3週に渡って連載した童話版「熊の子太郎」が完結しました。思い入れが強過ぎて 最初から死に向っている物語と解っているのに、どんどん描くのが辛くなっていきました。読んだ方はお気付きかもしれませんが 描きながら、太郎よりも かなり ふう に気持ちが乗っていて、事実 長老に ふう が呼ばれるシーンを描く時 おれは号泣しながらタイプしていた程ですから、読んで頂いた感想で「太郎が撃たれるシーン」を挙げる人よりも「長老に呼ばれるシーン」にグっと来た!と言ってくれた人の方がストライクな感じで おれも嬉しいです。いつもながら かなり癖のある文章で読みづらかったかもしれませんが、ちょっとイジワルに「読んでいく時間が取戻せない感じ」をひっかけるトラップ的なしかけが好きなのです。通過してしまった言葉が後になって「あれは 唄ってたのか」とか「ふう は男かと思ってた」とか、文字に表しきれない全てが、読む人それぞれの世界別に 適当に膨らんでもらえたら愉快だと思うのです。いつか この物語を絵本にして、世界の小学校に寄贈して廻りたい!という夢があります。ギャラリーを借りて個展をするよりも有意義なお金の使い方でしょ!「神話に解釈を加えながら未来にリレーさせる」こんな素敵な世界に導いてくれた 中沢新一 先生に本当に感謝します。ありがとう!生きてて良かった!