実高ふれ愛隊日記

-石川県立大聖寺実業高校情報ビジネス科課題研究ブログ-

「坂網猟」は世界に誇る無形文化財だと思います!

2013年12月29日 | 日記

隊員NO.2ゆきちで~す

昨日に引き続いて、坂網猟ベテラン猟師・池田豊隆さんに教えていただいことを

もとにレポートしま~す。

片野鴨池で一年のうち、もっとも日没の早いのが12月10~20日頃で、4時30分過ぎ

には日が暮れます。それが2月になると6時になります。そんな中、11月15日~2月15日

までのわずか3ヶ月間が「坂網猟」のシーズン。猟師さんたちは、カモが風に向かって

飛んでくる夕闇の一瞬に坂網を投げ、勝負しているのです。

昭和30年代ごろは、全国いたるところで、おいしいカモの狩猟が行われていたそうですが、

現在では、伝統的な猟法でカモを捕っているのは、ここ片野鴨池の「坂網猟」と

宮崎県佐土原地区の「越網猟」の2つだけなのだそうです。

「群れて飛んでくるカモの1羽だけをねらうんやわ。マガモのオスはメスに比べて1割5分ほど

デカい。ヤツらかって、少しでも早く安全にエサ場に行きたいさけ、一直線で谷あいを越えたいん

やろけど、風が強けりゃ、山ぎわを飛んだり、山を越えていくときもある。そやけど、高いとこ

飛ぶとタカにねらわれるし、低いとこ行くと人間が待っとるのを学習するんやわ。10月に来た

鴨池のカモらは1ヶ月もすると、わしらのことを警戒するようになるんや。そやさかい、

わしらの猟ちゅうのは、風向きやらカモの習性やらを考えて、やらんなんのやわ。」

池田さんはホワイトボードに鴨池周辺の絵を描いて、わたしたちに坂網猟の様子を話して

くださいました。

カモを狩猟する場所(坂場)は、毎年11月の初めに猟師さんたちが、くじ引きをして決めるそう

です。カモがもっともよく飛んでくる場所を「オヤバショ」、可能性が低い場所を「カズキバ」と

呼ぶそうですが、その日の天候状態によって、「オヤバショ」に当たったからといって、すぐに

カモが獲れるとは限らないそうです。北風が吹けば、大割新場坂・中坂、南風の時は前山・

鷹打坂、東風・西風が吹けば油木落坂・切明坂でよくカモが獲れるそうです。

「鳥獣保護地域やのに、猟が認められとる所なんて、世界的にも珍しいそうです。」

カモを一網打尽にするのではなく、間引き程度に自然と共生しながら続いてきた「坂網猟」は、

加賀市が世界に誇る無形文化財だと思います!!

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