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Amature radio のたのしみ。古い無線機のレストアを中心にアマチュア無線やそのほかの話題も。

HL-63U レストア

2011-08-31 17:39:37 | HL-63U

TS-780 #e と一緒に手に入れたHL-63Uをいじってみました。

オークションの説明では「プリアンプは動作しているようです。パワーが20W程度しか出ません。」とのことでした。

初見確認すると

・外観・内部とも大変きれい

・電源ケーブルなし

・入力10Wで送信出力20W

・受信未確認

 

1.清掃・洗浄

きれいでしたが、一応バラして洗浄と清掃しました。

元々きれいなので見た目は変わらず。

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2.電源入力部改造

電源ケーブルが無く、コネクターも入手できそうもないので電源入力コネクターを改造しました。

ケーブルを穴から直接出してT型の電源コネクターを取り付けました。

800_img_3967_2 Img_3966

 

3.トリマーコンデンサー破損

出力が出なかったのは電力増幅TRのコレクターにあるトリマーコンデンサーが破損していたためでした。調整しようと回したら、バチバチ音がして放電しました。

フィルムトリマーをこんなところに使うのはどうかとも思うのですが、メーカーがちゃんと評価試験したのでしょうから大丈夫なのでしょう。

セラミックトリマーに取り替えました。

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4.出力確認

TS-790Sをつないで出力特性を測定しました。

周波数は433.00MHz、入力15Wで出力58Wくらいでした。電源電圧13.8V

800_img_3964

ちょっとメータが見にくいですが・・・・上のSX-1000が入力電力(20Wレンジ)、下のRW-120Dが出力電力(120Wレンジ)

Block  Power2

この後、エキサイターをTS-811D(25W機)に取り替えて試験してみました。

エキサイターが変わるとアンプの入力側の整合が変化するために入力のトリマーを調整しないとベストの状態にはなりません。TS-790Sで入力側のSWRを最小値(1.1)にした状態でTS-811Dに交換するとSWRは1.4になりました。調整で1.1には出来ます。

この状態で15WのINPUTで出力はやはり58Wくらいでした。試験を続けているとヒートシンクはどんどん熱くなって出力も徐々に減少してきます。FMモードで数分で50Wくらいまで下がりました。

出力58Wの時の流れる電流は13.8Vで8.9Aでした。消費電力123Wです。

パワートランジスタだけに電流が流れているわけではないので正確ではないですが、直流入力120Wとして、効率48%になります。120Wの52%の電力が熱になっているわけですから熱くなるのも当然です。ちょっとヒートシンクが小さすぎませんか?

800_img_3969 条件はTS-790Sと同じ

このアンプの評価試験をすることが目的ではなく修理が目的ですから試験はこのくらいにしておきます。ベストの状態を作るには・・・

1.実際に接続するエキサーターに合わせて再調整する。

2.出力電力は無理に上げない。50Wまで・・・入力は12W(特にFM)

3.風通しの良い状態で使う。出来れば小型扇風機設置。

4.電源は十分電流容量のある電源で使う。(58W出力時の電流は8.9A)

 

5.受信プリアンプ確認

RX AMPのスイッチをONにすると確かにSメーターは振れるようになります。S=1の信号がS=4くらいまで上がります。

しかし本当に感度は上がったのか?Sメーターが振れるようになっただけなのか?

ノイズレベルも高くなる訳で・・・・・・さて??

0.13μVでS/N 10dBの受信機(TS-811D)につないでみると0.13μVの信号に対してS/Nが12dBくらいに改善されていました。やはり感度は良くなっているようです。効果があるんですね。受信プリアンプの効果を再認識しました。


TS-780 #e レストア その2

2011-08-31 08:57:00 | TS-780

1.清掃・洗浄

今回のTS-780は結構汚い部類に入ります。フロントパネルには傷は無いのですが、表面には汚れがかなり着いていました。ツマミもタバコの汚れは無かったようですが埃と手垢だらけ・・・・。すべてバラしていつもの通りマジックリンに浸けておきました。すっかりきれいになってさっぱりしました。

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リアパネルは黒く斑点状に錆が出始めていたのでバラして錆取りで磨いてから黒艶消しで塗装しました。ヒートシンクもバラしてきれいに洗浄。フィンの間は金属定規にウエスを巻きつけてマジックリンを着けて磨くときれいになります。ネジはすべて新品交換。

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リアパネルをシャーシーに止めているネジ4本の内1本がシャーシー側のネジ山がバカになっていました。ココはよほどのことが無ければ外す所ではないので製造時から?(私は外してバラしてますが・・・・・)ナット止めに変更しました。

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内部も埃が雪が積もるように積もっていました。幸いタバコの汚れが無かったので掃除機とエアーダスター、ウエットティッシュ、ウエスを使ってほぼきれいにすることができました。
 

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2.メインダイヤル修理

清掃のためにバラしたついでにメインダイヤルがFM-CHモード以外のポジションでもクリック状態でフリー回転にならない件と回すのが重い件を修理しました。

原因はモードースイッチがFM-CHにになったときにロータリーエンコーダにリンクしているリンケージが引っかかって戻らない状態になっていました。同時にこのリンケージを押すレバーの止めネジ(イモネジ)がゆるんで正常に動作しない状態でした。すべて修正してOKです。

回転が重いのはレバーが「NORMAL」になっているにもかかわらずレバーからロータリーエンコーダーの爪が外れて「TIGHT」の状態になっていました。これもロータリーエンコーダーを一旦外して修正。修理完了。

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3.同軸ケーブル潰れ

PLLユニットのシールドカバーを開けてみると同軸ケーブルがカバーとポストの間に挟まって潰れていました。幸い断線にまでは至っていなかったので一応動いていたのでしょう。

基板を外してケーブルを交換修理。オリジナルはかなり細いケーブルですが、これはありませんので1.5D2Vを使って修復完了。

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TS-780 #e レストア その1

2011-08-30 23:46:14 | TS-780

TS-780 #d が未解決のまま#eを入手しました。

オークションの説明では「電源が入り、ダミーロードにつないで144MHzで約9W、430MHzで約10W出力を確認。メインダイヤルが常にクリック状態。メモリ用の電池ケースがなし。その他不具合があるかも。」でした。
初見確認しました。
【外観】
1.フロントパネル、ツマミ、ヒートシンクはかなり汚れている。
2.トップカバー、ボトムカバー共に傷も多く汚れも多い。
3.リアパネルは錆が少々出ていてポツポツと黒くなっている。
4.バックアップ用電池のケースが欠品。
5.トップカバー上の窓のナイラッチが1個欠品、1個は固くて手では開かない。
6.内部はかなり埃が侵入している。
7.手提げハンドルがかなり傷んでいる。
【機能】
1.送信出力 144/430MHz共にFM/SSBで10W程度あり。
2.受信感度 144/430MHz共にFM/SSBでそれなりに受信可能。感度未測定。
3.メインダイヤルがFM-CH以外のモードでも常にクリックの状態でフリー回転にならない。
4.メインダイヤルが重い。
5.SSBモードでSメーターが3程度振れっぱなし。
6.F_STEP、RIT、SCANなどのスイッチの動きが緩慢。
7.トーンユニットTU-78が実装されている。(取り付けブラケットが非純正)

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全体的には外観は悪いですが、機能的には大きな問題は無さそうな感じがします。


ハムフェアー2011

2011-08-28 08:11:05 | アマチュア無線

昨日、ハムフェアーに行ってきました。

昔に比べると来ている人の数が少ないですね。晴海の展示場でやっていたころはもっともっと人も多かったし、出展ブースもはるかに多かったです。

来ている人たちの年齢層もまったく変わってしまいました。8割以上が50歳以上な感じ・・・・若い人はごく少ないです。私も8割の内の一人ですが。

ハムフェアーに出かけた収穫

・いつもこのブログにコメントをくださるJA1BOVさんと初アイボール

・10年以上お目にかかっていなかった開局当時からの知り合いに何人か偶然遭遇

・JA1BOV局のお世話でオシロの電源スイッチのリンクバーをゲット

・ずいぶん歩き回って良い運動になりました

レストアネタになりそうなジャンクを探しましたが、ありませんでした。みんな値段が高くて・・・・・

オークションの方が安い。

また来年も行ってみようかな・・・・。

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TS-811D #3 レストア その5(完結編)

2011-08-26 23:48:22 | TS-811

6.VR交換

RF GAIN のツマミの回転に引っかかりがあります。良く見ると若干軸が曲がっているように見えます。

以前手に入れたTS-811ジャンクからボリュームを拝借して交換しました。

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7.仕上げ

外装のネジを新品交換して終了。ケースに引っかき傷とシミが若干ありますが、再塗装するほどでも無さそうなのでそのままです。

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