厚生労働省は22日、2005年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を発表した。
白書では、2007年以降に「団塊の世代」が定年を迎えると、企業の賃金など労務コストから剰余が出て、その額は10年間の累計で88兆円にも及ぶとの試算が初めて公表された。
1947年から49年生まれの「団塊の世代」の定年をめぐっては、労働力の供給減少や、その世代に蓄積されてきた技術や知識がきちんと継承されるかなどの不安が指摘され、「2007年問題」とも呼ばれている。
しかし、白書は不安を指摘する一方で、前向きな見通しについても示した。これまで従業員の高齢化に伴って多くの賃金を必要としたが、現在の賃金構造や社会情勢が今後も続くという前提では、団塊の世代が引退することでコストの負担は低下し、その結果88兆円もの「余裕」が出ると試算した。賃金統計や人口推計などをもとに、計算したという。厚労省では、「剰余金は、若い世代の積極的な採用など雇用環境のために使うべきだ」としている。
一方、04年のフリーター人口は前年比4万人減の213万人となり、82年の統計開始以来初めて前の年を下回ったが、依然として高い水準にある。また、「ニート」と呼ばれる状態に近い「若年無業者」数も64万人となっているなど、若者の雇用情勢は改善されていない。白書は、「企業は、長期的な視点に立った若年層の採用、育成を図るべきだ」と強調している。
読売新聞 2005年7月22日
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白書では、2007年以降に「団塊の世代」が定年を迎えると、企業の賃金など労務コストから剰余が出て、その額は10年間の累計で88兆円にも及ぶとの試算が初めて公表された。
1947年から49年生まれの「団塊の世代」の定年をめぐっては、労働力の供給減少や、その世代に蓄積されてきた技術や知識がきちんと継承されるかなどの不安が指摘され、「2007年問題」とも呼ばれている。
しかし、白書は不安を指摘する一方で、前向きな見通しについても示した。これまで従業員の高齢化に伴って多くの賃金を必要としたが、現在の賃金構造や社会情勢が今後も続くという前提では、団塊の世代が引退することでコストの負担は低下し、その結果88兆円もの「余裕」が出ると試算した。賃金統計や人口推計などをもとに、計算したという。厚労省では、「剰余金は、若い世代の積極的な採用など雇用環境のために使うべきだ」としている。
一方、04年のフリーター人口は前年比4万人減の213万人となり、82年の統計開始以来初めて前の年を下回ったが、依然として高い水準にある。また、「ニート」と呼ばれる状態に近い「若年無業者」数も64万人となっているなど、若者の雇用情勢は改善されていない。白書は、「企業は、長期的な視点に立った若年層の採用、育成を図るべきだ」と強調している。
読売新聞 2005年7月22日
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