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Amature radio のたのしみ。古い無線機のレストアを中心にアマチュア無線やそのほかの話題も。

TS-670 #1 レストア その1

2013-07-31 19:34:09 | TS-670

久しぶりに初挑戦の機種です。

オークションに出品されていたときの記述は「動作品」でしたが、元々あまりこの記述は信用していませんが、今回も「不動作品」でした。

【外観】

1.フロントパネル、リアパネルは汚れはありましたが、傷は少ないです。

2.トップカバーとボトムカバーは細かい傷がそれなりにあり。

【機能】

1.送信出力不安定。

2.メインダイヤルを回すと周波数がきれいに変化しない。

3.受信感度悪い。

まずはバラバラに分解しました。

最初に発見したのはアンテナの出力コネクターの1.5D2Vの同軸ケーブルのアース側のハンダがほとんど外れてる。・・・・組み立てるときに修理しよう。

 

1.フィルターユニットのリレー交換

この機種は大方の物がこのフィルターユニットのリレーが接触不良を起こしているらしい。

有無を言わさず全数交換です。

オリジナルのリレーは開放型のMATSUSHITA DS1-M DC12V(下の写真 左)

交換したリレーは密閉型のMATSUSHITA DS1E-M DC12V(下の写真 右)

もちろんピンコンパチの互換品で交換は簡単です。ただリレーの値段が高いのです。1個500円・・・・・10個使われているのでこれだけで5000円は少々痛いです。

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全部交換してこんな感じです。

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実は受信感度が悪かったのと出力不安定はこのリレー交換でほぼ解消したのです。

 

2.リアパネル組み立て

リレー交換のためにバラしたリアパネルの組み立てに際し、コネクターをきれいに磨いてネジを全部新品に交換です。

ヒートシンクも一旦外して洗剤で洗浄です。組み立て時に古くなって固形化したシリコングリスをきれいに拭き取って新しいシリコングリスを塗布します。放熱効果がかなり違うはず・・・自己満足??

タッピングビスが使われていたところはM3のタップを切ってM3ネジに取り替えました。

もちろんアンテナコネクター裏の半田付け不良は修復しました。

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3.エンコーダー調整

リパネル部分の修復が終了したので、次はメインダイヤルを回すと周波数がスムースに変化しない件の修理です。

この不具合はTS-780などでも時折経験します。たいていはエンコーダーの出力波形がきれいに矩形波になっていなかったりデューティー比がきれいに1:1になっていないのが原因です。

今回も同様でした。ENCORDERの出力をオシロで見ながらダイヤルを回すとひどい波形でした。(写真を撮り忘れました)

Encoder  Encoder2  

「EN1」の出力波形を見ながらダイヤルを右左に回転させて出力波形が右図の「イ」と「ロ」の比が1:1になるようにVR1を調整。

Service Manualではダイヤルの回転軸にモーターを取り付けて等速で回転させるように書いてありますが、そこまでやらなくても手で回せば概ね調整可能です。

同様に「EN2」の出力を「VR2」で調整。

これでたいていは直ります。今回も完璧に直りました。