台風避難船原因か、復旧作業急ぐ
平内町漁協(三津谷広明組合長)のホタテ養殖区域に船舶が進入し、養殖施設に損傷を与えていたことが九日、分かった。被害総額は一億円を超えるとみられている。同漁協と県漁業協同組合連合会は、六日から八日にかけて台風14号を逃れて陸奥湾内に避難してきた船舶の一部による被害とみて青森海上保安部に通報の上、該当船舶の特定を急ぐとともに復旧作業を行っている。
同漁協と県漁連によると、現場は平内町茂浦から約五キロ沖合。陸奥湾内に避難した船舶は国内外合わせて約七十隻に及び、近年にない数だったという。船舶らしいものが現場付近を航行していたとの目撃証言もあり、八日に同漁協が現地で確認したところ、ホタテ養殖施設四十~五十カ所で、貝をつるすロープが切断されるなどの損傷を受けていたことが判明した。ロープには船舶に引っ張られて切断された形跡があり、破壊された浮きに船舶の塗料が付着していたことから、同漁協などは「陸奥湾に避難した大型船舶が被害を与えたことは確実」と断定。
被害を受けたホタテは約八割がふ化後約四カ月の稚貝で、二千万から二千五百万個に及ぶ。同漁協が九日から施設の復旧作業を行っているが、回復には約一週間かかるという。
県漁連は「事故防止のため、船舶運行会社には漁業権域内に入らないように呼び掛けている」と語る一方、「船による施設の被害は今に始まったことではない。このままでは漁業者は泣き寝入りで、怒りを感じている」と話している。昨年十一月には、陸奥湾内を航行中のロシア船がホタテ養殖施設を誤って損傷させ、約一億二千万円の被害が発生している。
陸奥新報 2005年9月10日
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平内町漁協(三津谷広明組合長)のホタテ養殖区域に船舶が進入し、養殖施設に損傷を与えていたことが九日、分かった。被害総額は一億円を超えるとみられている。同漁協と県漁業協同組合連合会は、六日から八日にかけて台風14号を逃れて陸奥湾内に避難してきた船舶の一部による被害とみて青森海上保安部に通報の上、該当船舶の特定を急ぐとともに復旧作業を行っている。
同漁協と県漁連によると、現場は平内町茂浦から約五キロ沖合。陸奥湾内に避難した船舶は国内外合わせて約七十隻に及び、近年にない数だったという。船舶らしいものが現場付近を航行していたとの目撃証言もあり、八日に同漁協が現地で確認したところ、ホタテ養殖施設四十~五十カ所で、貝をつるすロープが切断されるなどの損傷を受けていたことが判明した。ロープには船舶に引っ張られて切断された形跡があり、破壊された浮きに船舶の塗料が付着していたことから、同漁協などは「陸奥湾に避難した大型船舶が被害を与えたことは確実」と断定。
被害を受けたホタテは約八割がふ化後約四カ月の稚貝で、二千万から二千五百万個に及ぶ。同漁協が九日から施設の復旧作業を行っているが、回復には約一週間かかるという。
県漁連は「事故防止のため、船舶運行会社には漁業権域内に入らないように呼び掛けている」と語る一方、「船による施設の被害は今に始まったことではない。このままでは漁業者は泣き寝入りで、怒りを感じている」と話している。昨年十一月には、陸奥湾内を航行中のロシア船がホタテ養殖施設を誤って損傷させ、約一億二千万円の被害が発生している。
陸奥新報 2005年9月10日
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