

持続可能な社会や森林・建築・木製品について、気ままに こそっと考える為のネタ帳です。

エコハウス?

2007-06-27 | 建築と木材


さて この写真をどう見るか…。

これは、わざとシロアリの実験をしたものです。
周りの白い部分は、食べられていますが
真ん中の心材の部分は大丈夫です。

少し前に 近くの宮大工さんに聞きました。
昔は、樹を伐採した後にずっと(5年ほど)山に置いておき
腐るところは腐らせて、残っている真ん中の
部分だけを使ったそうです。

炭を焼いているので、その時に出来る「木酢液」「竹酢液」の
成分を以前調べた事があるですが、その時は気がつかなかったけど
それはつまり
熱を加えると揮発する成分の一覧表でもあったのです。

その中には、防虫効果のある成分や殺菌効果のある成分も入っていました。
熱を加えると化学反応を起こして その成分が木から出てしまうのです。

人工乾燥も、急ぐあまりに高温でしてしまうと
せっかく 日本の気候や虫や菌に耐えているからこそ
育ってきた樹の中の成分を壊してしまう事にもなりかねません。
また、組織も少々破壊されて粘りのない木材に
してしまってやいないだろうかと心配です。
酸化して釘が効きにくくなったと嘆いている大工さんの
声を聞いた事もありました。

エコハウスを作った方の番組を日曜に見ましたが
端材や細い木を継ぎ足して作った柱や梁(集成材)を
使っているので エコだという事のようでしたが
私は 少し不安になりました。

長持ちするのかなー。
壊した時に無垢材だと環境負荷が少なくてすむし
焚き物にだって出来る。
朽ち果てても問題ない。集成材ではそうはいかない。

日本のそれぞれの季節による外部環境と
自然界には存在しない快適性を求めてのエアコン等による
急激な室内環境の変化で木材が割れやすくなって
いるのかもしれませんが
瑕疵保障制度が出来てから とにかく含水率ばかりが
異様に重要視されました。

自然に時間をかけて乾かしても、木はまた水分を吸います。
乾燥してきたら、その水分を放出します。
が、室内が乾燥しずぎていると パシッと割れやすくなります。

番組では、エアコンを使っていないと言っていました。

あー そんな暮らしをされるなら、どうして無垢の
国産材を使わなかったのかしら…。
細い木は、真ん中の部分が少ないの。
間伐材の利用もいいけど、長く使う事も これからの環境を
考えたら大切になってくると思うのだけどなー。 

数年前に上流の山の中にある築○百年という家を見に行ったら
毎年 少しずつ部材を抜いていって そのまま 朽ち果てるように準備をしている
いるとの事でした。
ほとんどが、土に還る素材で出来ていました。

すごい。究極のエコハウス。

昔の人に学んでおかなければならない事がいっぱいあるなと
気がついた出来事でした。