ヨーロッパの限りない大地

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印象派の人々

2007-01-09 22:24:51 | フランス物語
印象派の人々
ジュリー・マネの日記
ロザリンド・ドゥ・ボランド=ロバーツ
ジェーン・ロバーツ編
橋本克己 訳
中央公論社
1990年9月20日 初版発行

印象派の画家、ベルト・モリゾの娘、ジュリー・マネによる、1893年から、1899年までの日記。
表紙の若い女性がジェリーで、その前の年老いた女性がベルト・モリゾである。
モリゾはこのとき既に夫を亡くしている。そのショックもあり、彼女自身も翌年に亡くなってしまう。
今回のオルセー美術館展のポスターを飾った、モリゾの美しい姿と比較すると、寂寥の思いに捉われる。
日記の中では、ルノワールが一番よく出てくる。彼はジェリーにも優しく接してくれた。
また日記の時代は、ちょうどドレフェス事件が勃発している。
今となっては反ユダヤ主義による冤罪事件という見方が一般的だが、当時は意見が真っ二つに別れており、ジュリー自体は、周りの影響もあり、反ドレフェス派である。
もちろん彼女自身まだ若いこともあり、責める事は出来ないが、このような意見があったんだなということだけでも興味深い。
この本も図書館で見つけた。貴重な資料を改めて読めるのはありがたい限りである。