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Amature radio のたのしみ。古い無線機のレストアを中心にアマチュア無線やそのほかの話題も。

TS-780 #d レストア その4

2011-08-19 15:51:58 | TS-780

6.諸々修理

①バンドスイッチが2度押し状態になることがある。

   バンドスイッチ部を基板ごと交換。

②FLOCKがかからない時がある。

   FLOCKスイッチを交換。

③メーター照明が時々消える。

   ランプ交換。

④BEEP音がならない。

   BZ-1を基板に取り付けてある座布団(円形のスポンジ)を交換。

⑤EXT-SPジャックからMICジャックへの改造線

   改造線は撤去してオリジナルに復元。

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TS-780 #d レストア その3

2011-08-19 08:01:31 | TS-780

3.AVRユニット・CARユニット・PLLユニット調整

送受信と144/430とSSB/FMすべて共通でNGなので考えられる不良個所は1か所が故障していると考えればそう多くはありません。もちろん複合原因で複数の個所が故障していることも十分考えられますが。

とにかく初めにAVR(電源)ユニットの確認が最初でしょう。各出力電圧を確認調整して送受切り替え、144/430切り替えの確認をして問題なし。

次にCARユニットの各モードのキャリア出力と周波数の調整。これも大きなズレはなく調整して完了。

PLLユニットは怪しいと思っていましたが、意外に大きなズレもなく若干の調整はしたものの問題になるほどの異常はありません。

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すべての共通部で残るのはIFユニットの局発です。いつも周波数がズレていてなかなか合わせるのが難しいところですが、ココを確認すると2KHzくらい周波数がズレていました。しかし、2KHzのズレでは「送受信できない」ほどの問題になることはありません。

これは故障個所は1か所ではなさそうです。

 

4.送信部

故障個所を見つけやすい送信部から確認し始めました。一番壊れていると困るFINALユニットは144/430共にSSGから信号を入れることで10Wほどの出力が確認できたのでOK。ちょっと安心です。

IFユニットの出力(30.865MHz)を確認するとココから出ていません。出力のコイルを調整するもダメです。

Q51、Q52で構成される周波数混合部の入力信号は41.560MHzも10.695MHzも正常に入力されているにも関わらず出力がありません。Q51、Q52(2SK125)を2個とも交換しました。これで144も430も2Wくらいの出力が出てきましたがまだ正常ではありません。

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あちらこちらいじっていると急にパワーメーターが10W以上振れました。どこかがルーズコンタクトを起こしています。ルーズコンタクトのポイントを見つけるのはかなり大変でしたが、やっと見つけました。TXユニットのIF信号の入力コネクターの半田付け部でした。半田を付け直して完了。ゆすっても叩いても出力が変動することは無くなりました。

送信部はこれで概ねOKです。出力を13Wに調整しました。

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5.受信部

IFユニットの入力に30.865MHzの中間周波の信号を入力してレベルを確認するとQ1,Q2(2SK125)で周波数変換後の10.695MHzの信号が大変微弱です。

Q1,Q2を交換しました。受信部も送信部と同じ個所の周波数変換部の2SK125が不良です。偶然なのでしょうか?何かあったのか?

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交換後各IFTの調整をしましたが、L3,L4,L14,L16がコアが一番入ったところでもピークが取れません。L3,L4には並列に20PFのコンデンサーを追加してピークが取れるようになりました。おそらくLに内蔵のCが容量抜けしたのでしょう。L13,L16も同様にCを追加するつもりでしたが、こちらはジャンク機からIFTを拝借して交換しました。

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受信部も概ねOKになりました。受信感度は確認していませんが-10dBμVの信号も確認できるようになったのでほぼ正常に復活できたと思います。

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現在分かっている故障内容は

① バンドスイッチが2度押し状態になることがある。

② FLOCKがかからない時がある。

③ メーター照明が時々消える。

④ BEEP音がならない。