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Amature radio のたのしみ。古い無線機のレストアを中心にアマチュア無線やそのほかの話題も。

FT-220 レストア その4

2011-02-28 09:41:36 | FT-220

6.送信時の音声が震える(つづき)

電源のOUTPUTをオシロで確認したところこんな具合です。これではさすがにダメでしょうね。特に9Vはかなりひどいです。

R_9v S_9v

R_12v S_12v

3個の電解コンデンサーを新品交換しました。

220μF16Vは手持ちの関係で470μF35Vを実装しています。

800_img_2273

交換後の電源ユニット出力波形

R_9vafter S_9vafter

R_12vafter S_12vafter

送信時のリップル電圧

コンデンサー交換前 9V:240mVp-p   12V:65mVp-p

コンデンサー交換後 9V:6mVp-p   12V:90mVp-p

9Vは明らかに改善されました。まったく問題のないレベルだと思います。なぜか12Vはリップルが多くなりました。理由は分かりません?なぜ!

MARKER信号のビート音と受信音を確認するときれいな音になっています。また、送信音も別の受信機で確認して以前のような震えた音ではなくなりました。


FT-220 レストア その3

2011-02-27 22:19:17 | FT-220

完了と思っていたら新たに不具合が発覚しました。

 

5.受信から送信に切り替えると周波数が3KHzほど下がる

受信から送信に切り替えて周波数が3KHzほど下がり、その後受信に切り替えると元の周波数に戻って来ます。

周波数が変動しているのはVFOであることはすぐに判明しました。通常VFOの周波数が変動する原因は電源電圧変動、負荷変動、温度変化などが考えられます。温度変化はこの場合考えられないので、まず電源電圧を確認しましたが、変動は0.12Vでそれほど大きな変動ではありませんでした。

CLARIFIERをONにして送受信の周波数差を0にしておくと送信受信を切り替えても変動しません。CLARIFIERがOFFの時にこの現象が出ることが分かりました。

結論はCLARIFIERのスイッチのBREAK側接点が接触不良を起こしているのが原因でした。

スイッチの回路をランプ点灯のための接点と入れ替えて復旧できました。

Switch 800_img_2250

 

6.送信時の音声が震える

送信時の音声がバイブレーターのように声が震える障害もあることが分かりました。良く聞いてみると受信時の音も震えている感じがします。CWの受信音もきれいなビート音ではなく、濁った音がしています。

送受共通の障害なのでローカル発振部、フィルターあたりが怪しいです。

無線通信機に詳しいON氏とチャットでこの話をしているうちに、「電源部では?」と思いAC電源からDC12V電源に変更したところピタリとこの現象が止まりました。電源部に問題があるようです。

電解コンデンサーの容量抜け?? これから電源を調べることにします。

800_img_2255_2 ←電源部


FT-220 レストア その2

2011-02-26 14:28:39 | FT-220

この無線機はほとんど修理するところがありませんでした。

1.フロントパネルを分解して洗浄

フロントパネルを外してパネル、ツマミ類を洗浄しました。残念ながらスイッチのヘッドの色が変色していて磨いても落ちません。赤、青、白がくすんでいます。

透明アクリルのくすみはきれいになって周波数表示が見やすくなりました。

800_img_2218 800_img_2228

2.モードスイッチの配線変更

CWとFMの押しボタンスイッチの配線が入れ替えてありましたが、元通りに戻しました。

スイッチの配線は奥まったところで結構手間がかかりました。

800_img_2219

3.VR、スイッチのガリ

接点復活剤を吹きかけてグルグル、ガチャガチャで復旧しました。

4.送信出力&受信感度

SSB/FMとも出力は15Wです。あえてトリマーコンデンサーを回して調整はしませんでした。

-10dBμVの信号も十分受信できることを確認しました。SメーターをS9=20dBμVに調整してこれも完了。

800_img_2222 800_img_2225

 

これで完了です。

FT-620Bに比べると作りがしっかりしている感じがしました。

800_img_2233


FT-220 レストア その1

2011-02-25 22:35:34 | FT-220

ローカルの友人から昔使っていたFT-220をいただきました。かなり長い間押し入れに保管されていたもので保管するまでは動いていたとのことでした。

【外観】

1.フロントパネルはかなり汚れが付着して透明アクリリルは曇ってしまって透明度が落ちています。スイッチのボタンも色が変色しています。

2.パネル自体に傷はほとんどありません。当時のYAESU特有のフロントパネルのビニールカバーはありません。

3.つまみも汚れはかなりありますが、傷は少ない。

4.ケースの塗装はげ、傷は少ない。

5.リアパネルにはメッキに小さな錆が出ている。

800_img_2210 800_img_2215

【機能】

1.送信はFM/SSBともに15W近い出力が出ます。(変調は未確認)

2.受信はアンテナを繋いでFM/SSBともに各局のQSOが受信できます。(SSG未確認)

3.不思議なことにモードの押しボタンスイッチがFMとCWのポジションが入れ替えてある。(CWを押したときにFM、FMを押したときにCW)

4.すべてのVR、ロータリースイッチにガリが発生している。

 

概ね機能的には動いていそうです。外観をきれいにして調整するだけでほぼ使えるようになりそうな無線機です。