JAHPON LAND( Pucci )

スケートファニチャーやステンドグラス作品などJAHPON.comとして活躍する作家 土屋隆亮(プチ)のメッセージ!

熊の子太郎 14

2007年11月09日 | 熊の子太郎
おまつりは 朝からはじまりました。
近くの村からも 人々がたくさん集まり、
長老が てまねき するとおりに ふう たちにも
とくべつな席が用意されていました。
お面をかぶった おどり子 たちの劇や
たいこ や ふえ をもった楽団の えんそう に、
きれいな声の うたうたい たち が出て来ると
楽しいリズムに たお も さや も おどりだしました。
村のこどもたちも とびだして来て、
ふう も村のみんなも 輪になって ぐるぐるおどります。

やがて 日も暮れると 広場の火も大きくなりました。
中心で長老が語りだすと みんな静かになりました。そして
「ふうや、ぼくちゃんたちも こっちへおいで。」
ふう は ハッとしました。長老は ちゃんと知っていたのです。
長老にかけよると、ぎゅっと強くだきつきました。
長老も ふう を だきしめ、みんなで たくさん泣きました。
その時、びゅううぅっと つむじ風が吹き、
広場の火が 強く吹き上がりました。
ふう は 胸のボタンを外して コートを半分脱いで、
これまでの事を 朝が来るまで話しつづけました。