隊員NO.2ゆきちで~す
加賀市観光ボランティア大学第18回講座で勉強した片野鴨池についてレポートさせて
いただいています。加賀市鴨池観察館の櫻井佳明レンジャーは、カモたちの食事に
ついて教えてくださいました。
マガモやその仲間たちは、食事をするとき、くちばしを水面につけ、”ぶるぶる”と
小刻みに首を震わせます。でも別に寒くて震えているわけではありません。
実は、マガモたちのくちばしには、”くし”のような突起がたくさん付いていて、これが、
エサと水の仕分けをする役割をしているそうです。
カモたちは、いったん、水の中にある水草や雑草の種などのエサを、水といっしょに
口の中に飲み込みます。エサは食べたいけど、水は飲みたくありません。そこで、くちばしを
一生懸命震わせます。そして、くちばしに付いているたくさんの”くし”のような突起は、
まるで濾過装置のように、水をうまく外に捨てさり、エサを”くし”に引っかけて口の中に
残してくれるのです。(ちなみに、オナガカモなどは”ぶるぶる”しない仲間です。)
ですから、マガモは、水がないとうまくエサが食べられないのです。
それでは、鴨池のカモたちは、一体、どこで食事をしていると思われますか?
実は、カモは夜行性の生き物で、夜に活動し、昼間はゆったりと休息しています。ですから
昼間鴨池で見るカモたちはほとんどが寝ているんですよ。そして夜になるとほとんど
その姿は見えなくなります。夕方になると一斉にお食事に出かけるのです。
食事の場所は、加賀市内いたるところの田んぼです。調査によると、トモエガモがもっとも
よく食事場所として利用しているのが、柴山潟周辺や永井・瀬越地区、金明地区などの
水が張ってある水田で、秋の収穫の時に田んぼにこぼれた落ち穂や二番穂のお米を
食べているのです。一枚の田んぼには平均15kgもの落ち穂があるんだそうです。
みなさん夜家にいるときに、耳を澄ましてみて下さい。ひょっとすると、近くの田んぼから、
「キンキンキン」というカモの声やパタパタと羽ばたく音が聞こえるかもしれませんよ!