隊員NO.2ゆきちで~す
加賀市観光ボランティア大学で教えていただいた 「片野鴨池は水鳥の宝庫
-坂網猟とラムサール条約-」についてレポートを続けてきました。
水鳥たちの楽園「片野鴨池」は、地元加賀市のいろんな人びとの手によって、
その環境が守られています。カモたちがシベリアから飛来する前の8月下旬、
坂網猟の猟師さんたちは鴨池の草刈り・周囲の山の間伐・池の水の管理などを
しています。とくに草刈りは、池全体がとっても深い沼地なので、中にはいると
ズブズブと腰のあたりまで体が沈み込んでしまい、大変な作業だといいます。
でも池に生えるマコモを放っておくと、池が浅くなってしまい、ヨシが生えてきて
しまいます。すると今度はハンノキが成長し、池はあっという間に森になってしまい
カモたちがやってくる環境が失われてしまうのです。
最近片野鴨池にやってくるカモの数がどんどん減ってきているそうです。池田さんに
よると、昭和40年代にはマガモだけで約5万羽、その他に雑多なカモも5万羽近く
やってきていたそうですが、現在は2000~3000程度に減ってしまったそうです。
原因は、①近くに北陸自動車道ができ、車のライトや騒音でカモが近寄らなくなった、
②航空自衛隊小松基地の飛行機が上空をかすめて飛び、その音にカモがおびえて
いる、③鴨池周辺の江沼平野や福井県あわら市・坂井市などに狩猟禁止区域が
増えて、カモが分散するようになった、など複合的なものだと考えられています。
「片野鴨池」は1993年6月10日にラムサール条約の登録湿地に指定されました。
指定された理由は、人間が鴨池に手をふれずに守るのではなく、鴨池を利用する
多くの人びとのかかわりをうまく生かしながら、「Wise Use」(賢い利用)してきた
からなのです。
今から17年前に坂網漁師の方の協力で始まった「ふゆみずたんぼ」は、鴨池に
やってくるカモたちがエサをとりやすい場所を増やすためのとりくみです。そして
カモのフンが肥料となり、とてもおいしいお米がとれる「ふゆみずたんぼ」のお米は
「加賀のともえ米」として販売され、その収益の一部が鴨池保護の資金として
使われています。
「片野鴨池」を守っていこうというとりくみが地道に続いています。加賀市民みんなで
鴨池や坂網猟のことを知って、このようなとりくみに協力したいと思います。
みなさん、いつも「実高ふれ愛隊日記」への応援ありがとう
ございます。来年も頑張りますので、よろしくお願いします。
それでは、よいお年をお迎え下さい