ブルーアガベ Blue Agave

健康エージの甘味料。9000年前からのメキシコの先住民からの贈り物。

都会の喧噪の中のオアシス

2007-08-28 13:30:00 | ブルーアガベ入門
ロハスと云うことばが日本に紹介されて日が浅いが、ある市場調査によると約7割もの日本の消費者がロハスの概念を理解しているのだと聞いた。細かいことが何か分からなくとも、ロハスが持っている健康やサステイナビリティという考えは、日本で受け入れられる基盤があったのだろう。あるいは、穿った見方をすればロハスのメッセージがまさに渇望されているコンセプトだったかも知れない。ストレスの多い現代社会であるが故に、ロハス的なメッセージが受け入れやすかったのだろう。

砂漠のオアシスと云うことばがある。砂漠の中に清水がわき上がり、憩いの場所のことをさす。水があることから植物もあり、まさに強烈な太陽光線から旅人を守ってくれる避難所なのだが、サハラ砂漠などと云った北アフリカでは、交通や貿易の要衝として大きな役割を果たしてきた。しかし、これらオアシスは砂漠に限ったものではなく、喧噪の中に生きる都会人にも当てはまりそうだ。青山通りに面した、表参道に近いところにあるのが、そのような都会のオアシスだ。その名前をSincere Gardenと云う。

ビルの地下、地上と二階の3フロアに都会のオアシスを構築していると聞く。2階は、オーガニックで旬な軽食喫茶を行うガーデンカフェー、地上一階は世界中から厳選されたオーガニックコスメのショップ、そうして、地下一階の「ガーデン・スパ」は大地のエネルギーが伝わってくるような隠れ家のスパなのだ。このオアシスで、ブルーアガベ・シロップが活躍している。

シンシーア・ガーデンの人の話によるとナチュラル・オーガニックにこだわった商品セレクトなので普通の甘味料ではなく甘味料にもこだわってさがしていたところ、ブルーアガベに出会ったという。ここではオリジナルのブレンド漢茶やハーブティーを開発しているので、ブルーアガベの出番がありそうだ。ハーブティーや漢茶など、あまり飲みなれない方には甘みを加えてお試しいただくことをおススメしているとのこと。各お茶との相性も大変よく、お茶と合わせた試飲でも好評だと云う。

ブルーアガベは、このブログでも書いているように徐々に広まってきているが、都会のオアシスのお店でブルーアガベをハーブティーやブレンド漢茶に合わせる甘味料としてご提案しているところはまだ少ないだろう。血糖値を上げにくいブルーアガベがこのような都会のオアシスでどのような人々の疲れた心と身体の癒しに貢献しているのか、次回の帰国時に確認をしてみたい。

Sincere-Gardenのウェブリンク

宮城県、ダイヤモンドシティ名取三越店でのイベント

2007-08-20 06:51:27 | ブルーアガベ入門
日本では、かなりの昔から一流デパートが日本各地の特産品を展示販売する「物産展」などを展開してきた。それらの物産展の多くは、大都会のデパートが普段扱わないような地方の良品を展示販売したりした。旬な食材の販売だけでなく、民芸品などを売ったりしてきた。大手デパートがそのような活動をすることで、誘客を実現しながら、地方と都会の接点と云う重要な役割を果たしてきた。もちろん、今でもそのようなイベントは行われているのだろうが、最近では積極的な市町村や県では東京などに出店をはじめて地元物産を常時展示販売をするようにまでなったようだ。インターネットやカタログ販売、宅配販売など形態は多様化している中で地方の良品物産は、徐々にではあるが都会でも多く見かけるようになってきたと云えよう。

一方地方では、都会偏重の商品志向も強まり、何が東京で流行っているのかと云う意識が強いと言えまいか?そう云った東京商品志向が強過ぎるとなると、地方の良品は、そのすばらしい商品力にも関わらず十分に認めてもらえないような状況になってしまう危険もある。日本各地の有能なリーダーがいる県や市では、東京や、あるいは海外にまで地元特産品の宣伝普及に頑張っているが、灯台下暗しにならないように、地元重視も展開しているのは何よりだ。

特に嬉しいことは、地方のデパートなどで最近では食材を中心に大都会の大企業商品だけでなく、地元の伝統食材や海外の影響を受けて良質の新食材などもプロモーションされ始めていることは素晴らしい。しかもそれが展開されるのが、従来日本に馴染みのなかった都市近郊・郊外型の大規模モール型ショッピングセンター(SC)においてだったりすると、人の集客が高いだけに効果も大きい。宮城県の名取にあるダイヤモンドシティ・エアリ*にある名取三越店でそのようなイベントが催された。百貨店の「三越名取店」1階にブースを持つ「食材王国みやぎ」は、豊かな自然に囲まれ、海・山・大地の育む多彩で豊富な食材に恵まれている宮城県内の「食」にかかわる産業を充実させるため、民官一体となった様々な取組みをしている。そして、地域独自の発想や創意工夫を活かした、生産から加工・流通・消費に至るまでのトータルな食に関する多様なビジネス機会や雇用を県内各地で創出して、地場産品の販売を行っているわけだ。

「食」に関わる産業を充実する一環だと思うが、そこに日本では栽培されていないブルーアガベのシロップが紹介されている。また、近々にも報告できると思うが、だだちゃ豆プリン、葛菓子もメキシコのブルーアガベを使い、新規商材が既に開発されているようだ。日本のデパートや大型のショッピングモール、あるいは民官一体のイベントの中で、健食を前面に出すために活用されている姿は光っている。東京の伊勢丹などではロハスの視点、名取三越店では地元の食材開発の一環として出てきているブルーアガベの活躍は、すばらしい。多くのファンができつつある証左なのだろう。

(注)株式会社ダイヤモンドシティとイオンモール株式会社は、今月21日に合併する。存続会社をイオンモール株式 会社として、平成19年8月21日を効力発生日とし、両社は合併、株式会社ダイヤモンドシティは 上場廃止し解散


ダイヤモンドシティエアリのウェブサイト

ブルーアガベを利用したマルガリータ

2007-08-17 05:25:11 | カクテル
テキーラを使ったカクテルの定番はマルガリータだ。世界的に愛飲されているマルガリータは、アメリカでも若者やパーティー好きの人に大人気だ。テキーラはアルコル度が強すぎて飲めなくとも、マルガリータは口当たりがまろやかなことと蒸留酒のテキーラの独特の味香りなどで、トロピカルな楽しさを提供する飲み物に変身する。メキシコの民族的な音楽はマリアッチだが、(マリアッチはmarriage(つまり結婚式)から来ている言葉らしいが)、マルガリータとの組み合わせは幸せいっぱいのイメージとなる。テキーラの産地のハリスコ州は、まさにこのマリアッチの生まれ故郷でもあることからすると、なるほど関連がうなずける。

マルガリータのカクテルレシピーについては多くの物語や伝説がある。それについてはまたいつか書くとして、今日はマルガリータやテキーラを普及発展させたいPartida社のブルーアガベについて紹介したい。マルガリータは、バーなどで注文するときには材料が揃っていたりするので、作りやすいが、家で作るとなるとマルガリータミックスを買うことになる。そうでないと、マルガリータカクテルの材料として必需品のコワントローのリキュールなどが必要になるからだ。コワントローやマルガリータミックスは、それ自体味は優れているが一つの問題としてかなりの砂糖を使っている。最近のダイエット指向が強い中では、砂糖が多く含まれているカクテルは、好きでも敬遠してしまうのが増えているらしい。

そのような状況に目を付けた、カリフォルニア州ニューポートビーチのPartida社は、家でも簡単に作れて、しかも血糖値を上げにくい甘味料としてブルーアガベを活用することにした。テキーラもブルーアガベから作られていることもあり、相性が良いのは当然だ。パルティーダ社のカクテルレシピーを書いておくので、日本でもお試しされることを推奨する。テキーラに限らず、口当たりが柔らかくなるので、良質の焼酎との組み合わせも抜群に思う。お試しあれ!

テキーラは、ブランコ、レポサード、アニェホのどの等級モノでも合うらしい。

40-50ml テキーラ
30 ml ライム一個分のジュース(ライムがベストだが、ない場合はレモンでも良い)
20 ml ブルーアガベ (好みに合わせるため加減する)
20 ml 水を加える

パルティーダ社のウェブリンク

健食惣菜に登場

2007-08-07 00:05:44 | ブルーアガベ利用商品
楽天に健食総菜を売っているe-mon屋と云うウェブ販売のサイトを見つけた。このe-mon屋さんは、塩分や脂質の摂り過ぎ、野菜不足を改善したい、糖尿病や高血圧症、高脂血症などの生活習慣病が気になるヒトのための総菜を売っているところ。商品名は「カロリー・リセット+プラス」と云うもので、健康を考えるワンランク上の総菜と云う位置付けだそうだ。写真を見ていると実に食べたくなるようなものが並んでいる。ここでもブルーアガベがかなり重要なポイントとなっていることが分かった。彼らの総菜レシピーのポイントは:

1、無添加 冷凍食品は日保ちするため保存料無添加は当たりまえ。着色料、香料など全ての添加物を排除、製造過程における無添加だけでなく、調味料も無添加のものを使用
2、低カロリー 野菜中心のメニューにしてカロリーを極力抑え、食物繊維による便秘予防と共に肥満を防止。ダイエットにも効果的
3、塩分控えめ 食塩の使用量を減らしうす味にすることにより、糖質の多いご飯・パン・麺類の食べ過ぎを防止
4、砂糖不使用・血糖値を上げにくいブルーアガベ使用 砂糖を使用せず、代わりに低GI値の天然甘味料ブルーアガベを使用
5、1袋120g食べきりサイズ ちょうどいい量の1食分だから、経済的で過食も防ぎます。しかも温めるだけの簡単調理。1人暮らしの方や、高齢者にもおすすめ

「カロリー・リセット+プラス」の五つの総菜セットは、下記のものだそうだ。写真を見ると美味しそうだし健康にもよさそう。ブルーアガベを利用した食材をどんどん開発して行く予定らしい。今後の動きが楽しみだ。トップの写真は味噌風味きのこ三昧の総菜だ。

【野菜のクリーム煮】
内容量:120g 原材料:キャベツ、玉ねぎ、牛乳、人参、椎茸、醤油、調味だし、バター、植物油、澱粉、コンソメ、酵母エキス、ブルーアガベシロップ [原材料の一部に大豆、小麦、さば、鶏肉、乳を含む]

【豆腐とエビの白煮】
内容量:120g 原材料:冷凍豆腐(豆乳、澱粉、ゼラチン)、海老、玉ねぎ、調味だし、醤油、グリーンピース、酵母エキス、ブルーアガベシロップ、[原材料の一部に大豆、小麦、さば、豚肉を含む]

【味噌風味きのこ三昧】
内容量:120g 原材料:もやし、こんにゃく、椎茸、人参、しめじ、まいたけ、調味だし、味噌、醤油、植物油、酵母エキス、唐辛子、ブルーアガベシロップ、[原材料の一部に大豆、小麦、さばを含む]

【キャベツと豚肉の蒸し煮】
内容量:120g 原材料:キャベツ、人参、豚肉、調味だし、食塩、コンソメ、酵母エキス、ブルーアガベシロップ、[原材料の一部に小麦、さば、鶏肉、乳を含む]

【かぼちゃのクリームソフト煮】
内容量:120g 原材料:かぼちゃ、豚肉、大根、牛乳、調味だし、グリーンピース、醤油、小麦粉、コンソメ、酵母エキス、ブルーアガベシロップ、[原材料の一部に大豆、さば、鶏肉を含む]

全国宅配・お惣菜屋さんe-mon屋の【無添加】低カロリー・低GI値の天然甘味料ブルーアガベ使用の健康惣菜。「カロリー・リセット+プラス」は、5種類×2袋ずつ10パックのセットが2,980円だそうだ。

e-mon屋ウェブショップのリンクページ

ラーメンの甘味に登場 (麺や七彩-都立家政駅)

2007-08-06 11:54:30 | レシピー
日本へ戻るときはいつも築地の場外のビジネスホテルに投宿して寿司をたっぷり食べるのが通例だが、もう一つの大きな楽しみはラーメン餃子を食べることだ。アメリカで食べるラーメンは、コロラドだからかも知れないが、あまり美味いと思ったものはないし、ロサンゼレスやニューヨークへ出かけても、感激の度合いは少ない。ラーメンは庶民の味だが、進化をしてきたと言うのが持論で、日本のラーメンの味はどんどんと変わり先進化している。今日は、行ったことがないところのラーメン紹介なので、転載をさせていただきたい。麺や七彩と云うラメン屋さんは、ブルーアガベを甘味料として使い出した。すごい進化だと思う。当然出典もはっきりさせよう。次回日本へ10月頃戻るが、ぶらりとここを訪ねてみたい気がする。

【麺や 七彩(めんやしちさい)お店について】
 2007年2月27日創業。「麺匠むさし坊@東川口店」で、メニューの開発や系列店のプロデュースを担当していた同僚の2人が独立して開いたお店。「麺匠むさし坊」は武蔵浦和、東川口、蕨など埼玉県で展開する人気店。こちらではスープの主体は鶏白湯。ところが出身の味とは異なり、喜多方ラーメンと銘打ったラーメンを提供している。メニューにある「タイプH」は「はせ川@喜多方」の醤油ラーメン、「タイプB」は「坂内@喜多方」の塩ラーメンをイメージしたもの。
 西武新宿線都立家政駅北口の「家政銀座商店街」にこのお店はある。褪せた藍色の粋な暖簾が目印。道路よりワンステップ下がった店内に入ると、L字型のカウンター10席のゆったりとした空間。券売機による食券制で、水はセルフ。コップは子供用もある。卓上にはホワイトペッパーと中国産の山椒をブレンドしたミルが置かれている。麺は丁寧に手もみされ、ステンレスボールで泳がせるように麺を茹でている。
 醤油ダレは有機栽培丸大豆を主原料とした無殺菌・無フィルター濾過・無調整の生醤油「弓削田吟醸生醤油」や「ヤマセンの生揚げ醤油」、チャーシューの煮汁、挽肉などを使用して作られている。
 塩ダレは、豚の煮汁、カンホアの塩と岩塩をブレンドしたものを使用し、弓削田醤油を少量加えて作られている。
 甘味は、テキーラの原料である「ブルーアガベ」のシロップを使用。
 香味油は、背脂から抽出したものと鶏油(チーユ)、それに唐辛子や香味野菜を加えて作られている。カメリアやロイヤルピュアといったラード類は使わない。
 卵は「アクアファーム秩父」の「野生卵」を使用している。
 麺は当初「サッポロめんフーズ@練馬区富士見台」製を使用していたが、自家製麺に変更した。埼玉県産の小麦「ハルイブキ」などを使用している。
 2007年夏より7種類の「冷やしらーめん」などの新メニューも登場した。「冷やしらーめん」類は(醤油)を除き、限定期間は定めていないが涼しくなるまでの提供とのこと

【所在地】東京都中野区鷺宮3-1-12 
【電話】03-3330-9266
【定休日】火曜
【営業時間】
 ○11:30-14:30/17:00-21:00<麺100食orスープ切れで終了>
 ○11:30-21:00(土・日)<〃>
【最寄駅】西武新宿線 都立家政駅 徒歩1分

ラーメン自由区のウェブサイト

麺や七彩の地図リンク

先駆者の創る企業イメージ:京王アートマン聖蹟桜ヶ丘店

2007-08-02 00:19:17 | ブルーアガベ入門
マーケティング理論では、必ずしも良いものが成功するとは限らないのは誰でも分かっている。特に新規の商品で認知度が低いモノになると多くの小売店は、誰か他の小売店が頑張って成功するまで待つと云う「待ちの姿勢」を貫くことが多い。私がいた自動車業界では同じことが言えて、天下のGMは、フォード社がエキサイティングなクルマでヒットするクルマの出現を待ってから、GMはその後販売力と資金力をもってして追随することでも大いに間に合ったものだ。フォードのマスタングが大ヒットした段階でGMはその後カマロやファイヤーバードをつくり十分に間に合っていた。トヨタやホンダのハイブリッドの出現で見られるように、アメリカの自動車市場で日本車の評判はすこぶる良い。GMやフォードでハイブリッドで追随しているが、もはや、アメリカ車が追随しようとしても先端的なイメージはついて来ない。

最近のアメリカの傾向は、上に書いたように大手が「待つ」ようなことはしなくなってきている。と云うのも、他の成功を待つようなことをしていると企業イメージで追随的なイメージが定着してしまうからだ。消費者のために考えているイメージや地球環境貢献企業のイメージは一朝一夕で作り上げられるものではない。誰よりも早く、先端的でしかも商品力として論理的な発想につながるものを発売しているところが、人の流れを掴むようになるのは目に見えている。企業の「顔」をつくるのは商品価格の宣伝よりは、商品選択の機動力であり、それが時代の流れに適っていることが重要だと思う。その企業イメージを前面に出すようにすることが重要ではなかろうか。安いものを売っているだけでは、ヒトはついて来なくなるだろう。

これまで、多くのリテーラーは価格的に競争力を強化すると云うことで戦略を組んできたと云える。スーパーなどは、たまご、食パン、牛乳などはある程度赤字に近い価格帯でも人を引き寄せるための戦略としてきているのではなかろうか。でも、時代は飽食の時代、栄養過多の時代、成人病の時代、に突入していることから、今後価格基準、マス・ブランドの時代から、より機能性重視、添加物がない有機なのかどうか、減塩減糖対策品なのか、香辛料なら鮮度や美味の状況がどうなのかで商品の選択がされる時代に入ってきていると言えよう。

京王アートマン聖蹟桜ヶ丘店がブルーアガベシロップを販売し始めてもう3ヶ月ほど経っただろうか。その販売方法に力が入ってきているのを見ていると購買担当者が優れていることと販売フロア担当との連携が非常にうまく行き、京王アートマンの企業姿勢を強く打ち出している証左と云えなくもない。苦労して販売を始めているところは、購入し始めて行く消費者の「こころ」をがっちりと捉え始めていることと強く感じ取れる売り場の写真だ。来年当りは、メタボリック対策と云わなくともブルーアガベは光り始めているだろう。その販売を作り上げた、京王アートマン聖蹟桜ヶ丘店の幹部の決断力に頭が下がる思いだ。これが本当のマーケティングだ。

京王アートマン聖蹟桜ヶ丘店のウェブリンク

飛島沖ホッケ風干と朝日村産山菜のおひたし

2007-08-01 07:15:46 | レシピー
先週紹介したベールナール酒田の土岐料理長は、第18回全国日本料理コンクール郷土料理部門で、庄内産食材を使用し、農林水産大臣賞という最高賞を受賞した方だそうだが、ユニークなディッシュを作る技能もさることながら、その食材探しでは徹底的にご自身の目で生産者を確かめたり、産地そのものに出かけて行って見聞するらしい。まさにその姿勢は匠の姿に他ならない。食材探しを人任せにできないと云うのは、忙しい料理長の立場からしても、純粋にホンモノ料理を追求する「こだわりだ」と言える。

今日紹介する「飛島沖ホッケ風干と朝日村産山菜のおひたし」のレシピーは、ベールナール酒田の親会社のアークベール社が出版しているアークベルプレス誌の8月号の掲載されたもの。アークベルプレス誌によれば、土岐料理長は、山菜については地元の生産者や仲間のレストランオーナーとも懇意であるだけでなく、熊が出そうな山へも自ら出かけて行っては、山菜の案内などもできるほどの凝りようだと言う。

都会の人々は、段々と生産者の顔が見えなくなる状況で生活するようになっている。生産者も、最終消費者の顔が見えないと、食材の生産や出荷に関して気合いも入って来ない。ロハス的な生活をすると云うことになると、どうしても「食」の原点まで辿り着かないといけないと思っている。私の大学の大先輩の帝国ホテルの小林哲也社長と5月お会いしたとき、小林社長は、「食と云う漢字は、人と良の組み合わせだ」との持論を話された。こう言われると今の世の中のファーストフードでは「人にとって良くない」食事も多いのではないかと感じるようになった。仏教用語に「身土不二」(しんどふに)と云うことばがあるが、宗教的には、「身」(今までの行為の結果=正報)と、「土」(身がよりどころにしている環境=依報)は切り離せない、という意味らしいが、ロハス的な解釈をすれば、身体の健康は、土壌の健康に依存しているとでも云うべきだろう。医食同源を求めるのなら、まずは土地の健康からと言えまいか。土岐料理長は、まさに庄内平野を囲む山々の、天然の食材などを探していることになる。

土岐料理長のこだわりは、庄内と云う「食の都」の賢い人々や大自然に支えられているところも多くあろう。でも、クッキングではないキュリナリー・レベルでの発想となると技能には「こころ」が不可欠となる。その「こころ」に甘味にブルーアガベが土岐料理長を動かす何かもってきてくれたようだ。いつかは土岐料理長をブルーアガベの生産州のメキシコのハリスコ州にご案内したい。オーガニックにこだわるメキシコの生産者の人々の「こころ」も直接見ていただきたいからだ。

 

アークベル社のウェブサイトリンク