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JINCHAN'S CAFE

My essay,My life
エッセイを書き続けることが、私のライフワーク

映画の小窓

2008年11月19日 12時25分00秒 | 映画
 現代人の、心の隙間を埋めることができるのは、何なのだろう。恋愛か、友情か、それとも・・・「Are you free tonight?」一夜限りの関係が、今始まる。

 という訳で、じんちゃんがチェックしてきたばかりの映画を、ご紹介します。『彼が二度愛したS』。舞台はニューヨーク。朝から晩まで働きづめの孤独な会計士の前に、突如展開する絢爛たる別世界。そら陥落するわなー。『容疑者Xの献身』における堤真一さんの比やないね。もうウハウハ・・・じゃなくてアヘアヘ 。では、その様子を紐解いて参りましょう♪

 職場と部屋を往復するだけの味気ない毎日を送る主人公、通称’働きマン’。(←勝手に名付けるな~)会計士という職業柄か、期間限定で、あっちの企業こっちの企業と、渡り歩いている。所属する会計事務所から見れば、客先へ出たまんま社員。そんな状態ですから、たまーに戻ってもね、何だか疎外感があるの。かと言って客先にも溶け込めず・・・サビシイナ~なんて時に、ある男性と出会うのです。

 この男、PCの画面とにらめっこしながら一人黙々と作業する働きマンに、やけに気易く声をかける。「残業かい?それとも、エロサイトでも見てるのかい?」ぶはっ「ち、ちがうよ・・・残業だよぅ。」今ここで苦笑した方、何人かいるね。’ち、ちがうよ・・・エロサイトなんて見てないよぅ。スンマセン、人妻の日記チラ見してた。’ぶはっと驚かすのは、この辺にしておいてー

 こんな会話をきっかけに、ぐーっと二人の距離は縮まります。私とアナタやないよ。映画の二人。もうね、机の上に座って、肩組んで、いい調子です。マリファナも吸っちゃった♪おーいどこまでトバしとるんや。とうとう自分語りまで始めたよ。「母子家庭で育った僕は、19で母を亡くしー」ちょっとちょっと!相手はついさっき出会った人。どこまで孤独やねんな。(←人のことは言えない)

 すっかり意気投合しまして、働きマンの日常が一変。相手はカリスマ顧問弁護士。その交友関係もゴージャスだ。夜はまばゆい大人の社交場で遊び、休日は優雅に女の子とテニス。こんな僕とだって付き合ってくれるんだもの。スノッブな奴なんて言えないよ。ああ~なんて気さくな彼なんだ。4000ドルのスーツに身を包み、公園でパンなんかかじっちゃってサ。そこがまた爽やかなんだよね。そう信じ込める働きマンの方が、余程ええやっちゃ。涙が出るわ。

 とある晩、働きマンは、友人となった彼の秘密を窺い知る。「Are you free tonight?」かかってきた一本の電話をきっかけに。「あ、はい。い、いや違うんです。これは彼の・・・」よくわからない。でも興味津々。女性からだったよ。しかも、ホテルへ来てって言ってるし~。もういてまえーっ。そうしたら、キレイなお姉さんがいた。会員制秘密クラブ?何だそれ。登録された電話番号をコールし?合言葉を口にするだけで?今宵の相手が手に入る!?ただしー

I 名前や職業を聞いてはいけない

Ⅱ 待ち合わせはホテル

Ⅲ 手荒なことは禁止

   ・
   ・
   ・

 エグゼクティブだけに許されるハズが・・・成りすまし可能!僕、夢のような一夜を過ごしちゃった♪調子に乗って踏み込んでみると・・・今度の相手はおばさまだ。あちゃー。チェンジ・・・できませんよね?「誘ったのは、あなたよ。ホテルの支払いも、あなた。そういうシステムなの。(ピシャリ)」うんと年下・不慣れ・純朴、そんな甘えは許されない。これが大人の女というものか。きっちり責任とらされた。トホ~

 だけどね、もう冴えない君じゃない。一夜限りの情事を重ね、ふつふつと湧き上がってくる、この根拠のない自信は何なんだ。夜のバットも、いてまえーっ打線。(←近鉄バッファローズか)そうしたある日、地下鉄で見かけた美女と再会します。寄りによって、んなトコで~。いやしかし、せっかくのチャンスを逃す手はあるまい。でも身体だけの結びつきなんて嫌だ。だって僕は・・・君に・・・恋しちゃったんだもん。

 掟を破り、会話を楽しむ二人。好きな人とおしゃべりをする、ただそれだけのことが、こんなに幸福だなんて。おーっと、ごめんなさい。今じんちゃんの小さな胸が痛んだよ。(流せ流せ~)もうね、この二人かわいい!手荒なことは禁止。男は常に紳士たれ、女は常に淑女たれ、エバラは焼肉のたれ。当然、赤いロープで亀甲縛りなんて団鬼六さんもどきはダメダメ。それじゃあ、彼が二度愛したSだか、Mだか、わかりゃしない。それに、あの世界は究極の信頼関係が必要ですからね。

 さて、小さな恋のメロディーを奏で始めた途端、彼女が失踪。えーっまだしてへんがな。(←そういう問題かぃ)ホテルの一室に残された血痕は、何を物語るのか?ミステリーの幕が上がる。

 映画館で、こういう作品に向き合うの、久しぶりなんです。恋を何年休んでいますか?じゃないけれど。だからね、観ているだけで楽しかった。完成度なんて高くなくて結構。例えて言うなら・・・周囲の人に何て言われようがいいの。私は好きなの。という彼への想いと似ています。冷静な観察眼は、ちょっとそこへ置いときましょう♪それが、この映画を味わうコツ。突付き出すと、ドス黒い感情が湧き上がりかねない。あ~やっぱり男っちゅーもんは×××××××

 男性の中の’聖女信仰’’守ってあげたい願望’を、上手く描いていると思う。そうして、それを蹴散らすようなラストが、小気味よかった。(ただしオーソドックス)自分の縛りは自分で解いてこそ、初めて男性と向き合えるのかもしれませんネ。主演の働きマンこと、ユアン・マクレガーには、「困り顔の男」大賞を進呈します♪さて、現実の働きマンの皆様。その心の隙には、一体何が忍び込むのか。怖いですねぇ。恐ろしいですねぇ。それでは、次回をご期待ください。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ・・・

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容疑者Xの献身

2008年11月09日 09時43分00秒 | 映画
 前回のエッセイでも触れましたが、映画『容疑者Xの献身』を観ました。テレビドラマ『ガリレオ』の映画化ですが、なんや感慨深いなぁ。昨年10月に今期一番の目玉として紹介させていただいた作品がですよ、好評につき映画にもなったと。アタシの批評家としての勘も、捨てたもんやないね。周辺エピソードが増え、いっぱいいっぱいの感のある『踊る大捜査線』に、取って代わるシリーズになりますかどうか。キーパーソンは、おっちゃんやな。『踊る大捜査線』は中高年にも強いからねぇ。’正義’’社会’’組織’ こんなキーワードに、おっちゃんは敏感よ。

 ドラマでは、ミステリーの要素が強い。物理学の准教授(福山雅治)が事件の謎を解く、その実証の華々しさが目を惹く。原作でコンビを組む刑事(北村一輝)は、ポイントのみの登場となり、代わりに新人女性刑事(柴咲コウ)をはめ込んだ。ファンの間には不満もあるようだが、福山と柴咲の掛け合い-とりわけ恋にまつわる-を面白く見ていた身としては、この設定もまたよし。福山に、しれっとした表情で「何故、女性はすぐに感情的になる」と言われた日には、ついテレビに向かって「ごめんなさい」と頭を下げてしまった。

 男VS女という構図にしたのは、対立しているかのような二人の間に、これって恋?的な彩りを添えたがるフジのドラマ傾向にもよるだろう。が、こんな側面はないだろうか。論理的に事件を解き明かしていく湯川准教授に対し、そこにある感情をすくい取ることで違った角度から事件へ迫る女刑事。知VS情 男と女の捉え方の相違により、時に反発し、時に補い合いながら、解決へ向かっていく。女性ならではの味を出してほしいですねぇ。華があるとか、メス的な役割だけではなくね。

 さて映画。今回湯川が挑む相手は、天才数学者(堤真一)。同じ大学出身で、学生時代の親友という設定。福山雅治と堤真一?似たような年代には見えんなぁ・・・などと、ツッコンではいけない。おまけにカッコよすぎ!くたびれた感じに仕立てようと、元来のオーラは消せませぬ。この堤さんの役がねぇ・・・切ないのよ。味気ない自分の人生へ灯りを点してくれた存在に、ぐーっと感情移入しまして。八面六臂の活躍ぶりです。ただ、’献身、それは一種のエゴイズムである’とも感じたよ 。彼の心をつかむのは、隣に越してきた妖艶なる美女。ホステス上がりの弁当屋松雪泰子。ソソル!ソソル!!男心を。せやけど、何で弁当屋やねん・・・

 生活にちょいと疲れた雰囲気を醸し出しながら、健気に切り盛りしているんですよ。そら、堤さんやなくても陥落するわなー。お客さん、並んでましたもん。行列のできる弁当屋。そこへね、ガラの悪い、昔の亭主が現れる訳です。「一生つきまとってやるぜ。へっへっへっ。」殺してしまう前に聞きたい。あの男の、どこに惹かれて結婚したのか?(←こら)「かつては羽振りがよかったんだろ」とは、原作でおさらいをしてきた夫の弁。解説してくれるのはいいんだけどね、あなたの説明通りだと、堤さんがやってた天才数学者もこうなるね。

 https://talent-dictionary.com/斉藤暁

 東野圭吾(原作者)さんも、むちゃ言いよる。そら、想像の世界は∞ですからね。ストーリーをある方向へ進めるのに、こういう設定にしておかなければ・・・というのがあり、その為には多少の無理も冒すのでしょう。ホステス上がりの弁当屋て。(←まだ、こだわるか~)いや、このバランスね、非常に難しい。松雪さんじゃ、やはりホステスの比重が高いんです。「美人美人って言ってるけどサ、あの男性にとって魅力的であるってことで、もうちょっとフツーでいいんだよな。」「だけど堤さんがヤキモキするような男性が、周囲をうろついている訳だからサ。それにしても何なのよ!警察にマークされてる時に、目立つ行動とりすぎっ。何であんなに、あの男性へ寄っていってしまうの!!」原作者の都合です・・・。まぁこんな感じでツッコミ所があるものの、大まかには原作の雰囲気を尊重しているといった印象。テーマが重いんでね、それ故にドラマで魅力となっていた部分を、あえて排除したような作りです。人間ドラマに徹したとでも言おうか。コウちゃんが歌う主題歌も、切ないよ。

 「何故、女性はすぐに感情的になる」泰葉もガリレオになら言えたかな。「どーも、すみません!」古すぎて・・・さっぱりわからない。(BYギャツビイくん)

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拝啓 父上様

2008年09月09日 21時32分00秒 | 映画
 懸命に仕事へ取り組んでいる男性が好きです。そんな男性に、この歌を捧げます♪ギャツビイくんも聴いとってな。未来の戦士やから。

 「男らしさって何だ!?」というタイトルで、エッセイを書こうとしているのですが、皆様も映像を見つつ、歌を聴きつつ、考えてみてください。

 ちなみに、この映像の中の男性に、大変惹かれておりました。今では彼的な生き方に、少々異論もございますが・・・。

 だって好きな人が、黙って一人で歯を食いしばり耐えてるのって、寂しいじゃない?おせっかいばばぁとしては(爆)。

 でもね、この映像の中の彼だけは今も、かっくいい~と思うのです♪

 https://www.youtube.com/watch?v=I8xOHAdctoE
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Sweet Rain

2008年04月26日 12時53分00秒 | 映画
 ”ねぇ、死ぬ事について、どう思う?” そんな問いを投げかけられたら、あなたは何と答えますか?

 死神が出てくる映画を、見て参りました。『デスノート』ちゃいますよ。『Sweet Rain 死神の精度』という作品です。主演-金城武。ひゃあ!あんな男前の死神やったら、会うてみたいわぁ♪なんて、うっとりしてたらあきませんよ。天国へ連れていかれますので。スットコドッコイで、どこか憎めん死神でした。ミュージックを愛し、何でか知らんけど犬連れてるんですよ。黒い犬。黒猫は縁起悪いっちゅーけど、黒犬もそうなんすかね。彼らが特殊な死に方をする人の前に現れてね、その人が本当に死に値する生き方をしてきたかどうかを見極めるんです。実行か、見送りか。悔いなき人生を送った人は、たとえ若年であっても、充分役割を果たしましたと。ほな何かい。過去ニ度にわたって死に損のうとる私は、その資格がなかったという訳だな。お前なんか、まだそっちの世界で修業しとれ!という所でしょうか。天は我を見放したーっ。(BY『 八甲田山』 )この文句に笑える人は、いいお年の方ですね。繭と聞いて『あゝ野麦峠』を連想してしまう位の。

 享年24歳となる予定でした。死神さんに見送りカードをいただいて、今や40歳。around 40。略してアラフォーですワ。結婚して子どももできてね・・・この子どもが生まれる時にトラブりまして。(新生児仮死)息子も、見送りカードをいただいてるの。どうやら親子揃って、人間失格らしい。まぁそれもご愛嬌だ。生死の境目までいったこと。一つは笑い飛ばせないこともないんですが、一つはしゃれならん。過去最悪のカードです。男性不信に陥っても不思議じゃないんですが、余程鈍感なんでしょうか。その後いくつかの恋もしまして、現在に至っておりますの。

 先日、桜の森の満開の下、ビール片手に『失楽園』を読んでいたのですが。あれぇ~?確か前にも、昼下がりに読んでるって言うてなかったっけ?じんちゃん、渡辺淳一が好きやねんなぁ。いやね、最近再読する機会が増えたんですよ。プロの作家のすごい所は、もひとつやなぁ・・・と思いながら対していても、最後の最後で心を持っていかれる。『失楽園』もそうでした。エッチなシーンはムフフなのですが、いかんせんヒロイン凛子に、魅力を感じない。こんな辛気臭い女のどこがええのん?彼女と付き合っていて、何が楽しいのん?そんな疑問を抱きながら読み進めていて、ラストにね・・・

 「生きていたから、あなたに逢えて、いっぱい素晴らしいことを知って・・・あなたを好きになって、恋して愛したから・・・毎日、生きている意味がわかったし、むろん、いっぱい苦しいことがあったけど、その何十倍も嬉しいことがあって・・・そう、こんなにいっぱい、全身に入りきれないほど、素晴らしい思い出が詰まったから、もういいわ。思い残すことはなにもない。」

 このセリフに出会ってポロポロっときた。諸々の感情、意地悪なツッコミ、全部相殺。とんだ殺し文句です。もっかい頭から読みたくなっちゃった。生きていたからという言葉、私には響いたなぁ。もっとも凛子は、生の賛歌を確認しながら、その後、死に向かっていく訳ですが。『Sweet Rain』で言う所の’悔いなき人生を送った’’充分役割を果たした’ということかな。享年38歳。40を前にして揺れるお年頃です。今ならまだなんとか、だけどここが限界なんて思っちゃうのよ。好きな人には、少しでもキレイな自分を見てもらいたい。下り坂の自分を晒したくない。それが女心です。だからといって、内容で勝負よ!とは言い辛い頃合。結構オイシイ時期なんですけどね。凛子はそれがわかっていたから、最高潮で命を絶った。切ないですね。

 私自身も、40を前にして揺れました。誰かの妻でもなく、誰かの母でもなく、自分でありたいと。実際は、妻の役割も母の役割もこなしますが、それだけで構成されるのは嫌なんですね。もともと我の強い人間だから尚の事。これね、エッセイ推敲してたら身に沁みるわ。その前に気づけ!温かいご声援、ありがとうございます。せやけど、振り返るという作業は大切ですよ。もう笑えてくる。文章の中にちゃんと欠点が入ってるもん。表現かぶっとるで。クドい!とか。強調表現使い過ぎやっちゅーねん。大袈裟やな~!とか。恋バナがその最たるものですが、哀しみってヤツは、そんな表現を取り去った所から立ち上ってくるようで・・・読み返して「何これ」恥ずかしさでいっぱいになり修正した箇所がいくつかございます。ナルシストにも五分の魂なのだ。

 自分の空間がほしいなぁと思い、Cafeへやってきたのが39歳。これが転機となった。色んな出会いがありましたよ。思い返すだけで、じんちゃん胸いっぱいです。17歳のネット上の愛人ができたかと思えば、年の頃ならそう変わらん男性から母ちゃんと慕われたり。可哀想に。迂闊に名乗りを上げたこと、後悔してるんちゃうかな。何度でも反芻するで。それが女の性やからな。今ではお二人とも、私から卒業なさいまして。ほっと胸をなでおろしておられると思います。親友もできたよ。おばはん二人、夢を語り、笑って、泣いて、怒って・・・訳あって、ちょっと離れてますが。おーい!君の中に埋もれてる宝、まだ掘り起こしてへんぞ。しゃーないな。まずは、自分で掘り起こしてくれ。

 ある雑誌で、島田雅彦VS高樹のぶ子 作家同士の対談があったの。恋愛は人間が変化する一番大きなモチベーションになるといった話の中、「女は好きな男に出会って愛情のある交流をしたら、その男の感性を自分の中に取り入れる」という高樹さんの言葉にうんうんと。確かに思い当たるフシがありますな。エッセイやブログで、好んで取り上げてる文言があるでしょう?あれなんかその極みですね。それぞれの心意気というかなぁ、その言葉の中に集約されている。’覚えておきたかった’のでしょうね。今、改めて吸収が楽しいお年頃よ♪

 高樹さんの発言を受けて、島田さんが「女性は自分の体で異文化を吸収して、発信者にもなれる。男の場合は、生物学的に難しい。送り込む性と受け入れる性との違いでしょうね」なんて返してらしたのですが。「男は、放出の性である」と言っていたお仲間さんがいたのを思い出した。どうやら渡辺淳一さんの受け売りらしいです。そうつながるか~。ここでのエロトークも、無駄にはなりまへんな。ただし人は選ぶで!「あはは~」と流してるようで、ちゃーんとためてるんですよ。体の奥底に。そうやって吸収させていただいてるとね、「あんまり吸い過ぎると腹ふくれるで」というツッコミも、あったりして。うん。ふくれ過ぎたら、エッセイとして生み落とすよ。口外してくれるなという方は、ちゃんとつけてくださいね。紳士的に。

 40とつぶやいた時、何か突然おばさんじみた響きを感じてしまうのだけれど、超えたものだけがわかる良さがあるんですわ。若い娘さんみたいにピチピチしてへんけど柔肌よマシュマロみたいにふかっとして安心感があるのよそして、今がエロス満開よんおっと、お腹には軽く布をかぶせておきましょう。ヴィーナスのように。このちょいと欠落した所が、また愛しい訳よ。そうした味わいを理解できるのが、大人というものじゃないかしらん。「若い子をつまんでるだけなんてイージーよ」高樹さんの言葉に拍手喝さいです。

 ナンだ。良さって、そっち方面かよ!うふふ。恋やエロスは、あくまで彩りの一つ。経験を重ねると、ピンとくることが増えるのね。本を読んでいても、映画やドラマを見ていても。若いうちは、やはり想像力に負わなければならんことが多いでしょう。それがわかるようになった。そうして自分の経験を、人のフィルターを通して見つめ直した場合、幅や奥行きが加わって面白くなることがあるのです。Cafeでも、そんな場面があるかと思います。ん~自分の人生、まだまだ捨てたもんやないなぁ・・・などと考えておりますヨ。

 よくしたものでね、過去最悪のカードも時が経つと、その効果が薄れてくるの。現在の痛みに、過去のカードはかなわない。だから、今をみくびってはいけないんだろうな。ぶざまな姿を晒すことになっても、傷つく羽目になっても、人生には真摯に向き合っていたいものです。ステキに年齢を重ねている女性を見つけたから、40代も怖くなくなったのだー。私は生涯現役でいたいので、恋にこだわるご両人(高樹のぶ子&小池真理子)の後を、しばらくたどってみよう。作品を手に取るのが楽しみですわ♪吸収するのは、男性からだけやないからね!

 拝啓、死神様
 もう生き急ぐのは止めようと思います。せっかくの見送りカード、最大限に利用しなくちゃね♪だって、天国は待ってくれるはずだから。
 http://www.youtube.com/watch?v=LHQFcuZxMck

 P.S. 『Sweet Rain 死神の精度』は、よくできた映画でした♪伊坂幸太郎さんの原作が、効いてるのだと思います。決してヨイショはしない、じんちゃんの映画評でした。
アキちゃん、役者魂開花させてよ~!私は、物書き魂開花させるからねー。


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シーズ・レイン

2007年09月06日 23時32分18秒 | 映画

神戸を舞台にした青春映画で、『シーズ・レイン』という作品があります。友達以上恋人未満の微妙な関係を続ける少年少女の話です。高校最後の夏休みに、二人の仲は急接近。しかし、その後に待っていたほろ苦い結末・・・


原作は、平中悠一の小説『She's Rain』。映画は1993年の作品で、阪神淡路大震災前の貴重な風景が収められているようです。ポートタワーやホテルオークラをバックにしたメリケンパーク(波止場です)の夕景、三宮(さんのみや)のちょっと小粋な町並みなどオシャレな要素だけでなく、神戸~芦屋(あしや)~西宮(にしのみや)の、地元民もおっと反応するようなスポットも、上手く拾っています。一種独特の文化圏を形成する阪急沿線の雰囲気がとってもよくでていて、それを知ってる方なら「うんうん」と納得の世界。なんでも監督(白羽弥仁)は、芦屋市出身だそうで・・・だから’地元目線’があるのですね。(あ~ただし少年少女のお坊ちゃま&お嬢様ぶりは、かなり大袈裟ですよー!)


個人的には、主人公の二人が電車の乗り換えをする阪急夙川(しゅくがわ)駅や、買い物をする芦屋のいかりスーパーに、とってもノスタルジーを感じます♪ 何故って私、6歳~15歳まで夙川に住んでいたんですよ。沿線に桜並木があって、春の眺めは最高でした。落ち着いた環境でねぇ・・・今も帰省の度に、もう一度あの道をたどってみたいという衝動に駆られます。いかりスーパーは、ハイソな奥様ご用達という印象かしら。当時としては珍しく、輸入食品なども置いていました。近くには小粋なレストランがあり、何かのご褒美にそこでエスカルゴを食べさせてもらうのが、ちょっとした贅沢でした。どんなお嬢様かとお思いでしょうが、実は社宅住まいの庶民でして・・・ホホ。


主人公(小松千春)が通う、女子校の制服。白地のワンピースの胸の所に、学校名のイニシャルが赤い刺繍で入ってるんですが、これは神戸にある私立校の制服(夏服)をモデルにしたもの。めっちゃ可愛いんです。地元の女の子たちのちょっとした憧れヨ。ちなみにこの学校は、南野陽子の母校でもあるのですが、彼女はこんな制服を着ていたんですね~もし映画を見る機会があれば、そんなことも想像してみてください。


さて話はストーリーに戻り、主人公の二人。レイコは、はじけるような笑顔が印象的な明るい女の子。ちょっと背伸びをして、ハンサムな青年歯科医と付き合っています。(ただし妹的な存在)その青年歯科医が他の女性と結婚する事になり、交際を解消。それを機に、以前からなんとな~く意識し合っていたユーイチと急接近するのです。周囲から見たら、お互いに好き合ってるのがバレバレ。だけど当人同士は、友達以上恋人未満の距離を保っていた。(歯がゆい~)そんな彼らが急接近するのと時を同じくして、海外からユーイチの幼なじみが帰国。(清楚なお嬢様なのでございます♪)ちょっとドキドキの展開に・・・


主人公の二人を見ていると、やるせないですね。こんなに想い合っているのに、何でうまくいかないんだろうって。でもそれは、客観的に二人を見ている側だけがわかる事実で、当人にはお互いの気持ちが響いてないんですよね。’君がすきだよ’って気持ちが届いて、お付き合いが始まって・・・幸せなひとときばかりではありません。不穏な空気が流れることもあります。映画では、ある出来事をきっかけに、それまでの信頼関係がガラガラと崩れていく訳ですが、その崩れゆく中で最後の信頼関係を取り戻すチャンスを活かせない。その為に、さらに決定的な亀裂が入ってしまう・・・大事な局面で肝心な言葉を吐けないユーイチと、ユーイチを信頼し切れなかったレイコ。どちらもイタいのでしょう。


レイコはね、ずっと求め続けてるんですよ。「それでも君がすき」っていうユーイチの言葉を。究極のラブソング(ピアノでの弾き語り)を贈られていても、それを拠り所にできない。場面場面で彼の心を確認し、愛の言葉を引き出そうとしている。彼女にとって、愛は永遠ではなかったのかな・・・うつろいゆくもの。だからこそ、大事な局面ではとりわけ確認したい。相手というより、愛そのものに対する信頼の問題なのかもしれません。でもその根底にあるのは、それでも愛を信じたいという気持ち。


関係が破綻してから1年後に再会した時の彼女のセリフが、それを物語っている気がします。「あなたは今思っていることがすべてでしょうけど、私もあなたのことをそんなふうに思ったことがあったけど。 私は、あれからいろんなことがあったし、いろんな人と出会ったのよ。」 以前のままの想いを口にしかけるユーイチに、こうたたみかけます。彼は、そんな事を考えてもみなかったんですね。愛は永遠。ある意味、純粋なのかもしれません。でも、そこにあぐらをかくのは危険かな。相手はそう解釈してないのだから。


どちらが正しいという問題ではないのでしょう。けれど、お互いがその解釈の違いを意識していれば、いろんな局面で相手の行動が理解できたかも・・・と思うのです。


ラストシーンで、彼との初デートの思い出の傘を手にして歩いていく彼女が映し出されます。それが今も変わらぬ彼女の気持ち・・・どうしてユーイチのいいかけた言葉を受けられなかったんでしょうね。わざわざ遮って。きっと、「それでも、君がすき」っていう言葉にこだわったんじゃないのかな。この言葉がユーイチの口から出るのを待っている時の彼女の祈るような表情と、引き出せなかった時の辛い表情が忘れられません。たとえ愚かであろうと、彼女にとっては、それが大切なことだったのね。


お互い、素直に自分の気持ちを伝え合えればいいのでしょうが、ここ一番で素直に受けられなかったり、ここ一番で素直に言えなかったり・・・そんな繰り返しのような気がします。


タイトルの『シーズ・レイン(She's Rain)』。ユーイチの視点ですよね。彼にとって、彼女はどんな女性だったのでしょうか。心に雨を降らせた女性?潤いを与えた女性? 映画でユーイチがレイコに贈る歌には・・・   


     ’君が雨なら、体中ずぶぬれになるほど受け止めよう’ (染谷俊「同じ空を見ていた」より)


受け止められなかったんだよね~ 実は私も、笑っちゃうくらい似たような経験が・・・ そうして、彼の心にたくさんの雨を降らせてしまいました。


      世界中の時計を 止めてしまおう


      どんなに 離れていても すきになってく


      きみのすべてに ぼくは生きてる


                        大江千里「砂の城」 (主題歌です)


本当に大好きな彼でした。彼に向かって駆け続けて、いっぱいになるまで想い続けて。あーまたこの映画見て泣いちゃったよ。何度目だよ~ チクショウ!


 


 

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